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2022年06月05日

605の日なのでプジョー605を考える・・・その2

605の日なのでプジョー605を考える・・・その2 プジョーのフラッグシップだった604の生産が終了したのは1985年。1975年に生産が始まり、10年も作り続けられました。

その後、兄弟モデルとして1979年に生産を開始している505は継続生産していました。

すでに生産終了したプジョーフラッグシップ604の後継モデルとしての役割をも担うことになりました。その505は11年ものモデルサイクルを終え、1990年に生産を終了しました。

604の生産終了から4年後の1989年。後継モデルとして登場したのが605。(冒頭画像)

ピニンファリーナが設計に関与したとされます。デザインとしては1987年にすでにデビューした405にとても類似したもの。
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  ≪画像は拝借しました。≫
普遍的なデザインは秀逸です。素晴らしい。

本日は605の日なので、605の成り立ちについて考えてみたいと思います。以前にも「605の日なので~」シリーズで605を取り上げているので、今回は第2弾です。
(参照:605の日なのでプジョー605を考える

今回自動車ジャーナリストのアンドレ・コスタ氏が著した『プジョー ライオンの紋章』という書籍から考えることにします。世界5か国語に翻訳されている書籍だそうです。

以下引用します。(※和訳を読んでいてイマイチ伝わりにくい箇所があるのですが、念のため引用は原文ママ。)

(引用開始)
605は、大型車独特のシルエットとよりエレガントな車体を備えており、良い運転性と、同クラスの競合車にはない安定性に恵まれていましたが、発売後、3つのハンディキャップが明らかになりました。

最初のハンディキャップは営業的なもので、それは、シトロエンXMの従兄弟兄弟ともいえる605(エンジンがシトロエンXMのものと同じことから)が、前の604と同様、一定の顧客層をまだ持っていないことでした。一方CXの後継車は、すでにCXが獲得済みの顧客層を目標としていたため、無理なくマーケットに入り込めました。次なるハンディキャップは、PSAのパーツバンクが、高売り上げ及び高額なマージンをだすはずだった、大型車種605の中間モデルに適応したエンジンを持ち合わせていないことでした。消費者にとって税金が高くつく、170馬力の大型エンジンV6と、パワーの弱い小型4気筒エンジンの中間に位置するエンジンが全くなかったのです。
 (~中略~)

その後、605には4気筒145馬力のターボエンジンも搭載できるようになりました。また一方、PRVエンジンに代わる新しいV6エンジンは、ドイツのスペシャリストによる最高級車の車にも引けを取らない乗り心地と走行性をもたらすものであり、この二つの面ではまさに模範的なエンジンとも言えるものでした。
(引用終了)

605が商業的に不利があったとされるようです。整理すると、当時のCXはすでに一定の顧客層がいたため、後継のXMでは乗り換えの際に難なく指名されたということですが、605の場合は604の時代から一定の顧客がいなかったということ。

また、605のエンジンラインナップは当初は6発のハイパフォーマンス仕様と4発の非力(表現が適切かわかりませんが)な仕様の二つしか持ち合わせがなく、ラインナップとしては不十分だったということ。

少し補足すると、日本仕様は「SV3.0」という170馬力仕様が確かにありました。さらに上級の「SV24」という200馬力仕様もありました。「SV24」は605専用エンジンだそうで、5MTのみの潔い設定。

商業的に不利だったとされる件は、確かに以前取り上げた第1弾のブログでも示す数字がありました。

 ○605(1989-1999) 総生産台数;25万4,501台
 ○XM(1989-2000) 総生産台数;33万3,405台


同じグループで同じセグメントの二台でありながら、生産期間はそれほど大きく変わりませんが、約8万台ほどの差をつけられた結果となりました。

さらに紐解いていくと、604とCXの販売台数に大きな開きがあることがわかりました。

 ○604(1975-1985) 総生産台数;15万3,266台
 ○CX(1974-1991) 総生産台数;104万1,560台


604の販売台数がCXとは大きく引き離されていたため、パイとしてはそれほど大きく占めてはいなかったということがわかります。

仮に604の全オーナーが605へ乗り換えたとして、プラス10万台は販売されたということになります。新たな顧客獲得ができたということにならないでしょうか。この数字は凄いですね。

今回605について調べていて知ったことがあります。CG(カーグラフィック)誌で、605を長期テストとして使用していたことがありました。担当していたのは、エグザンティアフリークとして知られる、故小林彰太郎氏。

調べものをしていた際に彼が605について述べた言葉を見つけました。以下引用します。(UCG 2002年9月号より。)

(引用開始)
『僕の経験では、長距離・高速旅行に使って、605は世界一疲労の少ない車だと断言できる。』
(引用終了)

数多くの車を試乗したり、長期テスト車両として携わった氏にとって、605はそれほどまで言わしめるクルマとは思いませんでした。

強い主張をしないデザインながらも、凛としてさりげなく存在感を示しているのは、さすがはピニンファリーナの仕事。
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  ≪画像は拝借しました。≫
このデザインを眺めていて惚れ惚れします。素敵です。
ブログ一覧 | プジョー | 日記
Posted at 2022/06/05 17:37:03

