ハコスカ・セダンGT-Rの後、'70年10月によいよ本命の「ハードトップ」が追加され、この時にセダンのGT-Rが廃止された。
実はこの時には、「ハードトップ」の追加と共にノーマルのGTに搭載されるL20エンヂンも大幅に見直されていた・・・
まぁ、正直ノーマルのL20に付いては古今東西、良い評価はなかなか聞かれないのだが、この時はもっと酷く、4500min-1前後で激しい振動が起きて、それを我慢しても次ぎに6000min-1くらいから再び激震が起き、うるさくて回らないエンヂンとして酷評されていた・・・
それが、クランクシャフトの
バランスウェイトを見直しして、4箇所追加された。
しかし、僕にしてみれば、いくら「イーブンファイヤー」という理想的な燃焼を持つストレート・シックスといえど、この部分に
バランスウェイトが無かった方が不思議なくらいだ!
捻り振動という観点からも、この部分に
バランスウェイトが付いた事は至極当たり前の様な気がする。。。(閑話休題)
この効果はテキメンで、7000min-1まで振動無しに回るようになり、エンヂンノイズも劇的に減ったという・・・
さてさて、肝心の
ハードトップGT-Rだが、セダンに比べてホイール・ベースを70mm短縮して、操縦性の向上と軽量化を果たした。
このことはレーシングGT-Rにおいては
対ローターリの切り札として大きな戦力アップに貢献したのだった。
進化 !KPGC10 GT-R見参
http://carlife.carview.co.jp/User.asp?UserDiaryID=279326
さらに、当時問題が大きくクローズアップされつつあった「ハイオクタン燃料」の「鉛」問題に対応する為に「無鉛燃料」に対応したS20も登場して世間をアッと言わせた。
「無鉛燃料」S20は、その対応として圧縮比が下げられ、馬力は160PS/7000min-1 から 155PS/7000min-1 へ、トルクも 18Kg-m/5600min-1 から 17.6Kg-m/5600min-1 へとダウンしてしまった。
CGでは、セダンGT-Rで満足な結果を得る事ができなかった・・という事もあり、ハードトップGT-Rの登場に合わせて、力のこもったロードテストを敢行していた。
まず第一弾として、通常!?の2000GTと共に二日間に渡り「表富士周遊道路」と「志賀高原」でテストがおこなわれたのである。
ここからは少し「小林章太郎 氏」の妙文に、掻い摘んでであるが酔いしれて見よう。。。
GT-Rの真価は、サーキット場でしか100%しかも合法的には発揮できないが、高速道路上でもその片鱗をうかがい知る事ができる。
エンヂンは5000に至って急に”カムの乗り”、ぐっとパンチが効くと同時に音色が一段と冴える。2本のカムシャフトを回すチエンと24のバルブギア・ノイズに、カン高い特徴的な排気音が和して、すばらしく豪快な音の交響曲となる。。。
コーナリングは、空車時54.1 / 45.9 というノーズヘビイな重量配分を持つ車としては異例に、ごく軽いアンダーステアに始まる。ロールはきわめて少なく、タイアはめったな事では鳴かない。
我々がいつもテストに使う場所に、スポーティな車でも80でやっと回れる上りのコーナーがある。GT-Rは2速で進入し、最初弱いアンダーステアを示すが、なおもフルパワーをかけ続けると、テールがきれいにスライドし、軽くカウンターステアで修正しながら95くらいで抜けることができる。
大きく重い車で、このようにステアリングよりむしろスロットルでステアできる車はごく少ない。
全くストックのままで、レーシング・サルーンに最も近い感覚を示す。。。
2000GTの方は、ロールし、アンダーも強く、最終的には後外輪がまくれて姿勢が乱れる。。。
しかし、僕は改めてこの記事や写真を見て、当時のテスターの凄さを感じられずにはいられなかった。
バイアス・タイアを体験した事のあるみんカラのメンバーは、ごく少数だろうが、僕は510に乗り始めた時は、6.45-13-4PRのブリヂストン「スカイウェイ」というバイアスを履いていたのだが、幅が狭いだけでなく、ハイトも高いので、それはコーナリングが安定しなかった。。。
まさに2000GTの画像の通り、タイアもめいいっぱいよれた状態で一生懸命に走っていたモンだ。
それを、ここまで走りきるとは・・・
セダンで苦戦したハコスカGT-Rも、ハードトップに至ってようやく汚名挽回の兆しが見えて来たようだ。。。
次回はよいよサーキットでのテストに移る。
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Posted at
2006/08/02 01:20:37