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2022年06月28日 イイね!

2号機オールトラックと過ごした1ヶ月を総括【2022.6】

ゴルフGTEとの入れ替えで我が家のガレージに納まり、早いもので一ヶ月が経ちました。ここらで一旦総括してみたいと思います。なお、F/L前の2019年登録車両です。

★デザイン

  ≪画像は拝借しました。≫
直線基調で一見すると面白みはないのだろう。しかし、それが却って飽きが来ることなく普遍的であるのがパサートヴァリアントの最大の美点なのだと思う。

サイドを眺めると、AピラーからDピラーまでドアノブの箇所を貫くプレスラインがアクセントを効かせていて特徴づけているのは素晴らしい。

一方、室内。

  ≪画像は拝借しました。≫
デビューが2015年と決して新しいとは言えず古さは否めない。言ってしまえば、ビジネスライクなインパネ廻り。しかし、安定と落ち着きのあるもので、ホッとさせられる。

特にアナログ人間にとってたまらないのが、

  ≪画像は拝借しました。≫
インパネ中央を陣取るアナログ時計。さりげなく、主張し過ぎないのが良い。何よりも見やすいのが最大の美点。F/Lはデジタル化が進み、なくなってしまったのは残念なこと。

★走行性能
直列4気筒2Lターボディーゼルエンジン搭載。最高出力は140kW(190ps)を発揮。最大トルクは400Nmを発生する。これに組み合わせるのが6段DCT。今となっては旧世代のミッションなので、最新の7段よりは見劣りはする。

特に低速でのトルクの細さによるもたつきを感じるが、車両重量が1,680kgもあることに起因するのか。それともミッションのプログラミングが日本の走行に合わないことによるものか。場合によっては、パドルシフトを駆使してMモードを活用している。

★乗り心地

コンチ スポーツコンタクト5 245/45R18 シールタイヤだが、思うほどの硬さは感じられない。多少のゴム減りはあるが、劣化とまでは認められない。

また、アダプティブシャシーコントロール装着車両で、ダンパー特性を変化させることができるサスペンションシステムを備える。中でも「コンフォート」を選択すると柔らかさを感じられる。装着タイヤとの相性が良いのかもしれない。

★積載性

  ≪画像は拝借しました。≫
積載性の高さはパサートヴァリアントの最大の美点。リアハッチゲートを開けるとそこには広大なラゲッジスペースが出現。5人乗車で639Lもの容量。

ちなみにボルボV60は529Lで、アウディA4アバントは505L、BMW3シリーズツーリングが495L、メルセデスベンツCクラスステーションワゴンが440L なので、パサートヴァリアントはDセグメントでは最大の容量を誇る。

なお、リアシートは、

  ≪画像は拝借しました。≫
4:2:4に3分割するシートを採用。使い勝手としてはのが抜群に良い! 

画像のとおり、スキー板などの長尺物を室内に積む際は中央のアームレスト部を畳めば収納できる。2~3人程度の板であれば、屋根に載せるほどではないので、このタイプの分割シートはメリットが大変高い。冬が楽しみ。

★燃費
納車以後まだ一度しか給油していないのでまだ何とも言えない。ディーゼルなので長距離を走ればメリットがあるので、今後に期待。

◎不満な点
・上述しているとおり、発進時のもたつきは否めない。パサートとはそもそもかっ飛ばすキャラクターの車ではないので、それで良いのかも。
・意外に煩いディーゼルのエンジン音。最初はトラックかと思うほど。前車がPHEVだったせいはあるかもしれない。
・ボディカラーが黒なので、汚れが目立つ。あえて選択したので致し方ないが。

◎満足している点
・パサートヴァリアントをまず見かけないので、必然的にオールトラックを見かけることがほとんどない。台数の少なさが良い。
・やはり何と言ってもデザインが素晴らしい。機能性とデザイン性とを合わせ持つクルマなのだろう。

