
昨日、
マクラーレン 570S Spiderの試乗記をアップしました。
だけど試乗した時の感動?を上手く伝えられません。
以前から感じでいた事ですが、みんカラのクルマレビューのフォーマットって事務的というか形式に囚われ過ぎている気がします。
客観的な点を記載するには良いのでしょうけど、言葉では言い表し難い点を書くのが難しい。
なので、もう一回書いて残しておきたい(笑)
まず570Sに乗り込むのですが、私のブログを読んでいた方なら、私が左ハンドルを苦手にしている事はご存知だと思います。
マクラーレンは、英国製にも関わらず試乗車は、左ハンドルが多い。
過去に4台試乗していますが、右ハンドルは、最初に乗ったMP4-12Cのみです。
私自身の好みでは、右ハンドルがイチオシなんだけど、実際問題として左ハンドルの方がフットスペースに余裕があるのは間違いないようです。
そして走りだしてしまえば、左ハンドルでもそれほど気になりません。
これは車幅に対して、ドライバーズシートがかなりセンター寄りになっているからだと思います。
ただ左ハンドルは、右折時とかの見切りや右後方を確認が難しいですね。
そんな事を考えながらドライバーズシートに滑り込む。
スパイダーなので、トップを開けていれば、乗り込みは非常に楽でした。
まぁ、エリーゼに12年乗っていたから、この手のクルマに慣れているのかも知れませんね。
次にシートポジションを合わせるのですが、これが難儀しました。
マクラーレンの電動シートってスイッチがシート右下についていて、目視で確認できないので非常に操作がし難いです。
やっとこさシートを合わせてスタートします。
ドライブモードは、エンジン、サスペンション共に”ノーマル”です。
570HPの凶暴な大パワー車ですから、慣れないうちは謙虚さが必要です。
なんせ価格が価格ですからね。 ”走る一戸建て” なんて例えられる事もあるので借り物である以上事故は許されませんからね。
試乗コースは、マクラーレン東京 有明テクニカルセンター ~ 首都高豊洲 ~ 湾岸線 ~ 11号線 ~ C1外回り ~ 9号線 ~ 湾岸線 ~ 豊洲 ~ マクラーレン東京 までの約30kmです。
首都高を含むロング試乗の機会を与えて頂き、マクラーレン東京さんには大変感謝です。
なんとか首都高に乗るまでに、570Sに慣れようと努力したのですが、厳しかったです。
なんせアクセルをちょっと踏み込めば、ノーマルモードにも関わらず背中をドーンと蹴飛ばされたかの加速Gです。
スピードメーターに視線を落とせば、そこには見てはいけない数字が出てしまい、思わずアクセルを緩めてしまいます(汗)
首都高に入り、アクセルを半分くらい踏み込んだだけなのに、ケイマンSでは体感しえない加速Gと共に進みます。
気がつきゃ、ぬおわなんて普通に出ちゃう!
ハーフスロットルだし、エンジンは6000rpm以上回してない!
なんだこれ? どうすりゃいいんだ!?
兎に角、借り物の走る一戸建てで事故るワケには行かないので、ビビリミッター全開で安全運転するしかないですね。
ナビシートに鎮座していた、担当氏が、いろいろと説明しながらモードを変更してくれたのが助かりました。
独りでドライブだったら、余裕がないからずっとノーマルモードだったかも?
エンジンモード?は、ノーマル、スポーツ、トラックですが、ポルシェで言えば、ノーマル、スポーツ、スポーツプラスに相当するようですね。
モードを切り替えると、シフトポジションがポルシェと同様に1段づつ下がるイメージです。
アクセルに対しての応答性は、ポルシェのそれよりも変化幅が小さいように思いましたが、たぶん性能を出し切れていないので判らなかっただけかも知れません。
個人的には、スポーツモードのフィールが合ったような気がした(笑)
トラックモードは、電子デバイスが最小限になりそうなので、返って踏み込めませんでしたね。
次にサスペンションモードですが、これもノーマル、スポーツ、トラックの3パターンみたいです。
昨日の試乗記にも書きましたが、ノーマルだと高級セダンに乗っているような乗り心地です。
さんざんプロアクティブシャシーの良さを説いてきたのに、それすら不要なんじゃないかと思えるほどの良さです。
ただ、それもある程度まで攻め込むと何かしらのネガが出るんだろうとは思います。
その証拠にモードをスポーツ以上にすると、明確に乗り心地が変化します。
いわゆる高圧ガスショックに有りがちな高周波成分の振動が増えます。
それでも固いという感じではなく...
スポーツカーに乗っているんだなぁという乗り心地です。
大きな入力でも、綺麗にいなしていたのは流石と思います。
ステアリングを切り込むとダイレクトに反応するのに...
路面からの大きな入力は綺麗にいなします。
一体どういうセッティングをすればこうなるんだろう?と考えてしまいました。
ステアリングを切った時の反応は、ピロボールのそれなのに、
路面からの入力を受けた時の反応は、柔いブッシュのそれでした。
どうして、この相反する2つの動きを実現出きるんだろう??
そんな事を考えながら、ビビリミッター全開のまま走っていました。
当然コーナリングフォースの立ち上がり方も自然です。
プロアクティブシャシーではないのですが、ロール感が少なく曲がって行きます。
これも限界域なると、また違った挙動になるのでしょうけど、とてもとても一般道では試せません。
エンジンサウンドも綺麗に同調してました。
過去にMP4-12Cに試乗した時は、F様のV8エンジンと比べると、エグゾーストノートの官能度は及びませんでした。
もちろんターボエンジンって事もあり、NAのような高音でない事も理由ですね。
F様も488からのターボでは似たような音域になりましたが、それでもサウンドって意味ではF様が上だと思っていたのです。
が、570Sは、かなりF様に近づいてきてますね(まだ及ばないけど)
屋根開きだから、エグゾーストノートがダイレクトに聞こえたのが良かったのかも??
エンジンの振動は、ほとんど感じる事がありません。
タコメーターを見ていないと、どこまでも回してしまいそう。
いや、それはないな! 圧倒的な加速にビビッてアクセルは戻してしまうでしょう。
まぁ、振動が増えてアクセルを戻る事はないと断言できるかな。
ブレーキも絶品です。
カーボンセラミックディスク + 6ポットキャリパーは、MP4-12Cの頃は、扱い難さがありました。初期の製動力が強すぎてブレーキングがギクシャクするのです。特にロータ温度が上がっていない時は顕著でした。
しかし、570Sのそれは、非常にスムーズです。
ブレーキタッチも初期にクリック感?がありますが、その後は踏力に対してリニアに制動力が立ち上がるので非常にコントロールがし易いです。
いやぁ、もう私が普段から言い続けている...
”走る”、”曲がる”、”止まる” において
一切の妥協がなく、また文句もありません。
私のレベルだと、マクラーレンの問題点なんか見つけられないくらいの完成度ですね。
とっても高価なクルマですが、このパフォーマンスを考えるとリーズナブルだと思います。
もちろん絶対的な価格は高いのは間違いないですが、コストパフォーマンスで云えば、決して高いクルマじゃないですね。
いやぁ、マズイです。ヤバイです。
買えないのに、欲しくなってしまいました。 どうしよう!?