
驚いたのだが、最近のドライヴァーは 「チョーク」 がどんなモンで、どの様な時に使うかを知らないというのだ。
まぁ確かに、1990年代後半には、クルマの場合、電子制御のインジェクションか電子制御のキャブレーションが当たり前になって、インパネから 「チョーク」 のマークが無くなってしまっていたんだが・・・
それでも、汎用の小型のエンヂンやら、バイクでも、まだまだ 「チョーク」 が使われているのに、クルマの世界ではもはや絶滅してしまった作法の様だ。
思い起こせば、僕が免許を取った頃は、殆どにクルマが 「チョーク付き」 で、値段が高いクルマにようやく 「オートチョーク」 が付いていた程度だった。だから、今みたいに、何も考えずにキーを回すと一発でエンヂンがかかる事や、いやいや、プッシュボタンでエンヂンがかかる事も正直驚きなのだ!!
最近免許を取った若者に、
「以前は、寒い日は、チョークを引いてエンヂンをかけてたんだけど・・・」
と言うと、
「なんで、エンヂンをかけるのに チョーク を引くんですか!?」
と逆に質問されてしまったのだ・・・・。
昔のクルマの取説には、こうして チョーク を引いてエンヂンをかける!なんて書いてあったモンなんだが・・・画像は510ブルバード後期の取説より
そう言えば、今どきのドライヴァーは、キャブなんて知らないし、ましてやエンヂンの構造や、ガソリンを気化して、それが吸入されて・・なんて全く眼中に無いだろう。
そういった意味では、良いのか悪いのか分からないが、少し前の欧州車には、まだチョークの概念が残っていてインパネに、エンヂンが始動してチョークがかかった状態だと、チョークのマークにランプが点くクルマもあったけ。
ちょっと前の欧州車の一部には、こうした「チョーク」マークがあって、チョークがかかっているとランプが。。ちなみに |/| がチョークのマークだ。
最近は原付だって、インジェクションになって、セルだけではエンヂンがかからなくて、鬼の様にキックする姿も見れなくなった。何も考えずにキーを捻ればエンヂンがかかる幸せ・・・・そうそう、以前のスポーツタイプのクルマに至っては、チョークだけでは無く「スロットル・レバー」(S30 Z432 なんて、その最たるモンだ) もあって、最初にチョークを引いてエンヂンをかけて、エンヂンがかかると徐々にチョークを戻し、今度は水温が上がるまで、スロットルレバーでエンヂンの回転を上げるなんて、
エンヂンの回転の様子や振動、排気ガスの状態を見ながら、
クルマと対話しながら
エンヂンを始動していたモンだ。
クルマは誰でも扱えて手間がかからない様に・・と進化してきた。おかげで、クルマが本当にたくさんの人に売れて、だれでも気軽に扱えるようになったけど、クルマ音痴がそれに伴って増殖され、逆にクルマの構造を知らない故の事故とか、クルマの馬力に振り回されて、自分の技量を超えた運転を、さも自分の実力だと錯覚したドライヴァーが増えたような気がする。
チョークを知らない世代の増殖。ある意味ではクルマの技術者が目指したイージー化の玉成した姿かもしれないけど、これほどまで自分が乗るクルマの事を知らないドライヴァーが増えるという悲しい、いやおぞましい現実を指示しているかもしれない。
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Posted at
2013/09/29 23:56:07