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2005年06月15日

運命 GT-R 50勝とロータリーの逆襲

運命 GT-R 50勝とロータリーの逆襲 ロータリー勢が「サイド・ポート」の馬力向上に苦心、光明を得ていた時、ライヴァルGT-Rは豪雨の中、「50勝」という大きな節目を迎えていた。

詳細は
「豪雨 ハコスカGT-R 50勝目豪雨の勝利」:
http://carlife.carview.co.jp/User.asp?UserDiaryID=202334

を見て頂ければ幸いだが、ここで少し補足したいと思う。。

'72年3月20日72年富士グランドチャンピオンシリーズ第一戦「富士300キロレース」に「高橋国光」と「都平健二」の操る、HT GT-Rが参戦した。。。

このレースに出場していたのは、トヨタからセリカ1600GTが三台とマークⅡGSSターボが一台。。
一方のロータリー勢は、寺田陽次郎のカペラと岡本安弘のサヴァンナの二台が出場していた。

折りからの強力な低気圧の接近に伴い、風速18m/secという強風と、横殴りの豪雨の中、レースは始まった。

二台のGT-Rは、スタートと共にトップを奪い、恐ろしいペースで後続を引き離した。



前半は溝の深いタイヤを履いた都平GT-Rが先行したが、溝の浅いタイヤを履いた高橋GT-Rが、コーナーで意外なほど深いブレーキングをするのを見て、8週目にブレーキングを遅らせたところ・・・
スピンしてしまいコースアウト、リタイヤになってしまった。

一台となってしまった高橋だが、その後も驚異的なラップを重ね、ついに他のマシンを周回遅れにしてしまい、劇的な「50勝」目を飾る事になったのだ。



ここに当時の高橋のGT-Rに乗った貴重な画像がある。

低いシートバック、ジェットのヘルメット、レーシングスーツだって、現代から比べればお粗末な物だ。。。

こんなコックピットから、芸術的なGT-Rの操縦がされていたなんて、未だに信じがたいモノがある。。。

そんなGT-Rの前に、よいよ究極の「サイド・ポート」チューニングを施された「サヴァンナRX-3」と「カペラ」の「12Aロータリー」軍団が大挙押し寄せて来たのは、二ヵ月後の5月。。。

今では考えられないが、旧富士スピードウェイの、通常の「右回り」のコースを逆走するという、左回り4.3Kmのショートコースで行われた「日本グランプリ ツーリングカーレース」にマツダは、打倒GT-Rを目指して「12A改ロータリー」を搭載したマシンを送り込んだ。。。



このレースに備えて、GT-Rもさらなる軽量化が推し進められていた。
1000Kgを超えるウェートから、なんと100Kg近い減量を施し950Kgを切るウェートまでなっていたのだ!

そして、ロータリー勢が苦手とするコーナリングに対して、更なるアドヴァンテージを得るために、「不等ピッチスプリング」の開発をし、このレースに間に合わせたのだ。

しかし、さらに軽く空気抵抗の少ないロータリー勢は、それまで無敵を誇った日産ワークスを尻目に、予選では1・2・3を独占していたのだ。。。

果せるかな、本戦が始まると、一速のギヤ比が高く、パワーウェイトレシオに劣るGT-R勢は、早くもロータリーの後塵を拝する事になってしまった。

1968年に登場し、すでに4年という歳月と、それまでに重ねられた改良で、すでに限界・・・というところまで来ていたKPGC10 GT-Rにとって、最新型で軽量なロータリー軍団には、もはや太刀打ちできなくなってしまったのか?

しかし、GT-Rも生まれながらの戦士である。

日産パイロットたちの華麗なコーナリングテクニックにより、コーナーの立ち上がりを良くする為に、通常ではタイムが落ちるとされているテールスライドを、ワザと誘発させ、S20DOHCエンジンの回転数を9000~10000min-1にキープして、驚異的な立ち上がりでコーナーをクリアーし、タイムを向上させていた。。。

対するサヴァンナも、新開発の「ワットリンク・リヤサス」でGT-Rに対抗したが、新型サスを開発したマツダ技術陣の英知より、日産のパイロット達の神業に近いテクニックが、コーナーとコーナーでの立ち上がりで、サヴァンナを圧倒した。

しかし富士のストレートは、GT-Rにとって、永遠のように長く感じ「悪夢」以外の何物でも無かった。

コーナーでサヴァンナを抜きさっても、直線では難なくサヴァンナがGT-Rをパスしてしまうのだ。。。

もはや、GT-Rにレースマシンとしての戦闘力向上の余地は皆無に等しかったのだ。

結果は・・・・

ロータリー勢の圧勝だった。

日本のレースシーンにも、ひとつのピリオドが打たれ、また新しい歴史が刻まれようとしていた。。。

GT-R終焉の時は、刻一刻と迫りつつあった。。

この年の9月には、より大きくなってしまったC110「ケンメリ」スカイラインの登場が決まっていた。

その最後のレースまで、あと5ヶ月。。。

しかし、ハコスカGT-Rの戦いは最後まで続くのであった。
ブログ一覧 | ロータリー VS GT-R | クルマ
Posted at 2005/06/15 01:35:49

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この記事へのコメント

2005年6月15日 14:09
ホントにいい戦いをしてますね~!!

