さてさて、この画像のクルマの名前をご存じだろうか。
「ティーダ・ラティオ」 と思った方、まぁ点を付けたら 「50点」 だろう。
レフトハンダーなんで、「ヴァーサ」だね!と思った方は「70点」くらいだろうか。
このクルマ、まさに不況吹き荒れる北米自動車産業の申し子とも言える一台で、名前は
Dodge Trazo (ダッヂ トラーゾ」 という。
日産とクライスラーは、さかのぼる事、2008年1月と4月に OEM契約 を結んだ。
その内容は大きく三点あって、
1. 日産からクライスラーへ南米市場向けに小型セダンを供給。
2. 日産からクライスラーへ2010年よりグローバル市場向けに小型車を供給。
3. クライスラーから日産へ2011年よりフルサイズピックアップトラックを供給。
というモノであった。
クライスラーは、この提携話に沿ってまずは、2008年10月に サンパウロで行われたモーターショウで、
Dodge Trazo (ダッヂ トラーゾ」 を発表、 そして運命の 2009年2月、ブラジル, アルゼンチン, パラグアイ, ウルグアイでよいよ販売を開始したのだ。
この
Dodge Trazo (ダッヂ トラーゾ」 なんだが、「ティーダ・ラティオ」の現地生産版の 「ヴァーサ」 と比べ、フロントグリルの変更にダッヂのイメージカラーである、Redline Red をまとっていた。
生産はメキシコ日産の Aguascalientes(アグアスカリエンテス) 工場で行われ、これから順風満帆にという矢先に悲劇は起こった。
Dodge Trazo (ダッヂ トラーゾ」 の発売から二か月後、クライスラーが4月30日、チャプター11 (連邦破産法11条)の適用を申請し、同時にフィアットと資本提携すると発表してしまったのだ。
クライスラーとフィアットとの提携には、当然の事だが、クライスラーが今後開発する新型車の多くが、フィアットと車台を共用化するとなっており、日産との関係が中途半端になってしまう危険性が高くなってしまったのだ。
果たせるかな、8月には両社から提携解消に発表が行われた。
日産自動車とクライスラー、OEM契約を解消
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2009/_STORY/090827-02-j.html
これによって、Trazo は一年を満たない期間で、その生涯を閉じることになったのだ。
鮮やかな ダッヂカラーをまとい、これからという時に行く先を絶たれた Trazo の姿は、激変するクルマ産業の、まさに生き証人とも言える一台だろう。
Posted at 2013/09/15 07:11:23 | |
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