
手術が終わった。
さすがに下半身に麻酔が効いているので、頭では意識がハッキリしているのだが、腰下がビクとも動かない。手術台から、看護士数名でTVで良くある様に「イチ・ニ・サン」という掛け声でベッドに移され、二階にある手術室を出てエレベータで五階の病室へと移動した。
病室にはベッドが6つあり、そのうち2ケ所が空いており、私は一番通路側の場所へとベッドが据え付けられた。
手術は一時間ちょっとで終わっただろうか。病室には時計が無いのでまったく時間が分らない。
その内、お昼時になったのだろう。病室の他の入院患者の為の昼食が運ばれた。
私にも軽食が用意されていたが「お預け」となった。下半身麻酔のお陰で、まだ胃が活動していないからだ。
それからも一定の間隔で看護士がやって来ては血圧と体温を測り、そして腹部を聴診器を当て、胃が動き出すのを待った。
看護士に時間を聞いた。
午後二時過ぎ。もう何度看護士がやって来ただろうか、ようやく胃が活動を始めたのを確認できた。
用意された軽食は「パン」に「ヨーグルト」、「サラダ」、「グレープフルーツ」といったものだったが、いやぁ「パン」がこんなにも美味しいとは思わなかった!!確かに前日の夜の十時から絶食していたせいもあるだろうが、こんなにも「パン」の甘みを堪能できるとは思わなかった。
胃が活動を始めて、ゆっくりと、遅い昼食を摂る事が出来たが、肝心の足は思ったように動かない。左足は何とか膝を立てられるようになったが、右足はようやく指先が動く程度だ。
右足も膝が立てられる様になった頃、夕食になった。
病院での「夕食」。僕は関西系なので病院の薄味がジャストフィット!美味しい。
味付けは、ほどほどの薄味だが、こちらの味付けは僕から見れば過剰とも思える「濃い味」にヘキヘキしていたので逆に舌に合い美味しかった。
余り「茄子」が得意では無いのだが、ここの「茄子の煮付け」は出汁が効いて、主役の「ハンバーグ」より美味しく感じたのは意外だった。
ご飯が終わると、また、ただ寝るだけの時間となった。足は上手く動かないし、動くとさすがに傷口が痛いので、まともに寝返りもうてない・・・・・正直、いい加減、腰が痛くて仕方なかったのだが、こんな時、電動のベッドがありがたかった。
レカロの電動シート真青の多機能が隠されている。ベッドの固さそのものも変えられるとは驚きだった!
背もたれ部、下半身の部分、ベッド全体の上下、一番驚いたのがベッドの表面の固さまでもが「電動」で調整できるのだ!
それらを使い自由の効かない身体に代わって電動で、身体の向き、体勢を変えて腰の痛みを緩和したりし、辺りが暗くなった頃から身体が動かせるようになったので、ベッドからの移動は、電動機能でベッドの高さを変えて出入した。
夜になると、ようやく尿意をもよおしてきてトイレへと向かった。
麻酔が覚めたとは言え、足元はおぼつかないし、なによりも上手く排尿が出来ないのには参った。それは麻酔の影響もあるだろうし、やはりメスを下半身に入れた事によって下腹に力が入らない事が大きかったからだ。
幸いと言っては可笑しいが、これが大きい方だったらもっと大変だっただろう。事実、その為なのだろう、就寝前に便を柔らかくする薬を二週間ほど処方された。看護士によれば、これが無いと、うまく大きい方ができないというのだ。
ベッドに入ると、昼間、あれほど寝たというのに、恐ろしいくらいの睡魔が襲い掛かり、おそらく九時くらいには寝てしまった。
そして翌朝は、周りが明るくなると共に目が覚めた。
目が覚めたのは、病室の中が明るくなると共に、看護士の動きが慌しくなったからだ。
「病には寝るが一番」という事なのか、ゆっくりとだが寝返りできる様になったし、ずいぶん楽にベッドを降りて歩けるようになった。
そして朝食。
塩分を控える為に、逆にケチャップなどの調味料を駆使するんだそうだ・・・
塩分を控える為に、味噌汁も薄めで、目玉焼きは塩コショウではなく「ケチャップ」がかけられていた。
朝食の後、回診があり発熱の確認と傷口を確認して、退院の運びとなった。
ベッドまで会計担当がやって来て請求書の説明があり、説明の後に会計窓口まで出向きカードで費用を払って、再び病室へ戻り身支度をし、ナースステーションへ寄って「退院証明書」なるものをもらって病院を後にした。
最近は入院し退院すると、こんな書面が発行されるんだそうだ・・・
過去からも、「そけいヘルニア」では日帰り手術が行われていたというが、従来治療では手術後の痛みが激しいし、僕が行ったメッシュ方式でも手術の痛みは少ないが、やはり麻酔の術後の影響が大きい。
順調だったとは言え、僕も就寝前には48度ちょっとの熱が出て結構しんどい思いをした。
僕の経験から言えば、「そけいヘルニア」の日帰り手術は可能だが、術後のケアや何かあった時の対応を考えると、せめて一泊はした方が良い・・・と感じた次第だ。
「そけいヘルニア」は、簡単な病気で・・・とは言うが、やはり身体にメスを入れるモンだから、他の外科手術に比べれば負荷が少ないのだろうが、術後のケアと退院後一週間は無理は禁物という事を、ブログを読んだ皆さんには知っておいて欲しい、そう思う。
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Posted at
2009/11/14 20:20:51