今のGT-Rに対してロータリーでは、立ち上がり~加速ではまず歯が立たない。けど軽いからブレーキングからコーナーでなら・・・という感じなんでしょうけど、この頃は逆だったんだなぁ・・・。
知らなかったです・・・。
コメントへの返答
2005年6月15日 14:37
本当に書いてる本人も、この頃の資料や写真を見るに付け、「凄かったなぁ」って思うんですよ。
メーカーとメーカー、ドライヴァーとドライヴァーの真剣な戦い・・・
特に「高橋国光」と「片山義美」は、2輪時代から激しいバトルを繰り返していたので、それは凄い迫力でした。

実はehudeeさん、おもしろい話があるんですよ!!
数年前、雑誌で「高橋国光」と「片山義美」の対談があったのですが、こんな事を言っていました。。

「ハコスカとサヴァンナの時は、どうしてもGT-Rの方がコーナリングが早かったけど、今じゃRX-7の方が断然GT-Rより早いからねぇ。
レースでも昔と反対のバトルになると思うよ・・・」
by 片山義美。。。

まさにehudeeさんと同じ事を、言ってたんですねぇ。。。
2005年6月15日 16:50
その後のGT-R・RX-7の進んだ道,現在のイメージが強い私なんかですと「ストレートでGT-RのほうがRX-7より弱くて,コーナリングが逆」なんていうのは驚きとしかいいようがないですね~(-_-;)

コメントへの返答
2005年6月15日 23:16
当時は本当にロータリー勢はコーナリングが遅かったですね。。
GT-Rは、スパッスパっとコーナーを、軽くカウンターをあてながら、まさに流れる様にクリアーしていたのに、ロータリー勢は、なんだか、図体に似合わない図太いタイヤのマッチングに困っていたのか。。ドタバタした感じでコーナリングしていましたね。。。
もし。。。当時のヴィデオを見ることがあれば、その差が歴然と分かるのですが・・・
そんなヴィデオって、もう無いよなぁ。。。
( ̄□ ̄;)!
2005年6月15日 17:03
>>まさにehudeeさんと同じ事を、言ってたんですねぇ。。。

えっ!?ホントですか!?
いやぁ~、テレますなぁ~!!(?;;)

・ハコスカはストレートでサヴァンナに後塵を廃した。
 →ストレート課題とし、取り組んだ。
・サヴァンナはコーナリングでハコスカに遅れをとった。
 →コーナーリングを課題とし、取り組んだ。

2台とも、それぞれに対するウィークポイントに徹底的に取り組んだら、いつの間にかその分野では相手を凌駕する程の磨きがかかり、結果として現在のような逆転現象となって表れたのかな?

こうして過去のバトルの経過から現在の姿を辿って行くのも楽しいですね!
コメントへの返答
2005年6月15日 23:25
最初にehudeeさんからコメントを頂いた時に、真っ先に、その対談を思い出したのでした。。。。
GT-Rはどうしてもベースがハコで、意外に図体が大きい・・・そうすると、やはりエンジンの馬力UP排気量増で対応した訳で・・・
一方のサヴァンナは、RX-3がベースがハコの「グランドファミリア」でしたが、RX-7からは、まさにピュアスポーツの道を進んで、操る楽しさという事からも、かいはつが操縦性に力点がおかれたのですねぇ。
2005年6月15日 18:10
相変わらず素晴らしい情報量ですね。ホント、心底面白いです。

それにしてもKPGC10のコックピットに座る国さんの写真ははじめて見ました。昔のバケットシートって本当にローバックだったんですね。これで事故った時は首とか大丈夫かいな???と心配になりますが。

あとKPGC10のスライド走法の理由を初めて知りました。うーん、深い・・・。
コメントへの返答
2005年6月16日 9:39
あのローバックのシートじゃあ、かなり首が大変でしょうねぇ。。
ロールバーも今の基準からみれば、恐ろしく「か細い」と思うのですが・・・