●総評
個人的にはPHEVに永く乗り続けて、もうICEに戻ることはないものと思っていた。しかし、BEVはもう少し先になってから所有すれば良いだろうと方針転換を図った。そんな時、たまたま良縁に恵まれて、B8オールトラックと出逢うことができた。なかなか良い出物には巡り逢うことができない車両なので、縁とは不思議なもの。B8オールトラックは今回が2号機なので、前回堪能できなかった分を含めて、今度は末永く乗り続けていきたい。
Posted at 2022/06/28 21:46:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | My Passat Alltrack | 日記
2022年06月19日 イイね!

日産プリンス店総合カタログ【1982年3月発行】

日産プリンス店総合カタログ【1982年3月発行】かつて日産は最大5つの販売チャネルを有していました。

日産店、モーター店、チェリー店、サニー店。そして今回ご紹介するプリンス店です。

その後、それぞれの販売店は統廃合を進め、再編により1999年頃から2000年頃にかけて、ブルーステージとレッドステージの2つの販売チャネルにわけられました。

幾多の変遷を辿りながら、現在はどの日産販売店でもすべての日産車の購入が可能となりました。それによって、販社同士の競争が激化したのは言うまでもありません。

こうした流れはトヨタでも進められたので、日産は先を見据えた販売戦略を早めに推し進めたと言っても良いのでしょうね。

さて、冒頭写真がカタログ表紙です。たて30cm×よこ20.5cmと、他にあまり例のないサイズです。A4用紙にとても近いサイズのようです。全4ページの折り畳みの簡易なカタログ。

表紙を飾るのはR30前期型スカイライン2ドアハードトップ。フェンダーミラーが懐かしいですね。1983年登場の後期型ではドアミラーでしたから、ちょうど端境期だったわけです。

表紙に「'82グランプリ受賞」とあるのは、月刊自家用車誌主催の国産乗用車読者人気投票総合部門第1位を受賞したからのようです。R30ってそれほどまでに人気だったのですね。誇らしいことです。

1ページめくると、

R30スカイラインのラインナップが4つも揃っていました。ハードトップ(2ドア)、セダン(4ドア)、ハッチバック(5ドア)、エステート(バン)。

イメージキャラクターを務めるのは、ポール・ニューマン氏。二枚目俳優ですし、様になりますねえ。

4ドアに設定のあったRSはカッコ良かったですね。RSはスカイラインらしいキャラクターのグレード。R32まで途絶えることとなった「GT-R」の役割を担っていたのかもしれませんね。

変わり種のモデルがあったのもR30の特徴。

ハッチバックは需要があったから設定されたのでしょうけど、どのくらい販売実績があったのでしょうか(^^)

もう一つのモデルが、

エステートと名称が与えられたバン。つまり、4ナンバーの完全商用モデルです。どちらかと言うと、スポーティなイメージが強いスカイラインに商用モデルとは意外性がハンパないですね(^_^;)

次のページには、

430グロリア。ジャック・ニクラウスがイメージキャラクターを務めていましたね。なので、「ジャック・ニクラウス・バージョン」という特別仕様車が存在しました。傍らにニクラウス佇むグロリアの写真がそれです。フロントグリルに専用バッジが装着されていましたっけ。

写真にあるとおり、430グロリアにはワゴンとバンが存在しました。当時のライバルだったクラウンにも同様に存在していましたね。一定数の顧客がいたということでしょう。

次のページは、

N10初代ラングレー。チェリー店扱いのパルサーの姉妹車でした。「愛のラングレー」というキャッチフレーズでした。コンパクトクラスのラインナップがないプリンス店にとって、待望のモデルだったことでしょう。

裏表紙はプリンス店の商用モデル。

トラックのアトラス、そして、ホーミーコーチ(5ナンバー)とバン(4ナンバー)。アトラスは現代に至るまで残されたネーミング。ホーミーはキャラバンNV350になりましたか。

全5つのうちの1つの販売チャネルに過ぎなかった時代ですので、実にシンプルなラインナップだったのですね。

裏表紙下にあるこの看板はプリンス店に掲げられてあるのを当時見かけたもんです。誇らしささえ感じられました。取り扱いモデルが一目瞭然でわかりやすいですよね。

※ポール・ニューマンが登場するR30前期型のTVCMを見つけたのでどうぞご覧ください。


こちらは4ドアセダンのRSのTVCM。
Posted at 2022/06/19 16:21:42 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日本車カタログ | 日記
2022年06月16日 イイね!

