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イイね!
2014年06月06日

夢の5速オートマチック「NAVi 5」

今から30年前の昭和60年にいすゞから当時としては画期的なトランスミッションシステムが搭載されました。その名もNAVi 5。「夢の5速オートマチック」というキャッチコピーまで与えられていました。

そんなNAVi 5の搭載車両をカタログから見てみましょう。

左から、アスカ(NAVi 5搭載時)、アスカ(マイナーチェンジ)、FFジェミニ。アスカから順次搭載されました。

ちなみにアスカとはこんなクルマ。

こちらはマイナーチェンジ版。

ジェミニは、

「街の遊撃手」。CMは一世を風靡しましたね(*^_^*)  3ドアハッチバックもありました。

NAVi 5とは、New Advanced Vehicle with intelligence の頭文字をとったもので、先進的で知能を持ったクルマを意味し、NAVIGATE(航行する・案内する)の意味も込められているようです。

NAVi 5搭載間もないアスカのカタログを見開いてみると、

「NAVI-5がマニュアルミッションを変えた」「ブラックボックスの中に、天才ドライビングロボットがいる」といって言葉が見られます。NAVi 5に対するいすゞの期待がわかりますね。

さて、NAVi 5の「5」は5速トランスミッションを指しますが、いすゞの思いとして、「5」には次のような意味合いも込めているようです。
1.スポーティドライビングが満喫できる操作感とパフォーマンス
2.快いイージードライビング感覚
3.「マニュアル」「オートマティック」トランスミッションに2つの機能
4.マニュアル車なみのすぐれた低燃費性能
5.坂路発進補助装置とオートクルーズ、2つの先進システム

構造としては、DSGやTCTのようなダブルクラッチではなく、AMTやEGSのようなシングルクラッチ。上記3.にあるようにマニュアルモードで走ることもできます。NAVi 5独特のH型のシフトポジションでシフト操作をやる気にさせてくれますね。

ところで、三栄書房社のMotor Fan 誌のVol.91では、バイワイヤーの特集記事として、NAVi 5のことを取り上げています。

「NAVi 5は本当に失敗作だったのか」という衝撃的なタイトル。特集には、NAVi 5を開発したいきさつについて興味深く書かれてあります。

それによると、当時、いすゞにはオートマチックは3速しかなく、あとはマニュアルトランスミッションのみ。3速ATは提携先のGMから供給を受けていたそうです。ギヤ比の設定は日本の道路事情に合っておらず、GM側に日本に合ったものを要望したものの供給数の少ないものを新たに開発する気はなく、いすゞは独自でNAVi 5を開発することに。

実は独自開発というのには裏があって、技術チームの有志が集まって勤務時間外に廃車同然のジェミニをベースにつくり上げたそうで、それを目にした当時の社長によって本格的に開発チームが発足したのだとか。

その後、いすゞは4速ATを開発したことと、乗用車部門からの撤退というタイミングによって、残念ながらNAVi 5は廃止となりました(@_@;)  ただし、乗用車部門からの撤退!

しかし、技術開発部門のトップにとっては、NAVi 5はまだまだ可能性があるとして、小型トラックのエルフに搭載したという記載があります。


…という事実を元にこちらをご紹介します。
 
たまたま保有していたエルフのNAVi 5モデルのカタログ(*^^)v

中を見てみると、


楽トラ エルフ ^^;

エルフにNAVi 5があったことは知りませんでした。アスカ、ジェミニに次ぐ第三の搭載モデルということになりますね。

商業的には失敗の烙印を押されてしまったかの感があるNAVi 5。それでも少しずつ改良を重ねながら熟成は重ねていたようです。NAVi 5は広く浸透がしていなく、理解が得られなかったのかもしれませんね。

今でこそMTベースのATはさまざまありますが、もし、NAVi 5がもう少し後に世に出ていたら、自動車業界も変わっていたかもしれないですし、そもそもいすゞの将来も大きく変わっていたのかもしれませんね^^;

※追記  アスカNAVi 5の発売当時の懐かしいCMです^^;
ブログ一覧 | 日本車 | 日記
Posted at 2014/06/06 20:20:58

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この記事へのコメント

2014年6月6日 20:30
ウワー!!たまらん!
良いものに目を付けられましたねー( ̄□ ̄;)!!
昔乗ったことが有ります。
5MTをゆっくりしっかり自動変速する感覚でした。
シフトダウンすると一呼吸おいてウウォーンって変速します。
決してスポーティーでは有りませんでしたが♪
コメントへの返答
2014年6月6日 20:52
初めまして。コメントありがとうございます。

