
さてさて、まさか当選するとは思わなかった
日産創立80周年グランドフィナーレ の会場内に入ると、そこには、まさに僕のツボにハマったクルマ達が迎えてくれた。
初代チェリーE10型のセダンX-1に、S30Z432、KGC10ハコスカ2000GT-Xに、1968年11月に追加された KP510 1600SSSクウペ 達だ。
ボディカラーに、当時サファリラリーで強かった日産のシンボルカラーとして登場した「サファリブラウン」のボディーカラーが多かったのは狙っての事か!?(正直、手持ちのクルマがこれしか・・は言わない様にしよう)
更に言えば、SUツゥインキャブ搭載車が殆どと言うのも、当時の日産車のスポーツモデルの定番なので実にコンセプトが統一されていると言っておこう。
フォーヴァルヴ、スリーキャブ、ダブルオーヴァーヘッドキャムシャフトから名付けられたZ432。初期S30Zのトップモデルとして君臨したが・・・・
チェリーX-1は、名機A12にSUツゥインキャブがドッキングされ700Kgに満たない軽量ボディを、グイグイと引っ張ったが・・・極端にオフセットされたABCペダルに、強烈なタックインを起こす操縦性に、恐れを抱くドライヴァーが多かった・・・しかし、その加速感と軽快感は何物にも替え難い媚薬であった。
レースシーンでは、ファストバックのX1-Rを星野一義がドライヴィして、どえらい速さを見せ付けていた。
隣のS30Z432は、新世代の高性能スポーツクウペの回答として日産が用意したS30Zのトップグレードとしてデヴューした国内専用のモデルだ。
ハイパースポーツモデルというより、ハイパワーグランツゥリスモという高級スポーツカーとしてS30Zのトップに君臨
なんたって先代のSR311が、軽量ハイパワーにモノを言わせ、カタログ値でオーヴァー200Km/hを誇っていたのだ。いくらグランドツアラーとしてデヴューしたS30Zとは言え、L20ツゥインキャブでは性能不足、インパクトが不足だと日産は判断したのだろう。
プリンスのエンヂンとは言え、ハイパワーを誇る「S20」をS30Zのトップグレードとして頂点に据えたのだった。
日産のシャーシにプリンスの強心臓。普通には速いがレースでは・・・
もちろんレースシーンにも積極的に打って出る戦略も練られており、スポーツ走行専用の「Z432R」をカタログに載せていたのだが・・・・
確かにレースシーンでは、強烈な速さを見せ付けていた。当時、絶頂にあったKPGC10 ハコスカGT-Rをコーナーで追い回して、空力の良さでストレイトでも異次元の速さを見せ付けていた。
しかし、レースは速さだけでは語れない。
日産のシャーシに、プリンスの心臓と言う事だろうか、ハコスカGT-Rでも問題になっていた振動が、このZ432Rでは、さらに顕著となって、レースが進むにしたがってエンヂンの振動でミッションが次々に壊れるという問題が散発した。
恐ろしい速さを見せ付けるZ432Rだが耐久性が・・・
PS30SBとよばれるそのZは、軽量化の為にボンネットはFRP、フロントグラス以外はアクリル、ヒーターレス等々によって標準車に比べ100Kgの軽量化が図られレースシーンでの活躍を期待されたが、思わぬ問題でレースでの活躍の期間は短ったのだった。
そんな歴史を思い起こしながら、Z432の流麗なボディをそっと撫でたのであった。
Posted at 2014/12/25 06:36:08 | |
トラックバック(0) |
クルマ | クルマ