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2008年10月15日

期待 エクストレイル20GTは、これからの日産を占えるか?

期待 エクストレイル20GTは、これからの日産を占えるか? 走り出して、先ず気付いたのがクラッチの操作感だったが、次に気になったのは「サイドブレーキ・レヴァー」の位置だ。

よくパッセンジャー・サイドに在るのは日本では使い辛い・・というハナシを聞くが、無論ドライヴァーの左手に近ければ近いほど操作がし易いのは当然だが、良いも悪いもグローバル化で、そうそう日本にぴったりと合ったポジションのクルマばかりを造れなくなって来たのは事実だ。

だから使い辛くても良いという訳ではないが、パッセンジャーサイドに寄っている事よりも、若干後ろ寄りにある事の方が問題だと思うのだ。

もう少し前へ出した方が、遠い事は遠いのだが、操作性はグッと良くなると僕は感じた次第だ。

「GT」を名乗るその走りは前日のブログの通りだが、操縦性も好感度が高い。

丁度、試乗コースに90度ならぬ100度くらいの角度の付いた交差点があるのだが、そこをエイ!とばかり勢い良く曲がって、さらにサッサッサッと細かい操舵を繰り返しても、揺り返しは皆無で、これまでの日産車の「電動パワステ」にありがちだった、スッとアシストが抜ける現象も無かった。

路面の凹凸も上手にいなすし、ロールもほどほどで背の高いクルマを運転していると特に意識しなくとも良い。

この点では、例のザックスのショックの威力だろうが、デュアリスよりもエクストレイルの方が乗り心地も良く、ダンピングの良さを痛感できる。

デュアリスの方は、ガツンとした入力に素直で、その振動や上下動が結構あるのだが、エクストレイルの方は、そうした入力に対して「角」を丸めた衝撃しか伝わらず一般的には乗り心地が良いと感じられるだろう。
それでいて、極端にロールが大きくなったりダンピングの不足があるかと言えば、そうでないのでお奨めという訳だ。

室内も、意外にデュアリスは閉塞感があり、特にリアの居住性はスペースはあれど、広さ感が無い・・・という私見だ。

余りにも褒めてばかりいたのでは先へ進めないので、後二点ほど気になる点を書き込みたい。



クリーン・ディーゼルの技術の根本とも言える「DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)」なんだが、ここにひとつ気になる点がある。
この事については触れているコメントが少ないのだが、まず基本的な仕組みとして簡単に言えば、

PM、まぁ早く言えば「スス」だ、これをフィルターで吸着する、そのときに排気温度を利用して600度にキープして化学反応によってPMを処理している。
ここで「600度」というのがキーワードで、実はカタログにはこんな一文が記載されている。

短い距離や低速での走行が続くと、DPFによるPM除去がされず、メーター内にあるDPF警告灯が点灯する事があります。その場合、クルマを停めて、手動再生スイッチを押して、PM除去を行う必要があります。詳しくはカーライフアドバイザーにお問い合わせ下さい。

と言う事で、「600度」が確保し辛い状況では人手によって強制的に「DPF」を動作してやらないといけないのだ。

さらに

クリーンディーゼルエンジンはNOxの排出量を減らすために、新開発のリーンNOxトラップ触媒(LNT)を採用しています。エンジンシリンダー内の燃料噴射量を瞬間的に濃い状態にして、触媒に溜められたNOxの還元浄化を繰りかえし行う事で、クリーンな排気性能を実現しています。この高度な燃料噴射制御は同時にDPF(ディーゼル・パーティキュレート・フィルター)の再生頻度を増加させます。DPF再生時にはシリンダーへの燃料付着が起こるため、走行距離に対するオイルへの燃料希釈割合が増える傾向となります。良好な潤滑性能を保ちながらクリーンディーゼルの高性能を長く維持するためには、5000kmごとのオイル交換が必要となります。

と言う具合に、普通とは違ったメンテやら手続きが必要である事が、意外に知られていない事に僕は疑問を持っているのだ。

しかし「DPF」の問題は警告等が点灯するくらいなら、その信号を元に、自動で燃焼温度を上げる仕組みを組み込めないのか?等と思ってしまう。

これは「NOx」対策に、一瞬燃調を「リッチ」にしているのだから、それを利用して、昔のロータリーの「サーマルリアクター」宜しく上手く処理できないか・・・とも感じているのだが。。

