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2021年09月21日

想色 ボディカラーの名前に思いを込めて

想色 ボディカラーの名前に思いを込めて  エクステリアや性能に眼が行きがちなクルマなんだが、どっこい、メーカーや作り手の思いは、そんな目立つところばかりにあるモノではない。

 僕が気になっているのは、実はボディカラーだ。

 ボディカラーと言っても、その「色」に名付けられた名前のひとつひとつに実は開発者の託した「夢」が宿っている・・・そう僕は思っているのだ。

 その代表として、僕のクルマの思想の原点「ブルーバード510」をベースに、幾つかのクルマのボディカラーネームをたどってみたい。

 1967年8月、世紀の名車と「後(のち)」に言われるようになった、ブルーバード510は誕生した。

 初前期、つまり一番最初の 510 のカタログを広げて、ボディーカラーを眺めると、面白い事に気付く。

 DATSUN210 から、本格的に北米を始め世界へ日産は輸出を始めたのだが、ピニンファリナのデザインを採用した410でも、まだまだ世界の技術、商品力のハードルは高かった。

 そんな中、日産はおろか「日本車」の知名度など無かった欧州で、日本車の安全性と高性能をアッピールする為に、スキージャンプ台から ブルーバード 410 をジャンプさせる荒行まで行った。


ただの興味本位のイヴェントではなく、「DATSUNと安全性」というまさにクルマの安全性と性能をアッピールするイヴェントだった。

未知の国へ荒業で乗り込む!空を飛んだ戦士 410 ブルーバード
http://u14sss22ltd.fc2web.com/combat/410/cmb410fin.html


 そんな時、510 の設計主幹に決まっていた「太田昇」に、北米日産の「片山豊」から手紙と写真が送られてきた。

 「太田さん、今のままじゃDATSUNは海外じゃ売れないよ、性能は随分向上したんだがね、写真を見てよ」

 そこには、ドライヴァーズシートに座った片山が両手を広げた写真だったのだが、その両手はドライヴァーズサイドのウィンドゥの外から、パッセンジャサイドのウィンドゥの外まで届いていた!!

「北米はじめ海外の体格に対して狭すぎる」というアッピールだった。

 そこから、510 の開発ポイントのひとつとして、

日本人の100パーセンタイル、北米人の80パーセンタイルの乗員が乗れるパッケージングが決まった。

 510 はある意味で初めて、本格的に海外で売れるクルマを目指したクルマだったのかもしれない。

 実は、そんな国際化の思いと憧れが、ブルバード510 のボディカラーネームには表されていた。

アラスカの白銀の目もくらむような白い世界を表す、明るい白味の強い「アラスカンホワイト」。


懐かしい追浜工場のライン。1970年からの中後期の510達。手前から「アイスランドグレーメタリック」、「アラスカンホワイト」、「スパニシュレッド」。

ハワイのただ青いだけではない、少し緑がかった海をイメージした「ハワイアンブルー」。

ロンドンの霧のかかった、白ではなくグレーの幻想的な世界観をイメージした「ロンドンミストグレー」。

そして、ラリーの日産の名声を高めたサファリの土色をイメージした「サファリブラウン」と、510が活躍するグローバルな世界観をボディーカラーに託したのだった。


それまでブラウン系は売れないと言われていたが、DATSUNが活躍するサファリになぞらえた名づけられた「サファリブラウン」は作った本人も驚くくらい売れまくった!!

 その頃の日産は、他の車種でも同じように、ボディカラーと、そのクルマのキャラクターに合わせたボディカラーネームが多く、例えば S30Z のボディカラーネームには、


S30Zのカラーネームも、作り手のZへの思いが伝わって来る。

初期型の標準色として、サファリゴールド、シルバーグレー、サンシャインイエロー、モンテカルロレッドが用意され、OPとして、レーシンググリーン、ニューサイトオレンジ、キリマンジャロホワイトが用意されていた。

 意外に思われるかもしれないが、ホワイトは初期型ではOPだったのだ。

 そして240Z-Gの登場で、専売色として「グランプリマルーン」が登場した訳だ。(240Z-G 以外は OP 設定)


240Z-G 専売色だった「グランプリマルーン」。

 ボディカラーネームへの思いは、日産車以外にもたくさんあって、思いが募って複雑怪奇な名前が増えてしまったアンチテーゼとして、Will サイファ のボディーカラーネームには、


一見すると英語みたいななんだが、実は単純明快「ローマ字」だったのだ。

「AKA」、「KI」、「MIDORI」と見た目まんまのカラーネームが奢られていた。

 逆に想いが深すぎた例としては、現行のセンチュリーがそうだろう、


いかにもセンチュリーたる神々しいい名前が付けられている・・銀朱(ぎんしゅ)とか紫土(しど)なんて色も追加して欲しい(笑)

摩周やら飛鳥とか神々しい名前が付けられている、僕的にはさらに、槿色(むくげいろ)とか、源氏鼠(げんじねず)なんて言う日本古来色もぜひ・・・と思うのだがどうだろうか。(笑)

 駆け足で見て来たが、どうも色味は気にするが、そこに名付けらえた名前への思いまでは、なかなか伝わらない伝わっていないのが現実なんだが、できれば、今度はカタログのボディカラーの名前を観ながら、そこから、作り手の想いを読み取るのも面白いと思うのだが如何だろうか。

 クルマの世界は面白い、そんな一端を表すのが、ボディカラーの名前であることを知って欲しいと思う次第なのだ。



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Posted at 2021/09/21 01:38:07

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この記事へのコメント

2021年9月21日 17:26
こんにちは!
リンク先に訪問しました。 徳小寺さんのブル愛がひしひしと感じられました!  アウディと違って、坂を下りてジャンプとは命知らずだ!

 さて、自動車の色ですが私は原色が好きです! 三原色の赤・青・黄色をクリアしました。  
昔は、かっこいいツートンカラーが有りましたが、近年は減っていますよね・・・コストの問題かな?  日産も下、三分の一くらいを濃い色で塗っていましたね。ブルも!!
 最近は、トヨタさんがルーフまわりを黒く塗っているぐらいしか記憶に有りません。 新しいZもルーフは色違いのようです。
 一度見たら、忘れなくなるような色・車が出てきますように!!
コメントへの返答
2021年9月22日 1:35
本家へも足を運んで頂いて感謝の極みです。
html のタグも 4~5 個しか知らず、すべて手打ちで入力して作っていたのでちょっと画面を拡大縮小するだけで全体がバラバラになる酷い出来栄えなのですが、内容には自信があります。(笑)
ホント、昭和30年代から40年代初頭の日本人はバイタリティというか、やってやるぞという気迫が凄いと思いますね。
ツゥトンカラーは、昭和30年代の国産車に当たり前のように設定があり、それが昭和40年代には、より大量生産という観点から衰退し、1980年代に日産が「トーオントーン」というネーミングで復活して、他車にもあっと言う間に広がってバブルが弾けるとまた衰退して・・と歴史を繰り返していますね。
やはり数が出ないという事で、現代では数の出る、軽自動車やミニヴァンに塗分け塗装が残っていますよね。
ルーフトップの塗分けは、現代でも日産の軽やセレナ、本田のN-ONE などにも設定があります。
ツゥートンもそうですが、おっしゃられる通り、印象に残るカラーがもっと出て欲しいですね。
その点ではマツダが頑張ってますね。
ホワイト、シルバーなど等ばかりじゃつまんないですよ。

プロフィール

「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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