
もはや付いて当たり前になりつつある「ナヴィゲーション」。
そのご先祖様のハナシを以前したが、
元祖 今のナビゲーションの元祖はホンダ!?
https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/7287205/
まだまだ衛星を利用しようなんて夢にも思わなかった時代、前出のホンダの「エレクトロ・ジャイロゲーター」は、ジャイロを使ってクルマの進む向きや移動量を感知して地図上に示すというものだったが、当時、もうひとつの方法として注目されていたのが「地磁気」だ。
(もう、これ以外だったら、星を見ながらの六文儀しかないだろう・・・閑話休題)
それを利用した、ナヴィゲーションのご先祖様が
R30スカイライン にオプション設定された「ドライヴガイドシステム」だ!
地磁気を感知する「方位センサー」がトランクの左側に鎮座し、スイッチを入れて起動すると、ニョキっと丸棒が伸びて来るというものだった。
さらに、これは知られていない「丸秘装備」なんだが、「方位センサー」が伸びると、トランクと「方位センサー」がぶつからないように、トランクオープナーが使えなくなる・・・という機能があった。。。
システムはしごく簡単で、まずは地図を用意して、出発地から目的地の距離と方向を調べ入力するというものだった。
とにかくホンダの「エレクトロ・ジャイロゲータ」もそうだが、まずは地図を用意する事と、確実に地図を読める知識が必要だったのだ。
ホンダ方式は、まぁ現代のナヴィみたいに、セルロイドの地図を光の点がトレースするモノだったが、スカイラインの「ドライヴ・ガイドシステム」は、大体の目的地までの残距離(数値ではなくバーグラフの加減)と、大体の向きを矢印で指し示すものだった。
端的に言えば、助手席で地図を読む人が居て、右だ左、もう少し・・・というのを機械でやっていると思えば良いだろう。
問題は「地磁気」を利用している事。
カタログでは、たいして誤差が無いように言っているが、いやはや、当時、このシステムをテストした雑誌を読み返すと、どれもあまり芳しくないレポートばかりであった。。。
鉄橋の下をくぐったり、地下街が張巡らされている都市部では、どんどん表示が怪しくなって、中には十数キロも誤差が出たケースもあった。。。
果たせるかな、このシステムもあっと言う間に消えてしまい、現代の様にGPSを利用したナヴィの登場は、1983年に「三菱電機」が、第25回東京モーターショーに出品するまで待たなければならなかったのだが。。。
対話型のクルマ・・・・
まさにスカイライン、いや櫻井眞一郎 氏ならではの発想だが、まだまだ技術がその意欲について行かなかったというのが真実だろう。
結局は実用的ではなかったが、ホンダの方式にしろ、この「ドライヴ・ガイドシステム」の登場が無かったら、もっと現代のナヴィの登場は遅くなっていたに違いない。
その証として、
日本の自動車技術240選 に選ばれている。
ドライブガイドシステム(スカイラインR30搭載)
http://www.jsae.or.jp/autotech/data/7-2.html
何事も最初が肝心・・・という事で、ぜひナヴィを見るときには、ホンダの 「エレクトロ・ジャイロゲーター」 と、スカイラインの 「ドライヴ・ガイド・システム」を思い出して欲しいと思うのだ。
Posted at 2009/02/14 18:39:33 | |
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