
ルノーのカングーが9月1日に発表され、よいよ先週末から売り出された。
実は新型とは言え、2007年にすでにフランクフルトショウで発表され、欧州では売り出されていて、エクステリアなどは旧知の感が拭えないが、改めて新型を眺めてみると、旧型は、一切の飾り立てを廃して、機能美に溢れていたが、新型は、
「もっとお洒落に」
「もっと質感を」
「もっと広く」
など、まるでちょっと前の日本の選挙で、掲げられていたマニフェストの如く、あれもこれもと欲張った結果こうなりましたの感が無きしもあらずなのだ。
まぁ何たって、世界中で250万台を売上げ、日本でも発売以来10,000台近く売れて、ルノージャポンで売っているクルマの中で一番売れている・・・・というのだから、気合が入るし、もっと売ってやろうと色気が出るのも致し方あるまい。
またか!と言われそうだが、僕は5ナンバーサイズというのが甚く気に入っているのだが、旧型ではちゃんと幅も1700mmに入る1675ミリだったのが、新型ではカタログを眺めてみると
1830 と一気に幅広になり、全長も 4035 から
4215 とこれでもか!!というくらい肥大化してしまった事が気に掛かる点だ。
全長はそうでもないが、考えてみると全幅はエルグランドの 1815 より幅広なのだ!!
確かに、ガンガン使ってやるぞ!という気にさせるツゥール感たっぷりの、鉄板むき出しのインテリアや、室内の至る所に散りばめられた収納用の棚やポケットなどスペースユティリティの高さは相変らずなのだが、どうも大きく立派になったエクステリアやインテリアに、これまでのカングーにあった「清さ」を感じられないのは僕だけなのだろうか?
確かに進化している。
使いにくかったマニュアルのシフトレヴァーも、グッと手元に近くなったし、今更Bプラじゃあるまいしのリヤのドラムブレーキもディスクブレーキになり、100km/h での制動距離も11m内外短くなって、エアバッグだって張巡らされている。
でもエクステリを見ると、旧型の色気は無いが無駄の無いラインや面の構成が、他所とは違った形にしてやろう、美しくしてやろうと気合を入れすぎた結果、部分部分で見れば、こりゃ凄いという造詣なんだが、全体で見ると、バラバラで、初めて化粧をした中学生の女の子みたいに、なんだか使い方は間違ってないが、ファンデやシャドーの入れかたが過激でメリハリというより「厚化粧」になった感がしてならないのだ。
特にAピラーは、フロントグラスの傾斜との画一感に欠如しているし、フロント、リヤのサイドグラスなんて一段下げて、さらにその周りにキューブ宜しくプレスラインによる「縁取り」を入れたんだろうか?
確かに、そこをフラットにすると、どこにでもある様なハイトワゴンの横の風景になるのだが、他のパネルとの整合性が、取れておらず、取ってつけたような雰囲気が漂ってならない。
これらを、まとまな美的感覚?で仕上げると、以前ご紹介した中国の
丸線 Y12よりこっちの方がねぇ。。。
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/12758288/
奇瑞汽車の 「瑞麒2」みたいになるのだが、
(まぁ、内装等をみれば分るように「瑞麒2」はカングーの複写なんだが・・・・閑話休題)
それにしても、特にAピラーのフロントグラスとの傾斜の関係、ドア開口部のパーテーションラインとの関係がバラバラで、違和感を覚えて長く見ていられないのだ・・・・
確かに広いし、幅が広くなっても回転半径は小さくなって取り回しは変っていないと言うけど、旧型の何も考えずに、素直にデザイナーが線を引いたり、面を盛ったり削ったりと言ったシンプルさが無くなったのは寂しい限りだ。
進化とは時に、裏腹な結果を招く事が往々にしてあるが、新型カングーがどの様に受け入れられるか、またこれまでの様に売れ続けるのか非常に興味があるのだ。
「醜い家鴨の子」と思わせていながら、実は・・・・
そうなる事を願いながら
Posted at 2009/09/14 02:29:56 | |
トラックバック(0) | クルマ