少々古いデータなのですが、2011年一年間のフランス国内のブランド別販売台数トップはルノーです。その数44万6,000台余り。次いでプジョーで37万台。第3位がシトロエンで32万3,000台といった状況です。
世界的に見ると、ルノーグループは①フランスを中心としたヨーロッパのマーケット、②グループ傘下であるダチアブランドのルーマニア、③韓国を中心としたアジア・アフリカなど世界的に地域別に主要マーケットを抱えています。こうして見ると、世界を相手にしているルノーが圧倒的販売台数というのもうなずけます。
ところで、意外に知られていないのが、②となるグループ傘下のダチアというブランド。1966年創業のルーマニアのメーカーで当初はルノー車のノックダウン生産をしていました。その後、ダチア独自のモデルを生産するようになり、1999年にルノー社の傘下に入りました。ロガンはダチアの主力モデルなので有名ですね。
さて、第三者機関の調査によれば、2011年のフランス市場におけるモデル別によるTOP10は、
1位 ルノークリオ 14万9,042台
2位 プジョー207 10万3,332台
3位 シトロエンC3 79,763台
4位 ルノーメガーヌ 78,858台
5位 ルノートゥインゴ 68,236台
6位 ルノーセニック 66,362台
7位 プジョー308 62,279台
8位 VWポロ 53,586台
9位 プジョー3008 53,302台
10位 ダチアダスター 51,613台
8位のポロは例外としても、ルノーのお膝元フランスでルノー傘下のダチアブランドのクルマが数多あるフランス勢のモデルを差し置いて、10位にエントリーしていることは凄いことです。ダチアダスターとはいったいどんなクルマなのか??? 俄然興味が湧いてきます。私自身まったく知らないので調べてみました。こんなクルマです。
ダチアダスターとはSUVタイプのクルマなんですね。もう少し調べてみると、2010年春にデビューしたクルマのようです。当時のニュースを抜粋します。
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新型SUVのダチア・ダスター発表、欧州は来春に発売 2009年12月09日
ルノー傘下のルーマニアの自動車メーカーであるダチアは、新型コンパクトSUVのダスター(Duster)を発表した。
ダスターは、優れたオフロード性能を備え、利便性に優れたSUVを目指して開発。また、低燃費や高い信頼性、安全性、環境性能も重視して開発された。さらに、欧州市場はもちろん、新興成長市場への投入も視野に入れ、コンパクトカー並みの低価格も実現したという。
押し出しの強いフロントマスクや大胆に強調されたフェンダーなどにより、SUVらしい荒々しさを表現したスタイリングが印象的なダスターは、全長4.31m、全幅1.82mで、日産デュアリスより若干幅が広いくらいのサイズ。プラットフォームは、ロガンやサンデロなどと同じB0プラットフォームを採用した。
パワーユニットは、ガソリン・エンジンが最高出力110hpの1.6リッター直4DOHCの1種類。ディーゼルは85hpまたは105hpの2種類のdCiエンジンが用意される。駆動方式は4WDと2WD(FF)も設定した。*******************************************************************************
こうしてみると、サイズとしてはそれほど大きくもなく小排気量のエンジンを搭載していることからライトクロカンという立ち位置のクルマのようです。国産車でいえば、RAV4やデュアリスなどのクラスとなるのでしょうか。手軽で扱いやすく、おそらく安価なことも手伝って、フランス国内で10位にランクインするくらいにヒットしているのかもしれませんね。魅力的なクルマに感じられます。もう少し読み進めていくと、
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生産はルーマニアのピテシュティ工場が担当。2010年春に欧州やトルコ、アルジェリア・モロッコで発売される。2010年6月にはウクライナや中東諸国、アフリカ諸国に“ルノー・ダスター”として投入。2011年にはロシアやブラジル、ペルシャ湾岸諸国にルノー・ブランドで導入される。また、2011年にはブラジルのクリチバ工場で生産がスタートし、南米諸国に供給が開始され、その後、ロシアのアフトフラモス工場でも生産開始となる予定だ。
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ダスターは仕向け地ごとにブランドを変えているようですね。これがルノー・ダスターです。
エンブレムがただ変更されているだけのようです。ルノーエンブレムがつくと純フランス車のルノーモデルに見えるから不思議です。ルノーグループとしては兄貴分となるコレオスは韓国のルノーサムスンの世界戦略車なので、ルノーは世界にグループ会社を抱えることで成長を遂げているのですね。
ルノーグループは世界戦略車ともいえるダスターを一部地域の人たちだけに販売するようなもったいぶることはしないで、日本にもぜひ導入して欲しいと思います。ダチアというブランドはたしかに知名度は低いかもしれませんが、ダチアというブランドをこの日本に定着していくのも一つの方法だと思います。それが難しいならばルノーエンブレムを冠したダスターを導入すればいいのかもしれませんね。ニッチモデルに積極的なルノージャポンにとって次なる導入モデルとなり得るでしょうか。期待したいものです(^^)
Posted at 2013/01/12 23:15:44 | |
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ルーマニア車 | 日記