• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2005年05月30日

苦難 最新型ロータリーを投入するが苦戦を余儀なくされたロータリー勢。。

苦難 最新型ロータリーを投入するが苦戦を余儀なくされたロータリー勢。。 '70年の日本グランプリ以降も、ロータリー対GT-Rの仁義無き戦いは続いたが、クルマとしてのトータルヴァランスでは、やはりGT-Rが勝っており、もはやファミリア・ロータリー・クーペではGT-Rを駆逐できない事は誰の眼で見ても明白な事実であった。

しかも、この年のJAFの技術委員会で、「マツダ」にとって衝撃的なルールの変更がなされてしまったのだ。。

つまり、構造が市販車より大幅に逸脱してはならない。。。という理由から、これまで許容されていた「ペリフェラルポート」が禁止され、市販車と同じサイドポートの吸気方式で戦わなくてはならなくなったのだ。。

ローターリーエンジンの構造上、高速型つまりレース向きにはペリフェラルポートが最適で、皮肉にも世界で唯一ロータリーの市販化開発に成功する「礎」となったマツダ方式、「サイドポート方式」では中低速には適しているが、高速域では吸排気のオーヴァーラップが広く取れなくなり、大幅な馬力の向上が難しくなってしまったのだ。。。
これはレシプロで言えば、「カムシャフト」の変更が許されない・・事と同じで、「マツダ」はサイドポートでレースを戦ってゆく技術の開発に心血を注がなくてはならなくなり、レースでのロータリー勢の停滞はどうしようもなくなっていた。。。

実は'70年のファミリア・ロータリー・クーペがGT-Rと激戦を繰り広げた5月、マツダは新たに新開発「12A」ロータリーを搭載した「カペラ」を発売していた。



この「12A」ロータリーは、レース用として社内ではペリフェラルポートで開発が進んでおり、軽く250PSを超え打倒GT-Rは時間の問題と目されていたが、サイドポート方式ではどう頑張ってみても220~240PSしか確保できず、GT-Rより馬力で劣る事にになり「マツダ」はサイドポートでGT-Rを上回るチューニングを考え無くてはならなかったのだ。

「マツダ」はサイドポート方式での馬力向上という技術的トライと同時に、ワークスカーを、この新鋭の「カペラ」へとスイッチさせた。

これはよりサイドポートであっても、「10A」に比べて、馬力の向上代の大きい「12A」を搭載するという観点もあるが、なにより足回りの充実を狙った事も事実である。
なんと言っても、クルマの基本的な構造から、ファミリア・ロータリー・クーペのフロントのロールセンターの改善は困難であったが、カペラは当初からその点でも大幅に改善されていたのである。



具体的に言えば、ロータリー・クーペのコーナリングは、リヤを沈めながらロールするのに対して、カペラのフロントのロールセンターは、ファミリア・ロータリー・クーペに比べて約50mm低められており、フロントノーズが沈むような自然な感じでロールが発生するようになっていた。
しかもリヤのサスが、それまでの板バネからコイルスプリングを用いた「5リンク」になっており、そのこともレースにおいてチューニングの度合いを高める事となったのであった。

新鋭「カペラ」のレースでの登場は'71年6月の「富士GCレースシリーズ」であり、「マツダ」は二台の「カペラ」を送り込んだ。。。

マシントラブルで決勝には一台しか出場できなかったが、日産勢を敵にまわし孤軍奮闘ながら3位に入賞する事ができた。

しかし9月のシリーズ第四戦でも、「カペラ」はGT-Rに勝てることが出来ず、サイドポート方式でのカペラではGT-Rに勝てない事は如何ともし難い事実であった。。

戦力の上がらないロータリー勢に助けられているかの如くのGT-Rだったが、実際には勝利の為に人知れず、「マツダ」と同じ様に血の滲む様な努力をしていた事には、あまり触れられていない・・

レシプロエンジンの雄GT-Rは、いったいどんな秘儀を持ってロターリー勢を駆逐していったのだろうか・・・

そこには、現代では当たり前と言われる技術の開発が行われていた事を、次に告白せねばならないだろう。。。。
ブログ一覧 | ロータリー VS GT-R | クルマ
Posted at 2005/05/30 00:31:26

