
現在は日産の底辺をまかなうモデルとしては、スズキのOEMである「MOCO」がまかなっているが、実際にはやはりマーチが日産のエントリーカーである事は疑う余地は無い・・と思う。
初代マーチは、ウエッジに効いたフルプレスドアを採用した、日産の意欲作であった。。
実はそのエクステリアは「ジウジアーロ」の作品がベースになっている事は意外に知られていない事実である。。
また、サニー以来の「車名」公募を大々的におこない、それがこのクラスへの興味を惹かせる原動力ともなり、マーチは好評を持って迎え入れられた。
正直当時は、この様なエントリーカーは少なく、バブルに向かって所得が増えた事もあり、セカンドカーとしての需要が大きく伸びており、さらにその波に乗って台数を増していった。
バブルが急進する中、ますますパーソナル性が求められるようになり、その需要へのひとつの回答として、ターボモデルを追加した。
エクステリアやインテリアのデザインモチーフは、当時のプレスリリースの中で、「ガンダムをイメージして造詣した・・」とのコメントが指し示す様に、それまでのマーチのイメージを払拭する積み木細工的後付感と、メカ感を具現していた。
果たせるかな数こそは出なかったが、スポーティモデルの追加で、さらに台数が増え、またスモールスポーツのカテゴリーが刺激される事によって、他社からも次々に同様なモデルが出て、この頃のスモールカーの市場は活況を呈していた。
しかしながら、この様な路線は、本来のスモールカーの路線とは異なっており、バブルが弾けると共に、この様な趣味性の高いモデルは一気に衰退を余儀なくされ、さらに、スモールカーも本質を問われる事となり、多くのモデルが消えていった・・
その反省から生まれたのがK11マーチである。
多くの虚構を捨て、スモールカー本来の姿を追求して生まれたのがK11マーチであった。
これからのモデルに付いては、時代も新しいので皆さんも重々承知だと思うので割愛するが・・
ここで面白数値を上げて見たいと思う。
K10 全長3735 全幅1560 全高1395
K11 全長3720 全幅1585 全高1425
K12 全長3695 全幅1660 全高1525
お気づきだろうか?
幅・高さはどんどん大きくなっているのに、意外にも全長は短くなっている事を・・・
これは、室内の広さを確保する為に他ならないのである。
初代は、正直に言って外観のデザインが重視されていたので、室内スペース比、外寸が大きくなってしまったのだ。
K11は、その反省からホンダで言うMM思想に基づいて、当時の技術でエンジン等をコンパクトにまとめ全長が短くなったのだ。
そしてさらにK12現行モデルでは、給排気の取り回しを一段と工夫、合わせてエンジン周りの補機のコンパクト化、モジュール化を行い、さらにメカ部分のコンパクト化に成功した結果の数字が全長に現れていると思うのだ。
一方、幅と高さは、室内の広大化に大きく関与している。。
これはアップライトな座り方をさせて高さ方向から広さを求め、さらに幅方向にも絶対的な広さの為に拡大して行ったのである。
勿論、前後に比べてクラッシャブル・ゾーンが大きく取れない・・という物理的要求からも、幅は広くなってしまったのだ。
マーチの歴代モデルを見ていると、日本車の技術の流れと、思想の流れを垣間見る事ができるのだ。。。
たまには新旧のカタログをつき合わせて、数字やエクステリア、インテリアのディメンジョンを見比べて見るのも面白いモノである。。
Posted at 2005/04/25 15:45:35 | |
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