
年末を過ごしながら、大掃除のついでにカタログの整理をしていると色々なクルマの思いが過ぎる。
このクルマも、ある意味でとても印象深いクルマなんだが、僕などよりも何十倍も詳しく愛着を持っているオーナーが多いクルマなので、ブログにすることは躊躇したが、それは僕なりの感性でツラリツラリと書き綴ってみたい。。。
1989年11月。
日産は新たな高級車の価値観を創造するとして、一台の高級車をリリースした。
そのクルマが、「インフィニティQ45」であった。
高級車には不可避と言われたグリルを捨てた、個性的なグリルレス、四輪マルチリンクサス、搭載されるエンヂンは「RVH45DE型 V8DOHC 32バルブで280馬力/40.8kgmを発生するというそれこそ「弩級」のクルマだった。
しかし、そこは日産たるところ、単純な「戦艦」ではなく、「巡洋艦」たる操縦性の良さも持ち合わせたまさに「オーナーカー」でもあった。
一番のハイライトはやはり、グリルレスのフロントフェースの中央に鎮座した「七宝焼き」のバッヂだろう。
このクルマの源流は、1985年のモータショウで発表された「QUE-X」である事は疑いも無い事実であるが、その時のグリルレスから発展して、造形されたのがコレだ。
左側は試作品の一例で、右側が量産車採用品。
既に空気を取り入れるという機能より、ブランドとしての意匠の意味合いの強かったグリルを「盲腸のようだ」と切り捨て、日本的優雅さを具現化するというデザイナーの意思から生まれたのがグリルレスに、このエンブレムであった。
成功、失敗の論理は別にして、日産が高級車のベクトルを変えようとした意欲の現われでもあった。
デザインも然ることながら、ボディメイキングも凝っており、
当時はまだ珍しかった、「発砲ウレタン」を要所に充填したり、サイドパネルの溶接部には、最初に接着剤を合わせる鋼板に塗り、繋ぎ合せてからスポット溶接をしていた。
それによって数値的な「曲げ」「捩じれ」の強さは、その手で大いに進んでいた欧州車特に独逸車に比べても格段に優れていた。
そんなQ45であったから、オプションも個性的で、いぜんブログしたが
黄金 52万円の鍵を知ってますか??
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/884930/
ゴールドキーもそうだが、パーソナルカーを目指していたQ45として、僕も2~3度しか見た事の無い「リヤスポイラー」もなかなかこの手のクルマとしては面白い装備かもしれない。
恐ろしい程の高性能を、超個性的なスタイリングでまとった「インフニティQ45」。
ライヴァルと言われた「初代セルシオ」に比べて「静粛性」がとか、やはりスタイリングとか、トラブルが・・・という色々な雑音があったが、当時の日産の技術を垣間見るクルマであることには変わりないし、高級車という固定観念を打破しようとした意欲作であった事は間違いの無い事実である。
但し、意欲と評価は別物で、現存するQ45の少なさが、ある意味でそれを物語っているのかもしれない。
INFINITI Q45 のキャッチは
「Japan Original」。
あれから20年の歳月が流れたが、本当の意味で「日本初」の高級車・・・いやクルマは現われたのか、年末の一時、僕は一人で思いに更けるのであった。。
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Posted at
2008/12/28 01:28:10