
皆さんは、ガソリンスタンドの
2013年問題 をご存じだろうか。実は僕も先々月までは知らなかったのだが、会社の近くの、老舗の GS が閉店する事になり、その理由を聞いて初めて知ったという次第なのだ。
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その GS は、まぁ確かに古くて、格別安い訳でもないが、地元の個人や会社の連中が引切り無しに給油に入って、朝晩などは並んで給油を待っている姿を良く見たモンであった。決して看板娘などと行った色物も無く、リタイヤしたオジサンが気さくに燃料を注いでくれる、ある意味での「癒し系」(苦笑)のスタンドだった。
その人気店が、今年の夏に、9月末閉店の看板を掲げる様になった。
クルマが入っているし、これは価格競争で利益が薄くなったのでは・・・・と思い、癒し系のオジサンに思い切って閉店の理由を聞いてみると、
2011年2月施行の改正消防法で、古い地下燃料貯蔵タンクの改修が必要となった為だというのだ。
つまり、これまで規制の無かった地下燃料タンクから、燃料が漏れるなどの事故が多発した為に、13年1月末までに、40年以上が経過した地下タンクについて、タンクそのものに漏れ防止の対策をするか、洩れてもすぐに分かる様に油漏れセンサーの埋設などの対策を行わなければならなくなったのだという。
なんたって、地下タンクの更新(新しいタンクへの変更)には 2,000 万円以上、内部を洩れ難くするコーティングも 1,000 万円近くと、補助が出るとは言え、負担増に音を上げてしまうスタンドが全国に続々と出て来ているというのだ。
この癒し系スタンドもご多分に洩れず、そうした費用をかけても、簡単には償却できず、経営の継続を断念したという訳だった。
そうそう、聞いたハナシでは、そうした工事でタンクそのモノを掘り起こす費用は何故か補助が出ず
自己負担 というのも、結局負担増の要因となり閉店への拍車をかけている要因だという。
大手系列系のGS ならいざ知らず、前出の様な個人経営の GS は、とてもそんな費用は払えません・・という事になるらしいのだ。猶予期間は 2013年 。一説によると、改修が必要なタンクを持った GS の半分も改修が進んでいないとも・・・
改修をしないで、猶予期間を過ぎてしまうと、消防から是正勧告を受けてしまい、営業許可の取り消しも有り得るというのだから、もはや待った無しの状況という次第なのだ。
過当競争で厳しい上に、こうした規制の強化という事で、来年の春までに、かなりの数の GS が閉店するのではという観測が大勢を占めている。
今だって GS は多いのだから、数の調整に一石二鳥じゃん!というのは、GS が溢れる都市部の論理、問題なのは、地方の個人経営が多い、過疎地や山間部などの元々 GS が少ない地域でのスタンドの継続にも大きな影を落としている事に注目してもらいたモノである。
冗談抜きに 「スタンド空白地帯」 や、それに伴う 「GS給油難民」 が発生してしまう恐れが大きいのだ。そして、そうした地域では、クルマへの給油以外にも、灯油の販売、灯油の配達なんていう事もやっているパターンが多いので、日常生活にも影響が出る・・という見逃せない問題もある事を知って欲しいモノだ。
「安全はすべてに優先する」
事は間違いない事実なんだが、それによって弱者が更に生活し辛くなる事のない様に、もう少し行政は配慮してくれないかと僕は感じているのだが、如何だろうか。
Posted at 2012/11/17 23:07:23 | |
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