
ホンダ N360 の登場で、にわかに白熱化して行った軽自動車の馬力戦争。
それまで、クルマを道具として考えていた日本人も所得が増し、豊かになって行くにつれて軽自動車にも プラスαを求めるようになり、まさに、そのタイミングに呼応して登場したのが N360 だったのだ。
しかし、このまま市場を N360 の席巻させてなるものかと、ライヴァルメーカーもエンヂンの高性能化に邁進した。
いち早く対応したのが、富士重工とスズキで、富士重工は名車スバル360に加飾を与えて、これでもかというエンヂンチューンを施したが、如何せん設計年月が古く勝負にはならなかった。
一方の軽自動車の雄である スズキは、FWD駆動方式を捨て、RR方式 の LC10型 と呼ばれる フロンテ を発売していたが、更なる高性能版 三連キャブを搭載して 36馬力を絞り出す フロンテSS を追加して、軽自動車初の ゼロヨン20秒を切る 19.95秒 を誇った。
SS登場までのフロンテも、ハイパワー2ストローク3気筒をウリにしていたが・・・市場のもっと馬力をの声に押されて・・・・
実はスズキの野望は、フロンテSSでは終わっていなく、その頃、ジョルジェット・ジュジャーロに基本的なデザインの委託をして、そのデザインをベースにスズキ社内で熟成させ、エンヂンも、さらにチューンナップした美しいクウペモデルの開発が進んでいた。
その間にもライヴァルからは、これでもか!これでもか!という痩身のハイパーモデルが相次いで登場し、ついには360CCのエンヂンから40馬力を絞り出し、軽自動車歴史最強のエンヂンと呼ばれた ZM5型 を搭載した ダイハツ・フェロー MAX - SS が登場するに至った。
フロント:ストラット、リヤ:セミトレ の足回りに40PSエンヂンを搭載。さらにH/Tモデルも追加。
フェローMAX SS は、フロント:マクスファーソン・ストラット、リヤ:セミトレーリングアーム の四輪独立懸架が奢られ、エンヂンはついに40PSを誇るまでに至った。
その他にも、三菱 ミニカ・スキッパー も 38馬力エンヂンに、スタイリッシュなエクステリアで登場して、
ライヴァルの「SS」や「SSS」に対抗して三菱は「GT」で勝負に出た!?
相乗 三菱の軽自動車が・・・・
→ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/31003344/
GT を名乗って市場に打って出ていた。
それらライヴァル・メーカーの手の内を読み込んで、さらに上を行く秘密兵器として、スズキは1971年、満を持して LC10W型 「フロンテ・クウペ」 を市場に送り込むことになったのだった。
Posted at 2015/03/24 01:02:08 | |
トラックバック(0) |
クルマ | クルマ