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

快適な車内空間は静音計画☝️
あぶチャン大魔王さん

8/10)皆さん、おはようございま ...
PHEV好きさん

今日のドライブ♪(房総25)
カシュウさん

ぼうの屋さんへ。レッツごーっす。o ...
KimuKouさん

このボリューム凄くないですか!
のうえさんさん

気持ちいいじゃない!!
SNJ_Uさん

この記事へのコメント

2005年5月30日 10:34
>次に告白せねばなるまい。。。
 かっこ良すぎよん~ ますます はまります。
どんな 日産は 努力をしたのだろう。。。
 楽しみにしております。
コメントへの返答
2005年5月30日 10:56
ちょっとオーバーな書き方になっちゃい
ましたが、今から見ると当たり前の事が
いかに当時は最先端だったか・・ってい
う感じなんですね。
技術的にはギリギリのところに来ていま
したから、それはもう「ツメに火をとも
す」っといった具合の地道な改善の繰り
返しだったんですねぇ。。
簡単に「老兵は・・」にならなかった事
が、後々までGT-Rが名車として我々
の心を捉えて離さなかった理由だと思い
ますねぇ。。
2005年5月30日 13:41
ドッキンドッキン・・・!!(・д・;)
うおぉ~、がんばれロータリー!!(日産党の方、ゴメンナサイ・・・)

文章うますぎ~!!
コメントへの返答
2005年5月31日 13:47
いつも見てくれて、コメントを書いて頂い
て本当にありがとうございます。
GT-Rがあったからこそ、ロータリーは
進化して、ロータリーがあったからこそ、
GT-Rも輝いていたと言えるでしょうね

現在では、なかなかこう言った好敵手とか
ライヴァルという関係ができ難いのですが
、敵味方という感じでなくて、お互いに
その存在を認めた関係で切磋琢磨するって
ある意味でカッコ良いですよね!

GT-Rの苦闘も含めて連続掲載とはいき
ませんが、ハコスカ対ロータリーの死闘を
できるところまで紹介して行きますので、
応援お願いします。!!
2005年5月31日 17:37
こういった後世まで語り継がれる「ロータリーvsGT-R」のエピソード・・・。引き込まれます。僕もロータリー党なので大体の成り行きは知っているのですが、徳小寺さんの文章を読んでいると改めて手に汗せずにはいられません!(あぁ、何故かプロジェクトXのテーマが頭の中で止まらない・・・汗)

ゆっくりでも全然かまいません!!
色んなエピソードを教えて下さいね!!
コメントへの返答
2005年6月1日 23:03
この様なコメントを頂けるなんて、最高に
嬉しいですね。

マツダのファン、日産のファンという垣根
を超えて、お互いのクルマが、ターニング
ポイントで、何を考えていたか、何をしよ
うとしていたかを知る事は、とても大事だ
と思うのです。

勢い「マツダ」びいきなら「マツダ」のこ
とばかり、「日産」びいきは「日産」の事
ばかりに気が行ってしまいがちなんですが
、お互いに相手の事をしれば、もっと自分
の応援するメーカーの事が好きになるでし
ょうし、もっと興味を持てる様になれると
思うのです。

どちらか一方では無く、できる限り、どち
らも紹介できれば・・と思っています。

マイペースで行きますので、よろしくお願
い致しますね。

プロフィール

「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

      12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

読取 楽々精算 苺 が読めず!! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/06/16 22:07:23
おもしろ塗装工房 プロ仕様の耐熱塗料 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/05/08 13:49:11
アニキの春うらら~( ̄▽ ̄) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/04/18 13:27:15

愛車一覧

日産 NV350キャラバン NV White Base (日産 NV350キャラバン)
子供の病気の進行により、C26 チェアキャブ を所有していたが、大型で重量級のクルマ椅子 ...
日産 セレナ LCV E STAR (日産 セレナ)
BX-Car をどこまでも乗りつぶす気でしたが、子供の病気の進行が予想以上に早く、歩行困 ...
BMW 3シリーズ セダン BX-Car (BMW 3シリーズ セダン)
日産から、これぞというクルマが出ないまま時間はどんどん経過し、X-Carも我が家に来て4 ...
BMW 3シリーズ セダン X-Car (BMW 3シリーズ セダン)
免許を取って以来・・・いえいえ生まれてこの方の「大」の日産ファンでしたが、昨今の日産車の ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation