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2007年03月20日

切望 スカイラインにグロリアのエンヂンを積みたい・・・

切望 スカイラインにグロリアのエンヂンを積みたい・・・








失敗の許されないプリンスは、櫻井を中心に競技規則を徹底的に勉強して規定ギリギリの改造を行った。。。
車種は2Lの「グロリア」と1.5Lの「スカイライン」であった。

櫻井の野望は 1000~2000 CC のグランドツゥーリングカークラス(GT-Ⅱ)のクラス制覇であったが、どうもスカイラインの走りが思わしくなかった。。

63年の11月からは、鈴鹿にマシンを持ち込んでテストを始めたが、鈴鹿の奥のスプーンカーブの立ち上がりで芳しくないのだ。
櫻井は自身でスティアリングを握り、急なコーナーを減速して立ち上がりで床が抜けるくらいガスペダルを踏むがスカイラインは思った様な加速をしてくれなかった。。。

何度も何度もエンヂンの調整をするが、それでも満足のゆかない櫻井にひとつの閃きが起きた。

「一緒に走っているグロリアの2000 CCのエンヂンを積んだらいい・・・」

櫻井は上司に掛け合った。

「アレにグロリアのエンヂンを積みたいんですが」
「お前は馬鹿か!?あんなでっかいエンヂンを積んだら、クルマが真っ直ぐ走らないで、その場で回っちゃうぞ!!」
「そんな事はありません!絶対にモノにしてみますから・・・」

その熱意に打たれプリンスの上層部は折れたが、さらに櫻井はこう言ってみせた。

「これをやっておけば、将来必ず生産車に生かせますよ」と・・・

問題は、どうやって巨大な2000 CCのエンヂンを1500 CCのスカイラインに積むかだった。

櫻井は開発本部長の中川に相談した。

「フロントのノーズの根元から切断してホイールベースを伸ばせばいいだろう。。」

中川は続けて「200mm伸ばせばいい」と言ったが、今度は周りから反対の意見が出たが、櫻井をかばう・・・いや、中川は自身のプライドを持って専務連中の言葉を遮った。

プリンスの専務と言えば、技術畑の一癖もふたクセもある連中ばかり・・、彼らも技術者のプライドをかけ中川に詰め寄る。

「200mmはいくらなんでも長すぎる・・せめて180mmでは・・」と食下がるのを中川は、「だめだ!200mmは俺の絶対命令なんだ!」と、とうとう押し切ってしまった。

中川が「200mm」に執着したのは理由があった。

それはかつて戦争中、中島飛行機で自身が設計した 「星型18気筒エンヂン 誉」 の前後のシリンダー間隔が「200mm」だったからだ。
当時としては画期的なコンパクト化という命題でたどり着いた技術者として忘れえぬ数字だったからなのだ。。。


(注:画像は「栄」エンヂン)

櫻井の提案は、多くの熱意に支えられてよいよ「化け物スカイライン・プロジェクト」が始まった。

しかし、季節は秋から冬へと移ろい、日本GPまで半年しか猶予が無くなっていた。

実験グループによって「グロリア」の2000CC「G7」エンヂンのパワーアップが昼夜を問わず行われた。そして、スカイラインに載せる「G7」には伊太利亜の「ウエバー社」のカブレーターが最適という事になったが、その時点で2月15日、車両公認試験のタイムリミットが3月5日であった。。。。

それまでに「同一車種を100台生産しなければならない」という規定に合わせ、実験車3台、レース参加車5台、その他にホモロゲに必要な残り92台を造らなければならなかった。

もうそれからは全社あげての総力戦となった。

じっくり計算する時間もなく、専用のプレス型も無いので、とりあえず1500 CCのスカイラインの鼻先をぶった切り、手作りでフェンダーなどを作り上げ溶接した。

そうして実際に走ると、やはり無理があってボディが捩れる。

ここだ!あそこだ!とシャーシやボディに板を貼り付け、強化すると何とか走れるようになったが、今度は、強大なエンヂンのトルクでリヤのサスペンションが持たなくなり、今度はそれの改造・・と。。。試行錯誤を繰り返し、ようやく100台のメドが立つ事になった。

これが「スカイラインGT」の誕生・・・・となったのだった。



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ブログ一覧 | スカイライン | クルマ
Posted at 2007/03/21 03:13:48

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この記事へのコメント

2007年3月21日 23:44
「グロリアのエンヂン積みたい!」と直訴した櫻井氏は、余程ノーマルのスカイラインに、でかいエンヂン積んでもイケル!、と自信を持っていたのでしょうね~。
確か日本GPでは下のクラスにでたノーマルのS50は上位独占した位だから、それだけのポテンシャルはあったのでしょうが。
普通の技術者だったらコレではバランスが・・・と躊躇するところなのでしょうが。

「将来必ず生産車に生かせますよ」と言った櫻井氏の脳裏には、当時どういったイメージもっていたのでしょうねぇ。
60年代当時の有名な「羊の皮を被った・・・」的な高性能セダンといえば、フォード・ロータス・コーティナやアルファのジュリアTI(渾名は弁当箱)辺りか、あと車格は違うけどジャグアのマーク2辺りのイメージなのでしょうか?。

中川氏の「200ミリ」の執着、櫻井氏に大いに共感して、思わず技術者魂丸出しになったのかもしれませんねぇ(´ー`)。
コメントへの返答
2007年3月24日 7:11
当時を振り返って「よほどの事をしないと勝てない。手っ取り早いハナシが大排気量のエンヂンを・・」という感じだったそうです。
確かに1500CCのクラスではS50は、走らない!?と言っても結果としてはダントツで早かったですから、足回りやシャーシのポテンシャルはかなりの物があったに違いありません!!

「将来かならず・・・」は、確かに、海外の文献や雑誌を穴が空くほど読んでいた櫻井氏にとっては至極当然の発想だったと思いますね。
それがどんなクルマだったかは、残念ながら知る由もありませんが、欧州やまだ輝いていた米車の名だたるクルマたちが思い浮かびますよね。

中川氏ですが、僕は最初に氏の名前を知ったのはやはり戦闘機のエンヂン開発者からなんですね。

まぁ、意欲的な設計でトラブルが多かったりして彼の設計したエンヂンに付いては評価が大きく分かれていますが、エンヂニアとしての発想の大胆さや前向きな姿勢は大いに共感を得る部分なんですね。。

「技術者魂」ウンウン。。。僕もそれを感じられずには居られませんね。

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