スズキ歴史館 の一階で、現代のスズキのクルマと二輪車を眺めた後、受付横の階段を昇り、二階へと足を運んだ。
二階のゾーンは、新しいクルマが、どう企画され、デザイン化、試作、そして製造されるかを主体にディスプレーされている。
他にも、浜松の地域性を紹介したコーナーもあり、最新のクルマ造りについて、詳細に、また新しい手法等に付いても事細かく展示されている。
更にだ、ここでは写真の撮影が自由だと言う点と、展示品を本当に間近で見れると言うのだから、「本当のクルマ好き」にとって、実に興味深いゾーンになっている。
それでは、二階のツゥアーを始めよう。
まずは、どんなクルマを造ろうか、売ろうかと言う企画から始まり、そこで決まったコンセプトに基づいてイメージスケッチが造られ、そこから、正式なデザインが決まり
御多分にもれず、デザインの世界もCPを駆使している訳だ。実際は違うのだが、スズキ歴史館 では、フォトショップを使って、大まかなデザインの進行の様子を疑似体験できる。それもこんなに近くで!
ちょっと大まかな流れの説明になるのだが、最終候補の何点かのデザイン画をデータ化し、それがクレイ(粘土)によって立体化される。
ここで二輪車までも製造しているスズキならではの展示が
エンヂン剥き出しの二輪車の場合、放熱という絶対的な要素に加えて見栄えという事も重視される。
この二輪車のエンヂンのクレイモデルだ。
冷却という絶対条件に加えて、如何にエンヂンをメカニカルに、機能美ある姿に見せるかという事で、エンヂンの外観までクレイを造り、検討しているのだ。こうした実物などの展示はリアルで、正直、頭では分かっているが実態は・・・・という不確実な知識が、確実な知識として理解し易すくなるものである。
面白かったのは、デザインを決める段階の手法で、どのメーカーも、何分かの1の小型のクレイモデルを造ってまでは同じだが、その進め方の、メーカーによる違いを、ここで改めて見る事ができた。それが、
数案あるデザインから、市販化されるデザインを決める為に小型のモデル(模型)を造る。ミソは半分だけ造って鏡の前に置くと・・・ほら!一台分の出来上がり!
クレイの縮尺モデルを、半分だけ造って、鏡の前に於いて検討する手法だ。
これは各社色々な考え方があって、どの段階で鏡を使った手法を駆使するか変わっていて、例えばマツダなどは、1/1のクレイ(粘土)段階で、デザイン比較をする際に使われてる。
合成 ちょっとしたアイディアで。。。。
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/12827752/
大きな流れは同じだが、各社各様、小さな部分で違いがある事が分って非常に面白かった所だ。
数分の一や1/1のクレイモデルが出来ると、よいよ、そこから、内装や細かい部分の試作に到り、試作車を造り、色々なテスト、試験を経て量産・・・という過程が、分かり易く、かつ細かく見る事が出来た。
そうそう、ここで、スズキ痩身の作「キザシ」の試作車があったのだが、
国内仕様にラインナップされていない「赤」のキザシ。非常にスポーティに写る。
国内仕様に用意されていない「レッド」のボディカラーが非常に目を惹いた。明度が高く、塊感の高いキザシで見ると、非常にスポーティかつ若々しく見える。こりゃ、ぜひとも、どうせ(失礼!)受注生産なんでラインナップして欲しいと感じた次第だ。
ここからは、3Dシアターでのクルマの製造工程の紹介や、部品などの製造方法、具体的には「鋳造」や「鍛造」などの説明があり、なんと、スイフトの組立ラインを再現したゾーンまでもが存在していた!!
ホワイトボディに、どうやってインパネを組み付けるか、タイアを付けるかなどが再現されている。
ホワイトボディに、作業者を表すダミードール、インパネやタイアなど実物が用意され、疑似ライン横のスイッチを押すと、あたかも実際の作業がされるが如く、一連の組立動作が再現されるのだ。
ここで使われるタイアやシートは、本物を使っているのだが、なかでもシートの組み付けラインの再現には、
一緒に廻っていた一行から、「レカロだレカロだ」という声が・・・・
贅沢にもレカロが使われていて、メーカー向けレカロとはいえ、本物のレカロに「欲しい~」という声が出ていた。。。
クルマの展示や、昔のクルマ造りの様子を展示した所は多いが、ほぼ最新のクルマ造りの流れがこれほど細かく、具体的に展示されている所は余り無く、流石メーカー系博物館だと実感した次第だ。
ここでは、もうひとつ隠しモードがあって・・・・
樹脂成型の展示では、工程が見えると共に、最後に「おひとり様一台」でカタン!とプルバック「スイフト」が出て来るのだ。
こうしたエンターテイメント性も確保しながら、実にクルマ造りの紹介がされており、充実度の高い二階であった
Posted at 2011/04/12 05:16:38 | |
トラックバック(0) |
クルマ | クルマ