オイルの交換サイクルに付いては、これも十二分に説明があってしかるべきだろう。

最近はメンテフリーで、一万キロだの一万五千キロなんてオイル交換を推奨している手前、いきなり、クリーン・ディーゼルだけは「5000キロ」でと言っても、説明をちゃんとしないと、まともにオイルを交換するオーナーなんて少ない可能性が「大」ではないかと思うのだが。。。

僕的には、普通3000キロで交換しているから抵抗はないが、世の中には点検時までとか平気でオイル交換をしないオーナーがたくさんいる事を思えば、「大丈夫か!?」と思っている次第なのだ。

色々なことを書き綴ってきたが、日産滅亡の危機が去り、この十年間はロクな最新と呼べる「技術」も無しにやって来た「日産」を思えば、久々に技術的に「面白い!」と思える技術を搭載したクルマに巡りあえた様な気がする。

しかしながらインターフェイスで「現代の名工」と呼ばれる財産を持ち合せているのに、一番操作系で大事な部位において、例えばクラッチの操作感で違和感が大きかったり、クラッチ、サイドブレーキ・レヴァーの位置なども適切か?と、疑問に思える部分が散見されたりして、その点を見ただけでも本当に日産の持ちうる財産を駆使して作りこまれているのか?と感じざる得ないのだ。

さらにひとつひとつは、限りなく「良い」のだが、クルマという集合体で見ると「う~ん」と唸ってしまう部分も多くある。

「ザックス」のショックも良い、他にも工夫が満載されて、例えば騒音対策でフロントグラスの厚さが厚くなっていて、さらにそれに伴いAピラーの補強と大いに工夫しているのだが、それが他のエクストレイルと比較して、大きなアドヴァンテージを持っていて、これなら300万円を出しても良いという「購買意欲」につながっているのか?

クルマという、ひとつの集合体としてまとまった時に、部分部分は良いのだが、どうもチグハグで、それがクルマ全体の評価を「並」か、価格的に価値観を見出せず逆にある意味評価を下げてしまっている様に思えるのだ。

確かに、少々見切り発進の感が無くもない「エクトレイル20GT」だが、その荒削り加減故に、それぞれの部品や組み立て、感性に及ぶ部分の出来栄えが「露」であると思う。

そういった部分では、逆説的な言い方だが、まだこれからのクルマだと期待十分だし、その反面、現状のチグハグぶりを見ると、「まだまだ大丈夫じゃあないのか!?」とも感じてしまっているのだ。

ただ繰り返すが、一癖もふたクセもあるが、手が届く価格帯で、しかもMクラスで久々に乗って楽しい日産車である事は間違い無いだろう。

本当の日産の評価はこの次だ。

値段が高いZやスカイラインが良いのは当たり前、中小型で300万円以下の、それも出来うるなら高くとも200万円前後のクルマでシャキリとしたのが出るのを切望して止まないのだが・・・


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Posted at 2008/10/15 06:16:41

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この記事へのコメント

2008年10月15日 21:54
こんばんは。

さすがは徳小寺さん、細かいところまでレポされていますね。
僕のブログにも試乗の感想を書きましたが、そこには書けなかった「言われてみれば・・・」的な感想がたくさんあります。

サイドブレーキの位置は、確かに疑問ですね。
まあ、昨今日本車なのに「左側」にあるものも多い(特にマツダ車)ですし、友人が乗っていてよく乗せてもらう「VWジェッタ」も左側なので、これといって不思議には感じませんでしたが、言われてみれば、使いにくい感じは確かにありましたね。

あとは、メンテナンスの件。
これは帰宅してカタログを見て分かったんですが、少しばかり面倒くさいですね。
・オイルは5000km毎交換
(初代プレサージュやテラノに搭載されていた「直噴ディーゼル」は、確か15000km交換で良かったはず)
とか
・PM除去を手動で行う必要がある
などなど・・・。

このクルマ、総合的には「技術の日産再燃!」と期待できる出来だと思うのですが、この辺りをメンテナンスフリーにしないと、「値段の高さ」と「MTのみの設定」も手伝って、一般ドライバーには「とっつきにくい」存在で終わってしまう気が、何となくしてしまいます。

この前のブログにも書かせていただいた気もしますが、このエンジンの他車種への展開や、ATやCVTの設定、このエンジンの量産体制の整備によるコストダウンなど、企業努力すれば、まだまだ今後の発展も望めるのではないでしょうか。

日産自動車の今後に、期待したいものです。

いつもながら乱文駄文で、失礼しました。
コメントへの返答
2008年10月16日 23:20
ペダル類、サイドブレーキ・レヴァー、シフトレヴァー・・・
どうしても操作系の位置関係などは、随時触る物ですから気になってしまいますよね。

