
流麗で軽自動車とは思えないスタイリングで登場した 「フロンテ・クウペ」。
宣伝も 「ふたりだけのクーペ」 なんて軟派だったので、単純なスペシャリティカーと思われがちなんだが、いやいや、実はそれは表向きの事だけで、実は、そのオプショナルパーツを眺めて見ると、ここまで用意するのか!?と思われる一品まで存在した。
これが実際の 「オプショナル・カタログ」 の一部なんだが、
ロールバーにバケットシート・・・こりゃ本気だねぇと、スズキの本気度が伝わるフロンテクウペのオプショナルカタログの一部。
良く見ると、本気のバケットシートに、ロールゲージまで用意されていたのだ。
もちろん、ハッタリでは無い警察車両でお馴染みのボンネットに装着する 「クリーンアップスクリーン」 や、僕の世代なら 「キックルーバー」 と言った方が通りの良い 「リヤウインドバイザー」 も用意されていて、硬軟両方のアイテムが散りばめられていた。
それらを装着した姿が TOP 画像と相成る訳だ。
スズキの本気の、パーソナルカーとして、ツゥーシータとして生を受けた 「フロンテ・クウペ」だったが、市場のどうしてもリヤシートをという声に押されて、無理やり、それも子供が座れるかどうかのスペースしか確保できなかったリヤシートを装着した 「2+2」 が半年後に登場して、
いつの間にか 2+2 (四人乗り) がメインになって、ツゥーシータは・・・
フロンテクウペが発売されて、一年が過ぎた段階で、ひっそりと 「ツゥーシータ」 は消えてしまった。
さらに、軽自動車の規格が変更になる事から、1976年に五年の生涯を閉じた。
しかしながら、その完成されたエクステリアは、新規格に合わせて翌年に「セルボ」として再登場した事は記憶に新しい事である。
「セルボ」になって女性の為のお洒落なタウンコミューターとして再び生を受けたが。。。
ホンダのN360に始まった、軽自動車のパワーウォーズの申し子なのか、それとも鈴木が、迫りくるパーソナルユーズを見越した時代を先取りし過ぎたクルマだったのか評価が分かれるところだが、ある意味で、現代の アルト ターボRS の再登場や、ブランニュウなるロードスターが活況な事を省みると、まさに「フロンテクウペ」も時代の申し子だったのかもしれないと思う次第なのだ。
Posted at 2015/03/29 09:38:24 | |
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