
かつてマツダは「ロータリゼーション」という名の下に、下は軽から上はフルサイズのクルマまで、ロータリー搭載のクルマをラインナップし、日産・トヨタの牙城を切り崩そうとした。
まずは、ロターリーのコンパクトで高性能さをアピールするために「コスモスポーツ」が開発されリリースされた。
そして、量産車である「ファミリア」にも搭載し、一気にロータリーの市民権を得る作戦に出た。
その一方で、フルラインナップの最下部を受け持つ軽も開発されたが、その頃軽自動車の人気にも陰りが見終え始めた頃で、マツダがロータリー搭載の軽を発売すると、確実にシュアーが奪われる為、軽自動車各社の猛反発で、軽へのロータリーの搭載は阻止されてしまった・・それが、シャンテであった。
ラインナップの頂点、つまりセドリックやクラウンに対するクルマとしてマツダが用意したのは、それまで高級車のジャンルを扱った事の無いマツダは、オーストラリアのホールデンからシャーシとボディを購入し、それにRE13を搭載する作戦に出た。
しかし、いかんせん保守的な市場である、そのクラスではロータリーの高級車というものが認められず、あえなくマツダはこのクラスでも、その思いを成就する事はできなかった。。
その後、オイルショックに見舞われ、燃費の悪いロータリーは駆逐されてしまった・・という歴史は、皆さんご存知の通りなのですが、実はその歴史の影に、一台のマイクロバスが生を受けていた事をご存知だろうか?
広島県の要請により、少量ではあるが、ロータリー搭載のマイクロバスが作られた事があり、その時のロータリーならではの静粛性とスムーズな加速が好評であったため、マツダは密かにマイクロバスの市場にもロータリー搭載の刺客を用意していたのだ・・・
そのバスとは「パークウェイ」である。
フロントフェイスは、小型トラックの市場でエルフと並んで高いシュアーを誇った「タイタン」のフェースを模し、窓面積を最大に取った、スタイルは当時としては、とてもモダンで室内もコーディネートされて明るいモノだった。。。
そのマツダの意欲作である「パークウェイ」に伝家の宝刀「RE13B]を搭載したモデルを発売したのだ!!
ロータリー搭載車は、最上級グレードのみ、しかも通常は26人乗りのクルマを、シートを大きくし、間隔も広げ。。。そう、新幹線でいうグリーン車並の装備を施した「スーパーデラックス」まで設定し、マイクロバス市場に打って出たのだが・・・
ロータリーとはいえグロスで135馬力。
2トンを超える車重では、どう見ても馬力不足であったし、ロータリー独特の低速トルクがか細い・・という特性は、バスの様な発進時などのトルクを必要とする車種にはマッチング的に厳しいものがあった。
最大の難点は、過重量のバスを普通に走らせる為には、それなりのガスペダルの踏み込みが必要となり、それでなくとも燃費の悪いロータリーの更なる燃費の悪化を促進させる事となり、いかにバスとはいえ2~5Km/Lという劣悪な燃費が、ますます販売の足かせになって言った。。。
意欲的なロータリー搭載という事で世間の注目を浴びたパークウェイであるが、発売後のネガティブな面が強調されるに至り、たった二年で製造は中止された。
現在、国内で稼動中のものは、おそらく二台確認されているというが、その実態は不明である。
オイルショック後、マツダはロータリゼーションの旗を降ろし、軽量でコンパクトで高回転の特性を生かして、スポーツカーのジャンルにロータリーを特化させていった。。
パークウェイは、そんな歴史の流れに翻弄された幻のクルマと言えよう。
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Posted at
2005/04/02 19:21:44