
いやぁ正直、このネーミングは冗談かと思った、というのがホンネである。しかし、これは間違いなく ブリヂストン の POTENZA の 新シリーズ で、正式には
「POTENZA Adrenalin RE002」
というそうなんだ。
コンセプトは、
高速走行時から通常の街乗りに至るまで軽快なドライハンドリング性能と高いウェット性能を実現したスポーティータイヤ
という事で、正直に言って、BS嫌いの僕でも、パターンはかなり ツボ にハマった斬新でカッコいいモノだ。
現在のPOTENZAのS001とRE11のパターンの良い所取りみたいだが、詳細はかなり進化している。
溝と溝の無い部分の比率は、見た目グリップ重視の溝が少ない、ブロックの部分の比率が多い印象なんだが、よく観察してみると、センターに近いストレイトグルウプが、波打っており、さらにその中に 「ディフレクター」 と呼ばれる、突起が設置しているのが目新しい手法だ。
溝の比率が比較的少なくブロックが大きめなんだが、それは、グリップ重視というより、スティアリングのレスポンスの方を重視しているパターンだと感じた。
まぁ単純には言いきれないのだが、センターでは無く、センターを避けて例の、波打ったグルウプ 、「パルスグルウプ」 が置かれている事を見ても、センター部の剛性を上げて、スティアリングのレスポンスを上げてやろうという意図が見え隠れしている様に感じるものだ。
そして、面白いコンセプトが 「ドライハンドリング性能と高いウェット性能」 の両立という事で、これだけ声高にドライとウエットの性能がというタイアのコンセプトは、(もちろん従来のモノでも、カタログのワンセンテンスで書かれているモノはあるが)久々のモノである。
レスポンス重視と言って思い出されるのが、
POTENZA DAGG で、
センターにグルウプを切らずに、スティアリング・レスポンスを追求した DAGG
DAGG の名称は、
Driving A Go Go から来ている、そのくらい、スティアリング・レスポンス の気持ちよさを追求したタイアであった。
また、ドライ、ウエット性能差「ゼロ」を謳ったモノとしては、
PIRELLI P5000 VIZZOLA(ヴィッツォーラ) が有名だろう。
当時のピレリーのウインタータイアにも採用された、Vシェイプのパターンが印象的だ。
これらのタイアは、目指す方向に於いて、尖がったモノを持ち合わせていたが、グリップ力とか、究極の排水性という点では、高次元で両立していたかと言えば、それなり・・というのが僕の偽ざる印象だ。
それが、この新しい
「POTENZA Adrenalin RE002」 では、どこまで両立しているのか非常に興味がある。
僕が、このタイアで注目しているのが、「ウエット・グリップ」を声高に言うのではなく、「ウエット性能」、
排水性 に着目している点だ。
近年のタイアは、転がり抵抗の低減や、静粛性の向上の為に、溝が増えて、一つ一つのブロックが小さくなってきているが、そうなると 雨天時の路面に張った水膜に突っ込んだ時の水を吐き出す能力が不足気味になって来ている。
路面に薄い水膜があった場合に、ブロックが小さく、溝が細かすぎても、コンパンドの工夫で喰い付く能力は上がっても、水を吐き出す性能が高くなければ、特に高速走行時にハイドロプレーニングを起こし易くなるのだが、この
「POTENZA Adrenalin RE002」 は、積極的に路面の水膜を切り裂いてグリップを確保するんだという方向性に大いに共感を覚えるモノなのだ。
ただ、カタログにも、現代のタイアでは珍しい、静粛性と快適性が謳われていない、まぁ見た目にもお世辞にも静かだとか、路面の凹凸に優しいというパターンでは無い事は伺えるのだが。。。。
そして、このタイアの性格や方向性を表すのが、サイズの殆どが エクストラロード である事も、購入層を絞っていると思うのだ。
しかし・・・・ adrenaline (アドレナリン)の名称はなかなかのインパクトがある!そのうち、エコピア・セロトニンとかも出てきそうな雰囲気だと感じた次第なのだ。(笑)
「POTENZA Adrenalin RE002」 プレスリリース ↓
Posted at 2013/12/22 03:18:50 | |
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