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この記事へのコメント

2022年6月5日 18:25
こんばんは〜
PRV6気筒はXMにも載ってましたね。大きな車体に小さなエンジンのフランス車の伝統としては4気筒でも十分だったと個人的には思うのですが、フラッグシップとなるとそうは行かなかったんでしょうね。
この頃のプジョーシトロエンは部品の共通化が強く推し進められた頃で、内装部品が特に同じものを良く使ってました。BXに乗っていたので、あっ、このスイッチ同じだ、と良く思ったものです。
しかしこの頃のプジョー405、605はデザインが整っていて良かったですね。
個人的には504、505の頃のつり目も捨てがたいんですが(^^)
コメントへの返答
2022年6月5日 20:40
こんにちは。
日本仕様はV6 3Lのみの導入でしたが、ヨーロッパ仕様は4気筒の小排気量やディーゼルなど豊富に揃っていましたね。日本の販売戦略は高級路線なので、6気筒のみの設定は必然だったのでしょうね。

部品の共有化はコスト削減の面で大きなメリットがあるので、同じグループとして最大限にメリットを生かせますね。

個人的にもピニンファリーナが関わった時代の05、06世代のプジョーが一番の好みです。当時のプジョーを知る者としてはより惹かれます。

吊り目は206以降、より強調されましたが、504や505、205、306、406、605などは釣り合いがとれたデザインで好みです(^^♪
2022年6月5日 20:28
こんばんは。

CG誌の605は小林彰太郎氏が気に入られて、長期テスト終了後もかなり長期間お乗りで、時折誌面で経過を載せておられました。最後は確かエンジンブローで終わったと記憶しています。最終回で「10万km程度でブローとはあり得ない」と書いておられたような…。
コメントへの返答
2022年6月5日 20:51
こんにちは。
当時の長期テストの経過は残念ながら見届けてはいません。しかし、ブログ中にあるUCG誌(2002年9月号)によると、「605は中古車選びには注意。電気系統が壊れると相当厄介らしい。」と前置きした上で、「CG605のような末路を辿らないことを祈る。」と締め括っています。エンジンブローで昇天したのであれば、605は相当厄介のようですね(苦笑
2022年6月5日 20:48
605、近所にダークグリーンの現役車がいます。駐車されている場所の関係で真後ろからしか見られないのですが、いま見て驚かされるのが、フラッグシップとして(相対的に)控えめなサイズと、素っ気無いほどにあっさりしたリアエンドの造形です。特に後者は「変わったことをせずにいられない中毒」が蔓延した今では考えられないほどシンプルな造形です。必要最小限のラインとプレスでも十分に品位がある形を作れた時代を象徴する素晴らしい一台ですね。
コメントへの返答
2022年6月5日 21:06
こんにちは。
605の日本販売終了はおそらく1999年頃だと記憶するのですが、最も新しくとも23年は経つわけですね。今でも現役で所有されているとは驚きです。ダークグリーンの605(前期;ソレントグリーン 後期;シャーウッドグリーン)は見たことがありません。

605は決して派手さはなく、華美でもなく、至ってシンプルそのものです。まさに素っ気ない造形ですね。シンプルな造形という観点では604から継承していると言えるでしょうね。攻めたデザインの近年のプジョーからすると、却って05世代や06世代の良さが際立つように思いいます。
2022年6月6日 0:19
こんばんは。

当時、XMと605、ほぼ同時期に比較試乗したことがあります。

私はデザインとしては当然XMのアバンギャルドさが好きだったのですが、XMはステアリングがセルフセンタリングだったり、登場してすぐから故障が多いとの噂が流れ、実際に試乗してみると、605の落ち着いた乗り味がとてもよくて、実際に購入するなら605がいいかも、と思った覚えがあります。
結局は先立つものがなく、どちらも買わないことになりましたが、いい想い出でした。
コメントへの返答
2022年6月6日 19:10
こんにちは。
XMと605の比較試乗をされたとは貴重な経験をされたのですね!

XMと605は、同じ時期で同じグループの同じセグメントでありながら、デザインはまったく似通った点がありません。両者ともそれぞれのブランドの理念とコンセプトに基づいてつくられていて興味深いですね。
2022年6月7日 21:59
私の師匠がSV24に乗ってました(もう1台は菱のV6ターボ)。
師匠によると、200km/hまでは鼻歌で、楽しいのはそこから先だそうで。

ちなみにクライメートコントロール(エアコン)は必ず壊れるとの噂です。
コメントへの返答
2022年6月7日 22:56
こんにちは。
605とアルピーヌとは羨ましい組み合わせでご所有なさっていたのですね。

SV24は外観からは想像できないほど凄いポテンシャルを秘めたモデルなのでしょうけど、200km/h以降の超高速域でも楽しいとは安定した走りなのでしょうね。

605は電装系がウィークポイントのようですね。維持するためにはお金と根気が必要のようですね。

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「インパネ&ナビ画面がしれっとフランス語表記に変わるのって、最近のシトロエンあるあるだよね😅」
何シテル?   05/19 06:07
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