
いやぁ実に懐かしい写真が出て来た。もう、20年以上前の写真なんだが、志賀高原のどこかで撮った写真だ。
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白戸家のお父さんも実に若々しい!!(笑)
このころ、僕は新潟県の魚沼地方に住んでいたのだが、ある期間この五代目ファミリア・サルーンXGに乗っていた。
BD型と呼ばれるこのファミリアは、1980年にモデルチェンジされ、そのスクエアーでシンプルな外観、そしてXGというグレードには、フルフラットシートに、リヤに回れば、サイドからリヤシートにかけてグルリと連続する「ラウンジシート」が受けて実に売れたモデルだった。
サイドからリヤシートにかけてグルリと継ぎ目なく内装が続く「ラウンジシート」。たったこれだけの工夫で大人気を得た。アイディア、企画の勝利だ。
デザインも然る事ながら、シャーシも新設計、そして、足回り、シフトなどなど全てが、国産車、いや、それまでのFWD車のネガが部分を徹底的に潰して登場したので、売れない訳無ないというくらい洗練され、メカ的にも優れたクルマだった。
エンヂンは、E型と呼ばれるもので、これも新設計だったが、パワーは無いが、実に軽快に回り燃費も良かった。まぁ、この頃のマツダのレシプロエンヂン特有の「マツダサウンド」と呼ばれたザワザワとした燃焼音は残っていたが、とにかくトルクカーブがフラットで街乗りから高速まで乗り易いクルマだった。
サスペンションは、これまた革新的で、SSサスペンションと呼ばれる、台形に配した2本のラテラルリンクをストラットで支える方式を採用して、これが後に、他メーカーにも普及して国産車の多くのFWD車のリヤに採用され、「パラレルリンク」などと名称が変えられていたが、基本的にマツダの方式が使われ、国産FWD車の操縦性の向上に大いに貢献したのだ。
実際に僕は良く、コイツに乗って仕事やプライベートで魚沼の周りに存在した山坂道を走ったモノだったが、登りはエンヂンにパワーがなくどうしようもなかったが、下りになると、とにかく素直で、取り回しの良いボディと、ある意味でハッチバックより重量バランスが良かったので、下手な 86 などを追い回し、ボディを真横にしながら駆け抜け、コーナーのギャラリーの度胆を抜かしたことが度々あった。
当時は、自分の腕前が良かった!!と思っていたが、いやいや、このファミリアの素性が良かっただけであって、後から反省する日々が続いたのも大いに懐かしい思い出であった。そう錯覚するくらい、BD型ファミリアはバランスが良く、FWD車とは思えない素直な操縦性を備えていたのだった。
その他にも、シフトフィーリングを良くするために、太く、直線的にシフトリンケージを取り回したり、FWD車は小回りが利かないとう概念を覆う為、フロントのドライブシャフトの取り回しや、シャーシに工夫をして、当時のFR車と混色ない最少半径を実現したのも、使い勝手という点で大いに支持されていた。
僕が乗っていたサルーンは後期前期型で、前期型の逆スラントのノーズが改められ、ハッチバックと同じ顔に変えられ(グリルの横桟の数が変えられていたが)、サルーン前期のあまり人気が無かったのを挽回したモデルだ。
徳小寺なら「赤黒」でしょう・・という声が聞こえてきそうだが、僕はシルバーがサルーンには似合っていたと思っている。
ボディカラーは、この型のファミリアと言えば「紅いファミリア」と言われたくらいだから「赤」か、「赤黒」ではと思われるかもしれないが、僕はこのシルバーがお気に入りで、これが細かいワンポイントなんだが、最後期に追加された 「 XGi 」 というインジェクションモデルの、ボディ下部に貼ってあった、ボディシルプロテクターを貼って、他所の XG とは見栄えを替えていた。
それに 510ブル から移植した、PIAA イエローフォグランプ を吊るして、これがまた配光が良く、雪道で威力を発揮し、今の若い子は知らないだろうが、鉄チンホイールなんだが、リムにメッキのリングを嵌めて、ただの「鉄チン」じゃないぞと、アルミホイールを買えない若い懐事情の鬱憤を晴らしていた。(笑)
このBDファミリアも、510ブルと同様に、クルマの楽しさを教えてくれて、さらに新しい時代のFWD車の操縦性も身に着けさせてくれた偉大なクルマだった。
今では当たり前になった、トランクの床下収納や、スペアタイアを縦にも横にも積めて、
床下収納など今では当たり前の装備が、このBDファミリアで数多く生まれたのだ。
トランクの使い勝手を向上させるなど、今では当たり前の装備が、このBDファミリアによって生み出されたのだ。
当時はゴルフが、世界のクルマ、FWD車のスタンダードだと言われていたが、このファミリアの登場で、そのVW神話の牙城の一角が崩れ、日本、奥州、豪州で カーオブ・ジ・イヤー を受賞し、日本車の地位の向上に大いに貢献した。
510 に、この BDファミリア と日本車の歴史に残る名車と触れ合えた事は、実に僕のカーライフに於いて誇れることだし、運が良かったと今となっては思うのだ。
そんな懐かしもアリ、誇らしい気持ちを、一枚の写真が蘇らせてくれた。きっと、この一枚はスリムだった(笑)僕の歴史と共に、日本車の歴史の一頁を切り取った素敵なモノと感じてならないと思った次第なのだ。
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Posted at
2013/02/24 08:26:37