
A long time ago in a galaxy far, far away . . .
前回からの続き
M君は、Sタイヤ(RE520S)という武器を入手し、サーキット走行会に臨みます。
サーキット走行前にタイヤのグリップ力を確認する為に、JAFジムカーナにも出場したりもしてましたが、その話は別の機会にしましょう。
とにかく、M君は、Sタイヤのグリップ力の強さには満足しており、勝手な思い込みから筑波10秒切りは確実と考えておりました(汗)
M君が選んだのは、1993年11月にも参加したタイム計測付きの走行会です。
走行時間となり、コースインします。
頭の中のイメージは、Sタイヤの強いグリップ力によるブレーキ力とコーナリングスピードのアップです。
しかし、クルマの動きがイメージとだいぶ違います。
ブレーキングでは、Sタイヤのグリップ力で、それまでよりも短い距離で制動できます。
でも、そこからターンインでステアリングを切り込むと挙動が極端に不安定になります。
進入でオーバーステアが酷いのです。
1ヘアピンでの挙動には、かなり難儀しました。
筑波1ヘアピンは、その手前のS字コーナのヨーが残っている状態からのブレーキングとなるので、1ヘアピンが左コーナにも関わらず、進入時に一度左リアが出てしまうのです。
そして、そこから振り返しで、右リアがでるという有様です。
意図しないオーバーステアの為、全てのコーナでドリフト状態です。
これじゃ、タイムアップどころじゃありません。
クルマをスピンさせないように、コントロールするのが精一杯でした。
しかし、タイヤのグリップ力が落ち始めた走行20分過ぎに事は起きました。
最終コーナの進入で、クルマが不安定な状態となりました。
そこからも何とかアクセルとステアリングコントロールでクリッピングまで持っていったのですが...
リアタイヤが完全にコントロールを失いました。
そのままクルマは、スピン状態から振り返しで反対方向に1.5回転(ミッドシップ特有の動きです)しました。
スピン中に、M君が見たのは、2ヘアピンで抜いたクルマでした。
180度後を向いた状態ですので、自分の正面にクルマが見えます(滝汗)
「頼む! 避けてくれ~!!!!」 とM君はココロの中で叫んだようです。
しかし、その叫びは届かず....相手が、
リアにドカ----ン! とクラッシュ!
サーキット走行で初めてのクラッシュとなりました。
当時の車載映像が残ってはいるのですが、アナログビデオなのでデジタルで配信できないのが残念です。
オヤジの独り言
タイヤのグリップ力が上がったのに、何故クルマの挙動変化が激しくなったのでしょうか?
それは、タイヤのグリップ力に足回りが負けてしまったからです。
例えば、バネレートがノーマルだからブレーキングで強いグリップ力が入力されれば、フロントサスペンションは、それまで以上に縮みます。 たぶんバンプタッチしていた事でしょう。
しかもバンプを抑える目的のショックアブソーバもノーマルですから、その縮みスピードも速いでしょう。
そしてリアサスにも同じ事が言えますね。
フロントサスの縮みに相対して、リアサスは、ブレーキング時に伸び上がります。
その伸び上がりスピードが、ノーマルタイヤで走った時よりも速いのです。
その為、リアタイヤが容易にグリップを失ってしまった...という事だと思います。
しかし、当時のM君には、そんな事は一切判りませんでした。
タイヤのグリップ力を上げたのに...何で!? という疑問とクラッシュさせてしまったという後悔だけが残った日となりました。
因みに、この日のベストタイムは、1分12秒62
激しいアンダーオーバーを抑えての走行だったので、タイムは思ったよりも伸びずでした。
ブログ一覧 |
MR2(SW20) | 日記
Posted at
2011/06/19 10:13:57