実際にNAVi 5に乗っていらしたのですね。

NAVi 5が現役当時は私はまだ小さかったのでさすがに運転したことはありません。ただ、当時いったいどんなだろうと興味をもっていました。貴重な体験コメントありがとうございます(^^♪
2014年6月6日 20:34
こんばんは。今の時代、いすゞが乗用車造っていたらどんなクルマになるのか興味深いです。やはりクリーンディーゼルでしょうか?(^^)
コメントへの返答
2014年6月6日 20:57
コメントありがとうございます。

いすゞの乗用車部門の最後の頃はビッグホーンやmuなどのSUVと他メーカーからのOEM供給車だったと記憶しています。

ディーゼルに定評のあるいすゞなので、現代でも乗用車部門があるとすれば、ハイブリッドではなく間違いなくクリーンディーゼルに力を入れていることでしょうね(^-^;
2014年6月6日 20:55
エルフのNAVI5出始めに乗った事有ります!
ディーゼルなのを差し引いても シフトダウンは下手でしたね(笑)

テストドライバーか技術者のタイミングや吹かし方なのでしょうが
あの頃じゃ クラッチが切れている時間を短く出来なかったんだと思います?
先の方が書いている様に
一応ブリッピングして 回転を合わせようとしてくれるんですけど?
ワンテンポ遅れて ウォオォ~ン って言う感じですかね?(笑)
クラッチをスパッと繋ぐんじゃなくて 誤魔化しながら半クラで繋いで行く感じとでも言いましょうか?

実際は半クラで毎回繋いでたら クラッチ板が持たないので そんな事は無いと思うんですけど?
面白くって 少しの間走りまわりましたよ(笑)

既にあの頃は ポルシェは 956 962にPDKでしたっけ?
デュアルクラッチのセミオートマが有ったと思うんですけど?
もっと後ですかね?
コメントへの返答
2014年6月6日 21:15
コメントありがとうございます。

エルフのNAVi 5に乗られたことがあるのですね。上述していますが、Motor Fan誌によれば、乗用車に搭載することを止めるときにこのままNAVi 5を終わらせたくはなかったそうですね。

その後、可能性を探ってエルフに白羽の矢が立ったそうで、載せるのはた易いことだったそうです。

エンジンの回転を合わせようとしてもワンテンポ遅れるというのはNAVi 5自体の特性なのでしょうか。ディーゼルであれば多少のエンブレは効いてくれても良さそうですね(^-^;

ポルシェは80年代のレースでPDKを使っていたようですが、それは後の市販版PDKの礎となったものでしょうね。
2014年6月6日 21:00
有り難うございます!
若い頃、お得意様の車をよく引き取りに行ったもので乗る機会が何度か有りました。
ディーゼルも良いですね。
最終型の後期のビックホーンは、エンジンもクリーンでパワフルでした。
駆動系はTOD(トルクオンデマンド)搭載になり、電子制御で駆動力を配分しておりました。
(親父が買った車をよく乗り回したものです)
コメントへの返答
2014年6月6日 21:21
コメントありがとうございます。

いすゞのクルマは特に技術の面では他メーカーとはひと味違った面白さがありますね。私は好きなメーカーです。

乗用車部門からすでに撤退して久しいですが、今もつくり続けていたらと思うと残念でなりません。

ビッグホーンは私の好きな四駆でした。後期型は泥臭さがなくなりかなり洗練されましたね。イルムシャーやハンドリングbyロータスという変わり種もありましたね(^^♪
2014年6月6日 21:38
免許取得したころ、最初の愛車候補としてFFジェミニのNavi5を妄想していたことがあります。

マイナー車ゆえに市場でのデーターも少なく熟成が進まないうちにお蔵入りになってしまった感は否めませんが、VWのDSGやプジョーのETG5のようなセミオートマが出てきたことを考えると先見の明があったということでしょうね。

トルコン式ATに比べ大トルクに対応可能なNavi5は商用車に適したミッションということでその後は進化版のスムーサーへと発展したみたいですね
コメントへの返答
2014年6月6日 22:05
コメントありがとうございます。

おっしゃるとおり、現在では当たり前になってきたDSGなどのツインクラッチ、ASGなどのシングルクラッチ。大雑把に言えばこれらトランスミッションの元祖とも言えるかもしれませんね。それを考えると、いすゞ開発陣は先見の明がありましたね!(^^)!