メルセデス・ベンツのエントリーモデルの削減に思うこと

この記事は、メルセデス・ベンツがエントリーモデルを削減。高級路線にシフトについて書いています。

先日、みん友さんのこまじろうさんがメルセデス・ベンツのエントリーモデルの削減についてブログに記していらっしゃったので、私も思うことを取り上げてみたいと思います。(こまじろうさん、勝手にトラックバックさせていただきました。すみません。)

それによると、メルセデスベンツの戦略の一環として、高級路線に注力をしようというもの。つまり、エントリーモデルを削減するわけですね。

関係するwebニュースから引用します。(記事リンクは下に貼っています。)

(引用開始)
メルセデスベンツは5月19日、次世代のエントリーラグジュアリーセグメントのモデル数を、現行の7車種から4車種に再編すると発表した。

今回の発表は、メルセデスベンツの新戦略の一環だ。メルセデスベンツの新戦略では、高級車の3セグメント(エントリーラグジュアリー、コアラグジュアリー、トップエンドラグジュアリー)のうち、最上位のトップエンドラグジュアリーに注力していく。

現行のエントリーラグジュアリーセグメント車には、ハッチバックの『Aクラス』、セダンの『Aクラスセダン』、MPVの『Bクラス』、4ドアクーペの『CLA』、ワゴンの『CLAシューティングブレーク』、SUVの『GLA』と『GLB』の7車種がある。

(引用終了)

現行のメルセデス・ベンツのラインナップはもうわけがわからないほどに増えたように思います。あまりに増えすぎて、区別がつかないのが正直なところ。(個人的には常に動向を追っているので、どれがどれだか一応わかるつもりです。)

今回メルセデス・ベンツが削減を対象としている7つのモデルは次のとおりです。

■Aクラス(W177)
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  ≪画像は拝借しました。≫

■Aクラス セダン(V177)
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  ≪画像は拝借しました。≫

■Bクラス(W247)
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  ≪画像は拝借しました。≫

■CLA(C118)
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  ≪画像は拝借しました。≫

■CLA シューティングブレーク(X118)
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  ≪画像は拝借しました。≫

■GLA(H247)
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  ≪画像は拝借しました。≫

■GLB(X247)
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  ≪画像は拝借しました。≫

エントリーモデルだけでも多種多様でハッチバック、セダン、4ドアクーペ、シューティングブレーク、SUVなどなど、これだけ揃うと選択する側にとっては飽きさせないですね。

そもそもメルセデス・ベンツのエントリーモデルと言えば、古くは190Eがコンパクトメルセデスとして認知されていました。
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  ≪画像は拝借しました。≫
190シリーズは日本では六本木のカローラなんて揶揄されていました。時代が変わり、190シリーズは1993年にCクラスとして変遷し、今に至っています。

Cクラスのさらにロアモデルを担う役割として、Aクラスが1997年にデビュー。
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  ≪画像は拝借しました。≫
Aクラスのデビューは高級路線を狙うメルセデス・ベンツにとって挑戦でもあり、新たな顧客を獲得するチャンスだったのでしょう。

そのAクラスもモデルチェンジを繰り返しながら、現代にまで至って販売し続けているということは成功だったのでしょう。

Aクラスを軸として、BクラスやCLSなどの派生モデルが多数、その後デビューしたのは上述のとおり、顧客を飽きさせないことやさらなる顧客の獲得に繋がったことでしょう。

