
もう若い人が大半だからもしかして「初代シティ」を知らない人も多いかもしれないが・・・
1981年10月に、ホンダからこれまで無かったコンセプトのクルマが発売された。それが「シティ」だ。
なんたって発売した当人達でも、開発した渡辺 洋男(当時ラージ・プロジェクト・リーダ)以外は
「売れる訳は無い!」と言われ企画から「8回」もボツになったクルマであった。
しかし渡辺は、
「低く長く幅広い」なんていうのがカッコ良いというのは
「デトロイトの虚像だ!」 と言い張り、遂にはトップもその熱意に根負けして発売されたというものであった。。。
世界初の4輪・2輪同時開発
・新感覚のFFニューコンセプトカーライブビークル「ホンダ シティ」と
・ホンダ シティ搭載用トランクバイク「ホンダ モトコンポ」を同時発売
http://www.honda.co.jp/news/1981/4811029.html
驚いたのは、その小さなボディのトランクスペースにスッポリ入る「モトコンポ」と呼ばれるバイクまであった事。
当時の常識では不可能といわれていた「レギュラーガソリン」で圧縮比10を達成していた事などなど・・・まさに技術のホンダの面目躍如といった所であった。
その後も、「ターボ」追加、さらにパワーアップして外観も精悍になった「ブルドッグ」こと「ターボⅡ」に、カブリオレ、そして時代を先取りした「マンハッタン Hi・Fi」などなど、ホンダ首脳陣の「まぁやってみろ・・」程度のクルマが、発売1981年には二ヶ月で二万台を大幅に超え、翌年には12万台に迫る大ヒット車となった!!
そんな初代シティにあって、忘れ去られてしまったギミックが「ハイパーシフト」だ。
これはマニュアル4速の、2速から4速に、サブギヤが仕込まれており、ガスペダルの踏み加減によって自動でメインとサブ(HIとLO)に切り替わるという4速でありながら、実質的には「7速」という凝った造りのモノだった。
そんな副変速機付きなら、初代ミラージュにだって・・・
いやいや、シティの「ハイパーシフト」の凄いのは、ハイとローの切り替えが
自動だという事、つまり「セミ・オートマ」であった事なのだ。
ホンダ シティRタイプに新開発の副変速機付4速マニュアル「ハイパーシフト仕様車」を設定し発売
http://www.honda.co.jp/news/1985/4850424.html
ただ時代的には時期尚早だったのか、あまり一般ウケしなく5速が主流なのに、見かけ「4速」だったので、有難味が無い・・・と訳の分からない根拠で、売れなかった。。
(実際にも切り替わっても、体感できるメリットが少なかった事もある)
この時期にはスバルにも、電磁クラッチを使った「ツゥーペダル」のMTがあったが、それも売れなかった事を思えば、まだまだこの頃は、イージードライブより、シャキットしたMTの方が好まれていた事も大きな要因だったのだろう。。
しかし、それまで北米や欧州の流行などに左右されていた日本のクルマが、声高に
「デトロイトの虚像に騙されるな!」 の合言葉でオリヂナリティ溢れるクルマを作り出した功績は大きいと思うのだ。。
初代シティ。
最近はめっきりお目にかかれる事は少なくなったが、「オリヂナリティ」という観点からもう一度見直すと面白いクルマだと僕は思っているのだ。。。
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Posted at
2008/11/02 09:56:01