七夕生まれの君へ
十歳のお誕生日おめでとう。
三歳から始めた、七夕のブログも、もう8回目を迎えました。病気の事が分かって4回目、時間が経つのは本当に早いモノですね。
病気の進行を遅らせる為に、副作用が大きいとは分かっている薬を毎日、何錠も飲んでいる君を見るにつけ、正直つらいのですが、おかげで、普通より病気の進行を遅らせることが出来て、毎月、診察や検査、リハビリで通っている遠くの病院の先生も、「十歳で、この状態なら奇跡的ですね」と言われるくらいです。
でも、クスリの副作用で筋力が付かず、運動能力が普通の子供よりかなり劣るので、同じ様に走ったり、長い距離を歩けないので、体育の時間や、学校の教室の移動の時、必死な顔で一生懸命に身体を動かしているのですが、どうしても付いて行けずに、本当に辛そうな顔を見せるのですが、そんな時でも、ちょっと前だったら泣きそうな顔になっていたのが、最近は歯を食いしばって黙々と、みんなに遅れながらでも付いて行こうと頑張る姿に、ずいぶんと成長したなって感心してしまいます。
お父さん、お母さんが辛いのは、見た目はまったく普通の子供なのですが、階段を上がる、エスカレーターに乗るといった、足を大きく上げたり素早く動くといった、なんでもない動作ができなくて、もたもたしていると、
「何しているんだ」
みたいなことを、はき捨てる様に言って、横を通り過ぎる大人が多い事に、いつも悲しい思いをしてしまいます。
電車に長い距離乗るとき、筋力が無く、ずっと立っていられないので、席が空いたら先に座らせるのですが、そんな時も、多くは有りませんが、
「甘やかして」
と言う年配の女性がいる事も辛い事です。
「見た目じゃわからない事もたくさんあるのに・・・・」
と思うのですが、残念ながらこれが社会の現実なんだなって、これからの君の事が心配になってしまいます。
なにより、君の病気は、成長が進めば、同じ様に進行してしまうという、普通の親だったら子供が大きくなる事が、なによりの喜びなのに、逆に心配の種になってしまう事が一番辛くなってしまう事です。
でも、君は、そんなハンディをものともせず、どんな状況でも一生懸命に勉強して運動して、自分の出来る範囲で必死に頑張っている姿に、先生方や、同級生の皆に、応援をもらったり、手を差し伸べてもらっている様子を見るにつけ、
辛い事も理解されないことも多いけど、ちゃんと分かる人にはわかってもらっているんだって、
少し安心したりしています。
相変わらず、絵を描いたり、身の回りにあるもので、何かを作ったりすることが大好きで、部屋の中は、さながら工作教室のようです。
最近は、そうした物造りもそうですが、本を読むことが楽しいみたいで、学校の図書館で本を借りてきたり、近くの公民館へ行って、本を借りてきたりして、目を輝かせながら、借りて来た本を読む姿を良く見る様になりました。
今年の七夕のたんざくにも 「たくさん本が読めます様に」 って書いてありましたね。
そうして読んだ本の事を、一生懸命にお父さんやお母さんに話してくれるのが、とても楽しい時間です。
そうそう、一日あった事や、見た事、聞いたことを楽しそうに話してくれる君の笑顔も宝物です。
そんな、君の一生懸命さ、笑顔のすべてが、お父さんお母さんの宝物です。
ここのところ、ようやく日本でも、新しいクスリの治験のハナシが具体的に出てくるようになりました、ips 細胞を使った治療のハナシも、現実味を帯びて出てくるようになりました。
もし、そうしたチャンスが巡って来たなら、お父さんお母さんは真っ先に手を上げて、二十歳までと言われている君の命が、一年でも二年でも、願わくは何年も伸びてくれるように頑張りたいと思っています。
それが、僕たち夫婦を選んで生まれて来てくれた君への、少しでも恩返しの様な気がするからです。
七夕の朝、僕たち夫婦にやって来てくれた君。
そんなロマンチックな君と、いつまでも楽しく、笑顔でいっぱいのまた一年を過ごせるように、家族で最高の一年になる様にがんばりましょう。
お誕生日おめでとう。
七夕生まれの君へ 父より
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Posted at
2013/07/07 06:46:54