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2009年06月16日

怪鳥 R381が羽ばたく!独創は勝利への近道

怪鳥 R381が羽ばたく!独創は勝利への近道 さて!気を取り直して・・・閑話休題

FISCOに合わない、ムーン・シヴォレーエンヂンはとにかく「トラブル連発」で、正直カタログスペックで保障されている最高許容回転数では、まともに最後まで走破出来ない・・という悲壮感が、レース前から漂ってきていた。

その為にレヴ回転数を落とし、なんとか本番に間に合わせることにした。

そしてニッサン・シヴォレーR381には、コーナーが多いFISCOに合わせて新兵器を搭載していた。それが「怪鳥」のニックネームの元となった「エアロ・スタビライザー」と命名された、二分割式ウイングだ。

この「エアロ・スタビライザー」は、開発当初からのアイディアであったらしく、まだクローズドボディだった時の貴重な画像が残っている。



シートに座っているのは 櫻井眞一郎 氏。

もともとのアイディアは、米国の「チャパラル」(シャパラル)が1966年に開発した「2E」が最初だったと記憶している。



この「チャパラル」なんだが、GM製の2速ATを搭載しており、クラッチが無い替わりに、このリアの巨大なウイングの角度をドライヴァーの左足で調整する機構となっており、コーナーやブレーキング時にウイングを立ててダウンフォースを得る構造となっていた。

それから2年後の採用なんだが、櫻井眞一郎 氏の「独創」はオリヂナルを超えようとしていた。
つまり、ウイングを中央で二分割し、コーナーではイン側のウイングがコーナーの状態によって角度が付き、ロールの生成を阻害する事によって、安定性とコーナリングスピードの増大を得る事になった。



昭和43年5月3日14時、快晴の富士の身元、北野元のR381が飛び出し、それに高橋国光のR381が続いた!!
それを追うように田中健二郎、長谷見昌弘のローラ、そして二台のトヨタ7であった。

28週目を境にローラ勢が、ハイペースが祟って全滅、R381も32週目に高橋国光がピットでなんとリヤホイールのトラブルでリタイア。。。砂子のR381も部品が間に合ったとは言え本調子では無い。

そんな中、北野のR381は好調を維持し、40週目には二位以下を周回遅れにする快走を見せ付けた!!

このレースにはR380Ⅲ型が出ていたが、何と倍以上の排気量マシンを相手に互角の勝負を繰り広げていた。

59周目、三位に入っていた黒澤元治のR380が思わずスピン。

「終わってしまった!」と誰もが思ったが、すかさず黒澤はマシンを立ち上げ猛追し最後には表彰台の一角へと上り詰めた。

しかし・・・このスピンの時に重大な何かが起こってしまった。それは、また後日記述しよう。

本題の北野のR381は、ライヴァルと目されたトヨタ7と死闘を繰り広げていたが、何と58周目にトヨタ7はリヤシャフトが切断し、この時点で三台中二台のトヨタ7が消えてしまい、まさに北野の独走となった。

そして80周。

全てのマシンを周回遅れにしてR381は優勝した。

完調では無いムーン・シヴォレーエンヂン。それを持ってしても勝利へと導いたのは、無論、北野の卓越したテクニックだろうが、それを支えた「エアロスタヴィライザー」の存在も忘れてはならないだろう。。。

程なくして・・・F1で同様のウイングを装着したマシンのトラブルが続発し、このタイプのウイングは禁止となってしまった。
R382が登場するまでの間も、「翼をもがれたR381」は闘い続けたのであった。



もがれた翼の余力を取り戻すために、ボディに付加されたスポイラーたちが、R381のプロポーションを次世代のR382に似せている・・と感じてしまうのは僕だけだろうか?

エンヂンが自社製ではないという事から、そして最後には翼までもがれてしまい、その存在がかすれてしまったR381。


しかしR381で得た、大排気量エンヂンの躾の方法、エアロダイナミクスの手法は、次ぎのマシンに生かされた事を忘れてはならないだろう。

R381、まさに歴史に埋もれてしまった名車なのかもしれない。



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Posted at 2009/06/17 01:01:29

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この記事へのコメント

2009年6月17日 9:30
『ニッサンがル・マンを制覇する日(高齋正 著書)』を思い出しました。
エンジン性能ではなく、トータルバランス、ヒューマニズム工学も含めた技術の日産が
世界のサルテへ向かっていって・・・。
R384の乙似のグラマラスなボディ?(想像ですが)・・・。
381については『ニチモ』か『ナガノ』のプラモデルを作ったことがあるような・・・。
この時期の日産には興奮しました。
コメントへの返答
2009年6月19日 1:31
この時期の日産のモータスポーツへの取り組みは、まさに熱意もあり、そして創意工夫を凝らしたテクノロジーもすごいものがありました。

世界に追いつき追い越せの意識が、モータースポーツにもあった様に思います。

本当はR380でルマン出場を目論んでいましたが、諸事情で実現せず。

実際に出ていたら?コンピュータでは優勝は兎も角良い所まで行ったと解析されてましたが、さて。。
2009年6月17日 21:16
話は横道にそれますが、高齋正氏のシリーズは全て読破しました。
考えてみればあの頃ほど日本の自動車メーカーが皆輝いていた時期はないと感じます。市場の寡占化(!?)が進み、市場シェアの小さいメーカーの弱体化が目立つようになって、趣味としての自動車という点で非常につまらなくなってしまったと思うのは私だけでしょうか?実用性を優先したデザインの1BOXなんて、趣味の対象にはなり得ません。若者も経済的な問題は別としても、そんなつまらない車にいつかは手に入れたいという憧れを持つことはないでしょうし、それならばもっと別の所にお金を使おうということになってしまったのではないでしょうか?
もっと個性的な車、尖った点のある車が競い合う市場になってほしいものです。
コメントへの返答
2009年6月19日 6:57
皆さん良くご存知なんで、僕の出番が無いのですが、唯一「レオーネが荒野を駆ける時」くらいしか読んだ事が無いんですね。
でもクルマ好きにはたまらないストリーでいやぁ面白かったです。

さて、最近のクルマ事情に付いては本当に多くの方々が、色々な切り口でコメントされていますが、端的に言えば「クルマに輝きが無くなった」
クルマを買うと言う事自体に、面白味や楽しみ、ワクワク感が伴わないんですね。
基本的にワンボックスカーが幅を効かせて、さらにそれに馬鹿力のエンヂンを積む。
確かに早い事は速いのですが、生活観という現実からは抜け出せていませんよね。

それを証明する事例としては、クルマを買うと言う行為に「ヒエラルキー」が無くなったと思いませんか?

僕の時代は、最初は軽自動車かサニークラスを買って、次ぎにブルーバード、次はスカイライン。。。と、年齢や収入に応じてステップアップする楽しみがありましたが、今は皆無と言っても良いでしょうね。

じゃぁ、趣味性の高いクルマは売れないかと言えば、ロードスターとかコペンとか売れているのは何故でしょうか?

ある意味見せ掛けだけでなく、ホンモノ指向という概念があるからでは無いでしょうか?

従来良くあった、単純なセダンからの流用、派生車種ではないクルマ、つまり、そうしたクルマを本気で造るとコストが掛かる訳で、数が出ない、儲けが少ないクルマを現代のメーカーは造りたがらない事も要因ですよね。

そういったクルマにも果敢にも取り組んでくれるメーカーの姿勢が必要なんですが、どうも現状を見れば難しそうですね。

本当にクルマの行く末を考えなくてはいけない時期に来てますよね。

プロフィール

「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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