初代Aクラス登場から25年。エントリーモデル削減という考えをメルセデス・ベンツ自身が根本的に覆す(否定する)に至ったことについて、記事の続きには次の記載があります。引用します。

(引用開始)
メルセデスベンツは今後、ラインナップを再編し、投資の75%以上を最も収益性の高いセグメントに充当する計画だ。メルセデスベンツは、トップエンド車の販売シェアを、2026年までに2019年比で約60%拡大することを目指す。これにより、2020年代の半ばまでに、営業利益率を約14%に引き上げる目標を掲げている。
(引用終了)

メルセデスとしては比較的安価なエントリーモデルでは利益が上げづらいということを意味するのでしょう。そこで、高級路線へと移行しようと画策するという方針転換でしょう。

しかしそれは表向きの理由のような気がします。世はEVシフトに向かっています。メルセデスもBEVとしてEQシリーズをデビューさせています。

■EQA

  ≪画像は拝借しました。≫
他にもEQCやEQE、EQV、EQSなどBEVを矢継ぎ早にラインナップに揃えています。BEV化に対するメルセデス・ベンツの本気が窺えるというもの。

つまり、PHEVやBEVなどのEVシフトを見据えて、そちらへ注力をしていくために、内燃機関モデルを少しずつ減らしていっているのではないかというのが個人的な見立てです。

エントリーモデルの削減は、今回は7モデルから4モデルですが、中長期的にはさらに削減するのではないかと考えます。いや、完全になくなるかも。

メルセデス・ベンツの戦略が今後どのような結果をもたらすのか、どのような影響を及ぼすのか、とても興味を覚えます。


web記事引用先:メルセデスベンツ、『A&Bクラス』を再編へ…次世代モデルは4車種に集約 (Response) Yahoo! news 2022.5.26
Posted at 2022/06/16 23:04:35 | コメント(5) | トラックバック(0) | ドイツ車 | 日記
2022年06月11日 イイね!

日本導入初期ロットのシトロエンDS4が流通している件

日本導入初期ロットのシトロエンDS4が流通している件ここでいうDS4とはシトロエンオートモビルズ社が2010年にワールドプレミアした「シトロエン」のDS4のことです。
(冒頭画像)

日本には翌2011年に導入されました。

当時、CラインのC4(第2世代)とわけられて、DSラインというのが新たに設けられました。今に至るDSブランドです。DS3やDS5が同じラインに揃えられました。

DS4は初代C4クーペの後継として位置づけられます。シトロエンは過去のモデルに囚われない前衛と革新を追い求めるブランドゆえ、DS4のデザインはオーソドックスハッチバックのC4とは異なり、かなり思い切った攻めたものと言えます。

さて本題です。

一般にはほとんど知られていないDS4というのが存在するそうです。それは日本導入初期ロットのみの装備と極めて貴重な存在です。

その初期ロット車両が中古車市場に流通していることがわかりました!
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  ≪画像は拝借しました。≫
外観の詳細は割愛しますが、グレードはCHICでトランスミッションは初期のEGS。年式の「2011年」というのが大事なポイントです!

当時の詳しい事情は少々疎いのでわかりかねる部分がありますが、多くは2012年に配車されたようです。たしかに中古車市場で古い年式となると2012年が多く、2011年は当該車両のみ。

で、何が貴重な装備なのかというと、DS4のトリセツから。
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アラームの項の冒頭には次のことが書かれています。以下引用します。

(引用開始)
シトロエンDS4には、車の盗難や車の内外へのいたずらを防止するアラームシステムが備えられています。
(引用終了)

大事なDS4を盗難やいたずらから守ってくれるありがたい装備なんです。・・・が、実はこの「アラームシステム」のついたDS4というのが導入初期ロットのみという何とも残念なことになっていました、、、(トホホ)