まぁ、どれも慣れればどうって事ないんですが、一度気になり始めるとどうしようもなくなってしまいます。。

メンテに関しては、これまでも同様に、あまり気にされていない人が多いですが、いえいえ、これが持続して乗る場合には大きな負担になるものです。

オイルのインターバルの件は、まぁ百歩譲るとしても、フィルターの手動操作は如何なものかと思います。

初めての技術なので致し方ない・・・という向きもありますが、やはりいかにオーナーに負担をかけないか?それが大事だと思いますね。
2008年10月15日 23:53
こんばんは。
今日レンタカーで2トン車ダ○ナを借りました。
PM除去装置がついていたのでやり方を教わったの
ですが、「ランプがついたらやって下さい」という
話しだったので結局ランプはつかなかったのでやる機会は
ありませんでした。

なんでこんな事するんだろうと思ったのですが、
徳小寺さんのレポ見てなるほどと思いました。
まだおろしたての新車だったんですよ。
クリーンディーゼルなんですね。
エクストレイルも乗ってみたいですね。
コメントへの返答
2008年10月16日 23:23
基本的に、手動で再生して操作するタイプがまだまだ主流のようですね。

この触媒の技術、きっとディーゼルが普及すると激しく進化するのでしょうね。

初物というい事もありますが、ぜひぜひエクストレイルのディーゼルにも試乗してみると色々な事を感じると思いますよ。
2008年10月16日 10:51
そんなウラがあるんですねぇ・・・汗

オイル交換次期はメーカーの推奨が5000キロ・・・
ディーゼル用の方が安めだとは思いますが倍の回数交換ではorz

PM除去のためのDPF・・・
これはもちろんアイドリングしながらってことですよね

クリーンを謳い続けるためには結構手間がかかる様ですねorz

全てを踏まえてクリーンでお得なのか
正直判断しかねるところです・・・
コメントへの返答
2008年10月16日 23:24
そうなんですね・・・

勢い排気がキレイだとか、動力性能ばかり強調されていますが、こうしたランニングコストの裏側は誰も触れないのが不思議です。。。

こうした手間と追加コストも加味して、自分に合っているか?と考える事も大事ですよね。
2008年10月17日 4:21
なるほど。さすがの名レポートに感心しきりです。

思ったのは、技術面では秀逸。
されど、人間の感覚的な面(インターフェース)については
ちょっと無頓着なのではないかなぁという気がしました。

グローバル化の時代ですし、操作系は慣れの世界だと思います。
ただ、はじめてのったときの印象が購買を左右する重要な要素
であるようにも思えます。

現行プリウスについても、私のような旧車乗りがいきなり乗ると
少しまごつきます。たとえば、パーキングに入れるときにのみ
押すパーキングボタンとか。アムラックスの方も押すのを忘れる方
が多いので注意してくださいとのことでした。
機能面で必要ならば仕方ないのですが、Pボタンを入れる意味が
理解できないので、頭に入りにくいのです。
もっとも、17年前のクルマと世界に冠たる
ハイブリッドを比較することは不毛とは思います。
ただ、潜在顧客層の中には私のごときものが若干いるのではないかと。
登録台数減少傾向なのですから、買い替えしやすいやさしい環境(
インターフェース)を求めるものです。

話がそれました。
今後の日産が楽しみになってきましたね。
あとは、おっしゃるとおりMクラス以下のクルマで
生き馬の目を抜くようなクルマの登場を期待しています(^-^)
コメントへの返答
2008年10月18日 20:25
なんだか久々に手応えのある日産車の登場なのですが、ツメの甘さも相変らずの様な感じがします。

ある意味、言われる様に「慣れる」からいいか。。。とか、性能がいいので「慣れて欲しい」というメーカーの意図も見えたような気がします。

新しい技術だから、新しい操作が加わる・・・というのは、ある程度仕方が無い動作ですが、それでもできるだけ違和感を持たないように、何某かの工夫が必然だと思うのです。

動作を起こす時に、それがどうして必要かを考えさせる仕組みは完成された操作系とは僕は思えません。

さて、なんだか不器用さも懐かしい感じがするエクストレイル20GTですが、荒削りな面もありますが、これからが楽しみなクルマであるに違いありません。

装置のメンテフリー化、操作系の見直しで、かなりの完成度になることは間違無いのです。

そして他への展開が楽しみでもありますよね。

期待したいです。

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