
ワイパーといえば、80年代に入ってなぜか「ワンアームワイパー」が流行った時期があった。
きっかけは二代目となるシルヴィア・ガゼールのハッチバックに採用されてからだ。その他にも二代目プレリュードにも採用されていた。
その実際だが、言わば単純にワイパーを一本にして、大型化し、できるだけ払拭範囲を広げようとしたのだが、高速での浮きなどの問題で早々に姿を消してしまった装備だった。
さらに当時のクルマ好きが盛んに言っていたのだが、
「ワンアームワイパーのクルマの横には行かない方が・・・」という暗黙の了解だ。
これはワイパーが巨大になり、ワイパーそのものが抱える雨水の量が増えた為に、ワイパーが稼動する度に、車体の左右にバシャリ、バシャリと派手に雨水を跳ねてしまうからだ!!
だから街中では、ワイパーを使うのに気を使う・・・なんていう精神衛生上に良くない問題が起きてしまった・・・らしい。。。
さらにシルヴィア、ガゼールの場合、ワイパーが若干フロントスクリーンよりはみ出てしまうという珍妙な現象も引き起こしていた。
その点メルチェデスの190Eなんぞは、よく考えられており、ワイパーを駆動するリンクを工夫して、フロントスクリーン全体に複雑にワイパーが動くようになっていたし、左右への雨水の飛び跳ね防止と、走行中のサイドスクリーンへの雨水の流れ込みを防ぐようにAピラーとフロントスクリーンに段差を設けていた。
シルヴィア、プレリュードが、払拭範囲の拡大なんて謳っていたが、いえいえ何を隠そうファッションや物珍しさだけで採用したというのがホンネで、両車とも輸出仕様車には、普通の二本ワイパーが装着されていた事は内緒だ。。。
ファッションとして、突如表れた「ワンアームワイパー」。
やはり機能性などに難があり、どれも一代限りで消えてしまった事は言うまでもない歴史の流れであった。
そうそう、そんな国産車の中にあって、機能性と安価にクルマを造るんだ!というポリシーで、ワイパーが一本だったクルマがあった事を皆さんは知っているだろうか?
そのクルマとは、
スバル360の初期型であった。
一本 ワイパーのスバル360初期型を知ってますか?
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/1383084/
「クルマのワイパーの変わりと水虫の特効薬が出来たらノーベル賞ものだ」
と昔から言われているが、確かにクルマのワイパーも、クルマという物体が登場してから、一向にその仕組みが変わっていないひとつである事は確かだ。
その中で、ワイパーの本数を増やしたり減らしたり、リンクを使って複雑に動かしたりと工夫されているのだが、これに変わる実用的なものはまだまだ出て来そうに無い。
ワイパーひとつ取っても、流行があって、工夫があってと考えると、やはりクルマというものは奥深いもんだと感じてしまうのであった。
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Posted at
2009/04/16 06:41:09