
S30系 Z の変遷の中でも一番大きなマイナーチェンジが 1973年10月に行われた。
それまでの、「初期型」、「前期型」から中身も外装も大きく変わり、中身も忍び寄る公害対策で、「48年排ガス規制」に対応するために、アイドルリミッタや点火時期の精密化などなどでエンヂンも変わりつつあった。
中身の変化も大きかったが、外観の変化も大きかった。
まずは、外観上の最大の変化である リヤ 周りを見て見よう。左が「前期」まで、右が「中期」以降になる。
人気の高い初期・前期型の「ワンテール」。中期以降はバックランプが独立して「ツゥーテール」に意匠変更された。
それまで、「ストップ」、「ターン」、「リヴァース」ランプがひとまとまりになっていたが、中期からは「リヴァース」ランプが独立し、われわれの世代では、前期までを「ワンテール」、中期からのリヤランプを「ツゥテイル」と呼んでいる形に変容した。
これ以外にもフロント周りのウィンカーなどなどの形状が微妙に変わっているが、やはりリヤ周りの変化が一番大きいだろう。
ハッチバック周りで大きく「ふたつ」の変更が行われた。
まずひとつ目が、
「熱線」の方向だ。
前期までは「熱線」が「縦」にリヤスクリーンに走っていた。
前期型までは、「熱線」が「縦」に走っていたが「中期」からは、
「中期」以降は「熱線」が「横」に設えられた。
「横」に変更された。
さらにハッチバック周りで言えば、もうひとつ。意外にこれも気づかない人が多いのだが、「前期」までは、リヤの
「ガスダンパー」が、
前期型 までは、リヤハッチを支える「ガスダンパー」が左側一本だった。
左側一本だったが、中期からは、
中期型以降は、両側2本のガスダンパーでリヤハッチを支える様に変更。
ダンパー一本によるアンバランスが起き、ハッチを支えるリンクの 偏摩耗 によって、ハッチそのもののズレや、それに伴う異音の発生の防止に、ダンパーが2本に変更された。
ちなみに、僕の記憶が正しければ、国産車で「ガスダンパー」を用いたリヤハッチは S30系が最初だった・・・と思う。なんたって、あの TOYOTA2000GT のリヤハッチだって、
エッと思われるかもしれないが、あの2000GTだって、リヤハッチを開けるとダンパーが無いから「つっかえ棒」が居るのだ!!
ダンパーを使っていなかったので、リヤハッチを開けると、三本さんが嫌いな「つっかえ棒」が必要だったのだ。
「何とかなりませんかねぇ」の名セリフが蘇る(笑)
そして、S30系 Z の最大のトピックは、高性能を誇った Z432 と 240Z が、厳しくなる公害対策と、オイルショックによるガソリン価格の高騰に伴って販売が中止された。
ここから、スポーツカー Z の暗黒の時代が始まるのであった。
この年から始まった オイルショック によって「省エネ」が叫ばれた。ガソリンスタンドも「日曜日」は休みになった。
フェアレディ フェアレディZ Z S30 S30Z
Posted at 2020/11/01 07:04:36 | |
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