コーナーのテールスライドですが、もうひとつの原因は、ずばりタイヤのせいでしょうねぇ。。

やっとこの頃になって、スリックタイヤなるものが登場してきましたが、まだまだグリップ力も大した事無く、その為にそんな走りが堪能できたのだと思いますねぇ。。

しかし、このシリーズの最初の頃書きましたが、まさにライヴァルがあったからこそ、お互いとも磨かれ輝いていますよね。

それにドライヴァーの力量も優れている・・・本当に、このころのレースって面白かった・・と思いますよ。
2005年6月15日 23:42
初めまして、ワインレッドパールツートンのブルに乗っている者です。知り合いに71年式のKPGC10に乗っている方がいらっしゃいます。ワンオーナーでレストアしていませんがかなりきれいでエンジンを有鉛から無鉛ににするのにオーバーホールしただけだそうです。ワンオーナーでノーマルマフラーですが快音を響かせて乗ってらっしゃいます。かなりしびれます。510のブルーバードに乗っていたときに4ドアのGT-Rにぶっちぎられて悔しくて買われたそうです。117クーペやベレット、アルピーヌなどその当時の車を色々見て決められたそうです。お会いするといつも車の話しで盛り上がってしまいます。
コメントへの返答
2005年6月16日 10:02
はじめまして。コメントありがとうございます。
「GT-Rにぶっちぎられて・・」っていう理由で510からGT-Rに乗り換えた・・っていうオーナーて、僕が知る限り2人いますねぇ。。
そりゃ、所詮1.6や1.8のOHCツゥインキャブと、2.0のDOHCソレックス3連では勝負になりませんよねぇ。。。といっても、オーナーになると、頭では分っていても、それが許せないんですねぇ。。。
ぼくも510の「ワンキャブ」に乗っていたんですが、それでも悔しかったので、SSSのオーナーならなお更でしょう。
KPGC10となると完調に乗るには、熱価の異なるプラグを用意したり、整備の際にはタペット調整が大変なんでしょうねぇ。。

でも、完調のS20を思いっきり回した時の金属的なサウンドは、正直「病み付き」になりますよね。

クラッチや絶望的に思いステアリングなど、結構手が掛りますが、僕たちは、逆にそれを乗りこなす事が楽しくてしょうがありませんでしたね。。。

私たちもU14で500余りしか生産されていない希少色に乗っている訳ですが、GT-Rほどで無いにしろ、拘って乗って行きたいですね!
2005年6月16日 0:01
引き際の美学とでも云うのでしょうか・・・
何事も頂点を極め続ける事は人知れず努力が必要で、いずれはそれも通用しなくなり退く時が来ますよね。
老兵になりつつもコンパクトでバランスの取れたKPGC10だからこそ ここまで戦えた訳で、一回り大きな車体に同じ心臓を持つKPGC110をワークスから一度もレースに出走させなかった事は、今となっては賢明な選択だったと思います。
だからこそ日産ブランドの「GT-R」は勝つ為だけの特別な存在として認知され続けているのですから。
後にBNR32がグループAを完全制覇した事も、日産の「GT-R」と云う物に対する姿勢の顕れだと理解しています。
それにしても私には「ワークス/KPGC10 = ドライバー/高橋国光」のイメージが強いですねぇ♪
コメントへの返答
2005年6月16日 10:14
本当の「戦士」とは、最後までどう闘うかが問われていると思います。
99%まで不利であろうと、残りの1%にかける意気込み・・・
頂点に立とうとも、常にチャレンジャーであり続ける事、それは並大抵の努力ではできないと思います。
しかし、それには偉大なライヴァルがあってこそで、まさにカペラやサヴァンナは、最強であり、最高のライヴァルであったと思うのです。
私は常々ブランドというモノへの拘りを述べてきましたが、まさに「GT-R」というブランドは、日産の拘り以外の何者では無かった・・と思うのです。

ハコスカGT-Rとドライヴァー・・・

皆さん、それぞれ思い入れがあると思います。

黒澤、高橋、北野、長谷見、都平・・・

僕は意外と思われるかもしれませんが、プレイヴェートの「久保田」が好きなんです。
実は50勝のウチ、なんと10勝はワークスドライヴァーでなく、PMCSの久保田が取っていて、最多勝利なんです。。

黒澤や高橋などと違って、あまりスポットを浴びていませんが、僕は彼の姿をいつか追ってみたい・・と思っているんですよ。。。

皆さんの熱い思いを聞いていたら、近所の「ハセミ・スポーツ」を覗きに行きたくなってしまいました。。。

日曜日あたり行ってみようかなぁ。。なんて思っています。

プロフィール

「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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