じゃあこのトリセツはウソをついているのかというと、ちゃんと逃げ道がありまして、このページの終わりには「※仕様により異なります。」と記載があります(苦笑

それではまず、初期ロットではない2012年式のDS4の当該箇所の写真がコチラ↓
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  ≪画像は拝借しました。≫
3箇所設置できるボタンのうち、中央がチャイルドロックボタンです。両脇はダミーです。

で、最初に紹介した2011年式DS4のアラームシステムの写真がコチラ↓
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  ≪画像は拝借しました。≫
中央はチャイルドロックで共通ですが、その右が初期ロットのみの幻のアラームシステムのボタンです。

実はこのネタについてはすでに今から6年前にブログで取り上げています。興味ある方はご参照ください。
(参照:【緊急企画】日本導入初期DS4のアラームシステム

その時のブログはみん友さんのやんぢさんのブログからトラックバックしたものです。やんぢさんのブログには次のことが書かれています。以下引用します。

>日本仕様の盗難防止装置は、ごく初期というか最初に入った個体だけに付いてたみたいです。
>基本的には、内部研修用、マスコミ向け広報試乗車の個体だけで、これの中古車を手にした人はラッキーだと。


アラームシステムのついたDS4は初期ロットのみなので、おそらく市場にはほとんど流通していないのではないかというのが正しい見立てなのでしょう。

少ない流通台数ゆえ、やんぢさんのおっしゃるような用途を優先的に充てたのでしょうね。それ以外の初期ロット車両は若干一般向けに流通したようです。

ということで、中古車市場に流通した初期ロットの当該DS4はかなりレアで貴重な車両と言えるでしょう。

初期ロットのDS4っていったい何台導入されたのかというのが気になります。せいぜい30台程度なのかもしれません。当該DS4も広報車両だったのだろうか。いずれにしてもとても興味深いです(^^;
Posted at 2022/06/11 15:04:45 | コメント(5) | トラックバック(0) | 珍しいシトロエン | 日記
2022年06月05日 イイね!

605の日なのでプジョー605を考える・・・その2

605の日なのでプジョー605を考える・・・その2プジョーのフラッグシップだった604の生産が終了したのは1985年。1975年に生産が始まり、10年も作り続けられました。

その後、兄弟モデルとして1979年に生産を開始している505は継続生産していました。

すでに生産終了したプジョーフラッグシップ604の後継モデルとしての役割をも担うことになりました。その505は11年ものモデルサイクルを終え、1990年に生産を終了しました。

604の生産終了から4年後の1989年。後継モデルとして登場したのが605。(冒頭画像)

ピニンファリーナが設計に関与したとされます。デザインとしては1987年にすでにデビューした405にとても類似したもの。
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  ≪画像は拝借しました。≫
普遍的なデザインは秀逸です。素晴らしい。

本日は605の日なので、605の成り立ちについて考えてみたいと思います。以前にも「605の日なので~」シリーズで605を取り上げているので、今回は第2弾です。
(参照:605の日なのでプジョー605を考える

今回自動車ジャーナリストのアンドレ・コスタ氏が著した『プジョー ライオンの紋章』という書籍から考えることにします。世界5か国語に翻訳されている書籍だそうです。

以下引用します。(※和訳を読んでいてイマイチ伝わりにくい箇所があるのですが、念のため引用は原文ママ。)

(引用開始)
605は、大型車独特のシルエットとよりエレガントな車体を備えており、良い運転性と、同クラスの競合車にはない安定性に恵まれていましたが、発売後、3つのハンディキャップが明らかになりました。

