
七夕生まれの君へ
御誕生日おめでとう。今年で 21歳 を迎える事が出来ました。
直前まで、検査入院が重なって慌ただしい 七夕 となりましたが、検査結果に大きな問題は無く家族で笑顔で家に帰る事が出来ました。
二十歳まで生きる事ができません と言われて 14年 が過ぎて、色々な事がありました。
中学は普通の学級に行ってましたが、身体が不自由という事で、授業を受けさせてもらえない先生が居たり、逆に、学校内の移動にクルマ椅子でも階段が昇り降りができるように、校長先生が機械を探してくれて、クルマ椅子のまま階段を移動できるリフターを用意してくれたり。
振り返ってみると、悔しい事の事が多かった様な気がしますが、次は良い事があるからと言って常に前向きだった君は本当はどうだったのか、学校に行っても、街に出ても、電車に乗ってもスムーズに行くことが少なくて大変だったと思います。
君が肢体不自由になって、クルマ椅子での生活にならなければ、分からなかった事がたくさんあります。
交差点で、たった1cmの段差がクルマ椅子には大変な事、色々な自動販売機もクルマ椅子に乗って、腕が上がらない障害者にとってはお金も入れる事が出来ない事。
街中のレストランや飲食店は、最近はスロープが用意されるようになりましたが、肢体不自由者にはスロープは上がれても、ドアが開けられない事。
電車に乗る為に駅に行っても、降りる駅の対応ができな行ければ、対応ができるまで電車を何本も見送って待たないといけない事。
昔に比べたら、ずいぶんと クルマ椅子 でも町に出られるようになったというハナシをよく聞きますが、まだまだ、なんの前準備無しに街に出る事の難しさを実感します。
ただ、そんな街中の色々な現実を、君と家族で共有して、良い事も悪い事も、あぁ今日はこんなことがあったね、あんなこともあったねと話すことも大事なコミニケションとして毎日、話し合う事も実は、腹も立つことも多いですが、実は楽しかったりします。
14年前に宣告されたタイムリミットを過ぎて、今日からは一日一日が「足算」の日々になります。
二十歳までは、あと何年、後何日と「引き算」の日々でしたが、今度は「前向き」な日々になります。
医療の発達や、薬、と言っても対処療法ですが、それでも、命のタイムリミットが伸びた事は、お父さんやお母さんにとって有難い、君と話したり、接する時間が日、一日と伸びる事の大切さを実感しています。
高校の時に、知った「ボッチャ」も多くの人と交わって、チームまで造って、毎月練習していますね。大会にも参加して、君の楽しみ、生きがいのひとつになっている事もうれしいモノです。
生きている時間は「足算」ですが、自力で呼吸したり、話ができたりする時間は、あとどのくらい、僕たち家族に与えられているのでしょうか。
だから貴重な「足算」の時間の中で、できるだけ多くの時間を君と過ごしてゆきたいです。
小さなころ、「お空の上から、お父さんとお母さんを見ていて、ここに行ったら楽しいだろうなって思って、僕は生まれて来たんだよ」と言った君。
楽しく毎日を過ごせてますか。
お父さん、お母さんは、いい父親、母親でしょうか。
21歳になってくれた君。
もっともっと、同じ時間を過ごしたいです。
生まれて来てくれて、お父さん、お母さんを選んでくれて本当にありがとう。
また一年、家族みんなで楽しい時間を過ごせたらいいね。
七夕生まれの君へ。父より。
Posted at 2024/07/08 18:45:22 | |
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