
以前はデザイン性や、まぁ良くある、幅寄せ時に擦れることを想定した補強を主にしたデザインが、タイアの側面のデザインを決めていた事をブログしたが、最近は、エコと言う事で、タイアの側面のデザインまでもが影響を受けている。
最近のエコ・タイアで、そうした一面を強調して現れたのが、ヨコハマの 「BluEarth-A」 で、ささやかながらサイドに、俗にいうディンプル加工を施して空気の流れを良くして、空気抵抗を減らそうというモノであった。
数は少ないが、これでも空気抵抗を減らすことが出来る。ただ、その効果は限定的だろう。
そうした、タイアの側面が空気の流れまでも制御しようという動きの中、さらに機能的に、どうしてもサイドウォールの空気を制御するデザインが必要不可欠だというタイアが表れて来ている。
そう
「ランフラット・タイア」 がそうなのだ。
ランフラット・タイア はパンクしてもある程度の距離を走行できるとタイアである事は、皆さんご存じだろうが、基本的な構造は、タイアの空気が抜けても、サイドウォールを車重で潰れない様に補強しようというモンなんだが、サイドウォールを全面固めてしまっては、タイアに求められる必要最小限の 「たわみ」 が不足してしまって、乗り心地は固くなるし、レスポンスは上がるかもしれないが、限界は逆に低めになってしまう問題が出てくるのだ。
そこで、まずは、タイアがホイールから外れない様に、ホイールとの接合部「ビート」の形状と強度を上げ、必要最小限の、サイドウォールの一分部分のみを強化したのが現代の ランフラット・タイア であると言えよう。
そうした部分的な補強などで、必要な部分の強度は増しているが、サイドウォールの強化をしていない部分の、空気が抜けた状態での 「たわみ」 や 「変形」 が、大きくなってしまっているという問題がクローズアップされている。
たわみ(変形)が大きくなると、タイアの変形するという運動量の増大で熱が発生する。
この発熱も放っておくと、タイア内部の分子運動が激しくなり、強度を落とし最後にはバーストしてしまうのだ。
そこで、従来は発熱に強いゴムを使ったりして、発熱による破損を防止していたが、最近は、その発熱をアクティブに放熱して、強度低下を防止しようというタイアが出てくるようになった。
代表格として、ブリヂストンやダンロップの取り組みが上げられると思う。
ダンロップは、ヨコハマの様に表面に明確なディンプルを施し、それによって発生する乱流を利用して表面の熱を奪い取ってしまおうというモノだ。
一方のブリヂストンは、COOLING FIN と呼ぶ規則性のある凹凸をサイドウォールに設けることによって表面から発熱を奪おうというデザインを採用するようになった。
ダンロップのディンプルによる効果は明記されていないが、ブリヂストンの場合は 10℃ の温度の低下が認められたという。
かつては、ファション性の一部としか見られていなかった、サイドウォールのデザインも、最近ではタイアの性能の一部として、重要となってきているという事を皆さんにも知ってもらいたいと思うのだ。
これからは、パターンのデザインも然る事ながら、サイドウォールのデザインも、タイア選びの重要なキーワードになるかもしれない・・・・と僕は思っているのだ。
Posted at 2013/07/20 13:17:44 | |
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