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2005年03月09日

兄弟 ケンメリスカイラインとローレル、運命を分けたデザイン

兄弟 ケンメリスカイラインとローレル、運命を分けたデザイン  皆さんからコメントを色々と頂いて、それが元になって話題が広がって行く。

 自分のつたない知識の中から、こうして少しでもブログを読んで頂いて「楽しかった・・」って言われる事に本当に感謝の気持ちしかない。

 さて、今回は市販車として世に出る前、デザインに関してスカイライン・・いや、櫻井 眞一郎 氏ならではの秘話を公開しよう。
 

 櫻井 眞一郎 氏と言えば、Mr.スカイラインとして有名ですが、スカイライン以外にも、ローレルや初代F30レパードの主管としてもクルマをまとめていた。

 ご存知の方も多いかと思うが、櫻井氏のクルマ造りは独特で、企画書などの文字でチームをまとめるのではなく、まずは櫻井氏がストーリーを作り、それを開発メンバー全員を集めて読み聞かせ、そこから開発を始めると言う独特の方法が取られていた。

 そうやって開発に携わるメンバーのベクトルを統一するのだが、時に同時に開発される車種と、そのベクトルが交差する事もあった。

 C110ケンメリの開発は、どんどん豊かになる購入者層のニーズと、公害対策に代表されるような

「もはや、クルマは汗をかいてスポーツする様なイメージばかりでない・・」

という販売側からの要望に後押しされる形でスタートしたのだった。そして、キーワードはずばり

「ゆとり」

だった。

 新しいスカイライン、C110のデザインは、C10のカチッとした線と面に比べて、直線を基調としていながら、大胆な線と面とで、見た目の豪華さや大きさを感じさせる様になっていたのだが、そんな 「ゆとり」 というベクトルでデザインが進む中、多くのイメージスケッチが作られた訳なのだ。

 その中には究極的に 「ゆとり」 というイメージを突き詰めたデザインも自然に出てきたのだが、その中の一枚が、画像左上のクゥーペのイメージスケッチという訳なのだが・・・・・

 サイドの大胆なサーフィンラインやフロントからリヤに至るウエッジシェイプは、ケンメリそのものだが、どうみてもリヤ周りの造詣は市販車と、余りにもかけ離れている。

 初めて、この 画(イメージスケッチ) を見た時に私の中で、なにかモヤモヤとしたモノが支配したのですが。

 どこかで見たような・・・


 程なく、その答えを見つける事ができたのでだが、その答えは、

「C130ローレル 」

 それまでの国産車に無い、ダイナミックなリヤ周りの造詣で一世を風靡したC130ローレルのリヤスタイルそのものではないかと。

 スカイラインのデザインからローレルが・・・

 この答えは、確かに 「豊かさ」 や 「ゆとり」 というモノを突き詰めると、デザイン的にも大きさや、見た感じのインパクトが要求されるのだが、いくら時代に呼応した 「ゆとり」 を キーワード とした スカイライン とは言え、櫻井氏が求める方向性とは異なっている。

 あくまで スカイライン は、 「走り」 という DNA があり、エクステリアからも軽快さ、余裕のある「走り」をイメージさせるものではならない・・と。

 最終的には、ケンメリにこのデザインは採用されなかったが、デザインとしての完成度や、さらなる「ゆとり」「豊かさ」を求めたローレルにこそ、このデザインは生かされる・・という判断の元、C130にこのリヤデザインは移行され玉成されていったというのです。

 もし、櫻井氏が両車の主管でなかったら・・

 C130ローレル の デザイン は、まったく違ったモノになっただろうし、あのスケッチのままケンメリがリリースされていたら、GT-Rの再来は無く、代を重ねるごとにマークⅡの様な路線を歩んだかもしれないだろうと僕は今でも思っているのだ。

 ここでも スカイライン というクルマの、運命的なモノを感じられずにはいられない・・・と感じるのは私だけなのか?

 スカイライン、そして 櫻井 眞一郎氏 の奥深い世界が、またひとつ目の前に広がった瞬間なのだ。
ブログ一覧 | 櫻井眞一郎 氏 | クルマ
Posted at 2005/03/09 10:39:54

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この記事へのコメント

2005年3月9日 11:54
ローレル懐かしいですね。リアはよく印象に残ってます。

この車(リア)を見ると、ウチのオカンがよく「牛みたい」って言ってたの思い出します。
どこをどうすれば牛なのかよく分かりませんが、そういうイメージだったんでしょう。 (´~`;)
コメントへの返答
2005年3月9日 12:05
いやぁ・・人の感性って、まさに十人十色

確かに、当初はC310ローレルは人気が
今ひとつでした・・・
ところが、時間が経つにつれて人気が出て
中古車市場では異常な高値を呼んだ時期も
ありました。

しかし、バンパーにランプ類をビルトイン
するなど最先端のデザインでしたね。。
2005年3月9日 12:38
このローレルって、(ケンメリもか)ヤンキーの方々に大人気でしたねぇ。ヘッドライトを吊り目にしたり、ダミーのオイルクーラーをつけたり・・・。塗装はフレークがいっぱい入ったメタリックで全塗装と。「ヤングオート」によく載ってました。(^^;;
コメントへの返答
2005年3月9日 15:27
そうそう。。モデルチェンジして中古車
市場にタマが増えると、また一層ヤン車が
増えました・・・
上級グレードはリアがセミトレなんで、車
高を落とすと、絵に描いたようなハの字に
なるんで、そういった所からも人気を博し
ました。
ヤングオートもそうですが、ホリデーオー
トの巻末の「OH!MY街道レーサー」でも常連
でしたねぇ・・・
2005年3月9日 23:25
このローレルは子供心にもバンパーが低い(テールランプがバンパー埋め込みだから?)車だなぁという印象と,怖い印象を持っていました.当時フロントはケンメリと区別が付いていなかった様な(笑) 今見るとCピラーが太すぎて,後方視界が悪かったんでしょうね.ホワイトリボンタイヤも懐かしいですね.
コメントへの返答
2005年3月10日 0:35
リヤの造詣を指して「棺おけ」なんていう
あだ名も付けられていました。
とにかく印象的で、良くも悪くもリヤの
デザインに評価が集中していました。

確かにフロント周りのデザインはパッと見た
目、ケンメリだかローレルだか迷ってしまう
のはしょうがないですねぇ・・・

リヤの斜め後ろの視界ですが、これが意外に
良いとは言いませんが、そこそこ見えるんで
すよ~

それより、ヒップアップしてるんで、真後ろ
が絶望的に見えませんでしたねぇ・・・。
2005年3月9日 23:36
いやあ、興味深い話ですなぁ…。
元々のデザインはローレルが「基本」だったんですね。いやー、知らなかった。

それにしても毎度の事ながら、よくぞこのような資料をお持ちですよねぇー…。さすが!
コメントへの返答
2005年3月10日 10:13
C110とC130は、ある意味ではどう
やって棲み分けようか・・って迷っていた
時期だと思うのですよ。
だから、デザインの行き来があったのだと
思うのです。
ローレルのハイオーナーカーまたはハイソ
と呼ばれるジャンルにスカイラインがオー
ヴァーラップしてしまって、悩みの時期
だったのかもしれませんね。。。

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「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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