知らなかったのですが、調べているうちに大型トラックやバスにNAVi 5の発展系が搭載されたようですね。
2014年6月6日 22:38
私もはじめてのクルマとして真剣に検討してました、街の遊撃手(^^)3ドアならカタログカラーのヤツ、4ドアならイルムシャーがいいな、な〜んて。でもnavi5は考えませんでした(笑)で、結局はCR-Xにしました。

いすゞのクルマはちょっと欧州風で好きでしたね。いまほど欧州車が安くなかったので、特に魅力的でした。
コメントへの返答
2014年6月6日 22:46
コメントありがとうございます。

FFになった「街の遊撃手」ジェミニはずいぶんと印象が変わりましたね(^^♪

バリエーションもノーマル系やイルムシャー、ハンドリングbyロータスなどさまざま。今だったらちょっと考えられないバリエーション展開でしたね。面白い時代でした♪

FFジェミニのCM撮影地はヨーロッパでした。カタログもなかなか見応えがあって、いずれご紹介したいと思います(*^^)v
2014年6月7日 2:10
 こんばんは。「巷のシングルクラッチRMT,そしてスムーサーシリーズのご先祖様たるNAVI5の話題がいつか出るな」とは思っていましたが,ついにやってくれました! 万歳! ということで食いついちゃいます(^_^) 
 いすずは,フォワード(=4トン級のトラック)にトラックとして日本で初めてフルオートマチック(GMアリソンのトルクコンバータ式)を搭載したメーカーでもあります。そのためかアスカやジェミニに搭載されていたNAVI5よりも,その後バスやトラックに搭載された本来の姿であるNAVI5及びNAVI6の方が強く印象に残っています。80年代後半,京王や関東バス,西武など,都内の路線バスがRMTをこぞって採用した時期があります。日野のEEドライブ,日産ディーゼルのN某,三菱のMMATなど(フィンガーコントロールシフトの名称とごっちゃになって記憶しているものもあるようで,すみません)各メーカーのRMTが百花繚乱の状態でもありました。NAVIは京王がメインで採用していました。作動音はフィンガーコントロールシフトと良く似ているのですが,発進時にちょっとジャダーに似たような振動を出したり,(ピカソのような)シフトのインジケーターがあったり,減速時にダブルクラッチを自動的に踏んだり等,一乗客としては珍しいものに乗っている気分にさせられたものです。当時NAVI5に憧れた(メカフェチ,いや変態ですね,我ながら(^_^))のですが,学生の身には車自体が高嶺の花であり,縁がありませんでした。ピカソのEGSの作動には,当時を思い起こさせるものがあり(変速レスポンスは,まったりとしたNAVIとは雲泥の差ですが),シングルクラッチのRMTに乗りたかったのもピカソを選んだ理由の一つであったことを今思い出しました。
コメントへの返答
2014年6月7日 7:42
コメントありがとうございます。

80年代半ばといえば、まだまだ3ペダルMTが幅を利かせていた時代でした。その中にあって、NAVi5なる耳慣れない機構には当時興味を覚えたものです。

いろいろ調べていくうちにトラックやバスなどにもNAVi5の発展系のミッションが搭載されていたことを知りました。

いすゞはトラックやバスのシェアの方が圧倒的に高いです。最初からトラックやバスにNAVi5システムを搭載すればよかったところ、まず乗用車部門から搭載しましたが、当時はATのラインナップが3ATだけだったという淋しいお家事情もあったのでしょうね。

アスカに続いてジェミニに搭載し、熟成を重ねられていたそうです。残念ながら乗用車部門からの搭載廃止の憂き目に遭ったのは広く普及しなかったところにもありそうです。

素晴らしい技術で普及に至らなかったのは、いすゞの技術チームにとっても無念だったとは思いますが、エルフへの搭載で一層弾みがつき、その先のトラックやバスといったNAVi6への発展を考えれば、決して無駄ではなかったと言えるでしょうね。

いつもいつもご教示ありがとうございます(^-^;

プロフィール

「インパネ&ナビ画面がしれっとフランス語表記に変わるのって、最近のシトロエンあるあるだよね😅」
何シテル?   05/19 06:07
クルマ大好きです。日本車、ドイツ車、イギリス車、イタリア車、フランス車、スウェーデン車などなど。ブログではいろいろなことを記していて、時には違った切り口で記して...
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