
暑い暑いと言っていたら、突然、秋が過ぎ去って「真冬」がやって来たような今年の冬。自分も長く新潟に住んでいたのだが、11月に雪なんて正直経験が無かったモンだ。
いつものパターンだと、11月末くらいにスタッドレスに履き替えて・・・という感じだったのだが、今年は、今の時期にドカンと雪が降ってしまい、流石に雪国に慣れているドライヴァーでも、タイアが夏タイアでは・・・と言う事で大変だったようだ。
9月くらいから、スタッドレスの新作の発表が相次いだが、大人しかった去年の鬱憤を晴らす如く、各社なかなか気合の入ったモノがリリースされている。しかしねぇ、毎年毎年前のモデルより、氷上性能が ○×% UP なんて繰り返されているけど、実際にユーザーがそれを体験できるかと言えば、なかなか難しいというのも事実。
まぁ、毎日乗っていれば、あの毎朝凍っている交差点で、発進の時にホイールスピンが少ないとか、あの路面が斜めのコーナーで、横滑りが少ないだとか微細な違いも分かるモンなんだが、ワンシーズンに一回や二回スキーに行くくらいでは、なかなか違いも分からないというのが本音だろう。
さらに厄介なのは、路面の状態は、どこも同じではなく、同じアイスバーンでも北海道のココとソコでは見た目は同じでも実は大きく違っていたり、雪だって、湿度が高い低い、雪の粒子が大きい小さいでもエラク違うモノなので、一律にタイアのチューニングが出来ないというのも実情なのだ。
ここ数年で、スタッドレスタイアの性能は、どのメーカーもほぼ限界に達しているようで、今度は、そうした多種多様の路面にどう対応するかが課題になっている。そんな中、最近よく目にするのが、北海道限定モデルで、コイツは、あの市街地の究極まで磨かれた交差点の路面のみをターゲットにしたモデルが数社から出ている。
北海道限定モデル。左からBS BLIZZAK SI-12、横浜 iceGUARD Evolution iG01、トーヨー GARIT G0 (クリックで拡大)
これらのモデルに共通して見えるのは、氷上性能至上主義で、サイプを細かくして、如何に凍結路面に追従させるか、エッヂ効果を持たせるかという事に特化しており、どう見ても今度は、積雪路での性能は、細かいサイプが邪魔をして十分に雪の路面を引っ掻く、そして雪を吐き出すという性能には疑問符が付いてしまうパターンだという事だ。
こうした事を見て見ても、通常のスタッドレスの性能の向上代は、というより、凍結路と積雪路の性能の両立は、今の技術では限界・・・というのが見て取れると思うのだ。
面白いのは、ここまで技術的にアプローチが進むと、パターンも似たようなものが期せずして出てくるもので、今年は、BS BLIZZAK VRX と ダンロップの WINTER MAXX が、パッと見た目同じようになってしまったのは興味深い。
非対称のパターンまでは良いが、OUT側のパターンが恐ろしく似ているBSとダンロップ。
経験的言えば、普通に走る分には、どこも国産メーカーだったら差が出ないが、あの磨かれたアイスバーンだとか、路面が傾いている、急な坂などという厳しい条件になると、流石に、BS、DL、YH、TY、辺りを選べば十二分に対応できると思う。
それじゃ、最近安さでメキメキと販売数を伸ばしているアジアンタイアはどうかと言えば、
見た目のインパクトは結構良いんだけど、厳しい条件になるとやはり国産に一歩及ばず・・・のアジアンタイア。
走れることは走れるんだけど、凍結路でのブレーキング時のコントロール性とか、横滑り性で、国産モノと差が出てしまうのは、企業のある国、地域の環境の問題、開発費の問題で致し方が無いのかもしれない。
さらに、二年目三年目と時間が経過した時の性能劣化の幅が大きいのも気になるポイントだ。
無理をしなければというが、交差点で後数十センチという差が実は大きなマージンと言う事も忘れてはならない事だし、スキー場の登り坂の渋滞で止まってしまった時、積雪路なら良いけど、圧雪路や凍結路面では、かなり発進が厳しい・・・という事を、頭に入れておいた方が良いだろう。
そうそう、スタッドレスの裏技としては、ネットで中古品というパターンもあるが、これも当たり外れがあるので注意が必要だろう。できれば、冬シーズンのかなり前に購入して状態を確認しておいた方が、シーズン直前にネットで落として、モノが来たらビックリ!なんていう悲劇を味わなくて済むと思うのだ。
僕も、夏に中古品を買って、十二分に吟味して履いている・・・・次第なのだ。
冬用 ユーズドタイヤを買って来て・・・・
⇒ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/27109848/
そして中古品と言えば、経年劣化の問題も避けて通れないだろう。二年モンならいざ知らず、それ以上になると、条件によっては厳しいという事もある。ただ、これも普通に使えば何とかという使い方もある事を理解しておいた方が良いだろう。
比較 古いスタッドレスは使えるか。徹底比較!
⇒ https://minkara.carview.co.jp/userid/124785/blog/26979961/
よいよ冬本番。僕も12月になったらタイアを履き替えようと思っている。
今年の冬は雪が多いか?いや、気温が低いか、タイアメーカーにとって、スタッドレス総決算の冬になりそうである。
Posted at 2013/11/17 13:50:25 | |
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