最初のハンディキャップは営業的なもので、それは、シトロエンXMの従兄弟兄弟ともいえる605(エンジンがシトロエンXMのものと同じことから)が、前の604と同様、一定の顧客層をまだ持っていないことでした。一方CXの後継車は、すでにCXが獲得済みの顧客層を目標としていたため、無理なくマーケットに入り込めました。次なるハンディキャップは、PSAのパーツバンクが、高売り上げ及び高額なマージンをだすはずだった、大型車種605の中間モデルに適応したエンジンを持ち合わせていないことでした。消費者にとって税金が高くつく、170馬力の大型エンジンV6と、パワーの弱い小型4気筒エンジンの中間に位置するエンジンが全くなかったのです。
 (~中略~)

その後、605には4気筒145馬力のターボエンジンも搭載できるようになりました。また一方、PRVエンジンに代わる新しいV6エンジンは、ドイツのスペシャリストによる最高級車の車にも引けを取らない乗り心地と走行性をもたらすものであり、この二つの面ではまさに模範的なエンジンとも言えるものでした。
(引用終了)

605が商業的に不利があったとされるようです。整理すると、当時のCXはすでに一定の顧客層がいたため、後継のXMでは乗り換えの際に難なく指名されたということですが、605の場合は604の時代から一定の顧客がいなかったということ。

また、605のエンジンラインナップは当初は6発のハイパフォーマンス仕様と4発の非力(表現が適切かわかりませんが)な仕様の二つしか持ち合わせがなく、ラインナップとしては不十分だったということ。

少し補足すると、日本仕様は「SV3.0」という170馬力仕様が確かにありました。さらに上級の「SV24」という200馬力仕様もありました。「SV24」は605専用エンジンだそうで、5MTのみの潔い設定。

商業的に不利だったとされる件は、確かに以前取り上げた第1弾のブログでも示す数字がありました。

 ○605(1989-1999) 総生産台数;25万4,501台
 ○XM(1989-2000) 総生産台数;33万3,405台


同じグループで同じセグメントの二台でありながら、生産期間はそれほど大きく変わりませんが、約8万台ほどの差をつけられた結果となりました。

さらに紐解いていくと、604とCXの販売台数に大きな開きがあることがわかりました。

 ○604(1975-1985) 総生産台数;15万3,266台
 ○CX(1974-1991) 総生産台数;104万1,560台


604の販売台数がCXとは大きく引き離されていたため、パイとしてはそれほど大きく占めてはいなかったということがわかります。

仮に604の全オーナーが605へ乗り換えたとして、プラス10万台は販売されたということになります。新たな顧客獲得ができたということにならないでしょうか。この数字は凄いですね。

今回605について調べていて知ったことがあります。CG(カーグラフィック)誌で、605を長期テストとして使用していたことがありました。担当していたのは、エグザンティアフリークとして知られる、故小林彰太郎氏。

調べものをしていた際に彼が605について述べた言葉を見つけました。以下引用します。(UCG 2002年9月号より。)

(引用開始)
『僕の経験では、長距離・高速旅行に使って、605は世界一疲労の少ない車だと断言できる。』
(引用終了)

数多くの車を試乗したり、長期テスト車両として携わった氏にとって、605はそれほどまで言わしめるクルマとは思いませんでした。

強い主張をしないデザインながらも、凛としてさりげなく存在感を示しているのは、さすがはピニンファリーナの仕事。
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  ≪画像は拝借しました。≫
このデザインを眺めていて惚れ惚れします。素敵です。
Posted at 2022/06/05 17:37:03 | コメント(5) | トラックバック(0) | プジョー | 日記

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「@svx-407-c5 さん、チベットスナギツネに似せたのかってくらいに似ていますね(笑 LMに至ってはレクサスで一番儲けていそうです。儲けていそうです。価格設定も正しいのか怪しいですよね(-_-;)」
何シテル?   04/23 22:17
クルマ大好きです。日本車、ドイツ車、イギリス車、イタリア車、フランス車、スウェーデン車などなど。ブログではいろいろなことを記していて、時には違った切り口で記して...
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PSAのAH01ディーゼルエンジン年越せず終了か?? 
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メルセデス・ベンツがエントリーモデルを削減。高級路線にシフト 
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