ルノー4フルゴネットとエクスプレスの系譜

ルノー4（R4）は1961年秋のフランクフルトモーターショウで発表され市販化されました。当時、シトロエンの人気モデル2CVのライバルとして2CVを研究したそうです。

　≪画像は拝借しました。≫
この2台、似て非なるクルマですが、それぞれのメーカーの思想が表れていて興味深いです。これらは国民車でもあったことから総生産台数も多く、R4は1992年までのおよそ30年間で835万台が生産されました。R4も2CVも今や名車ですよね^^;

1985年にはルノー5（R5）をベースとしたエクスプレスが登場。

　≪画像は拝借しました。≫
R４の生産終了に伴う後継モデルという位置づけでした。こちらは2000年までとわずか15年の短命？でした。1997年にデビューしたカングーがエクスプレスの実質的な後継モデルと言えるかもしれませんね。

私はR4にもエクスプレスにも乗ったことがないので、当然のことながら語れませんし、語る資格もありません。それぞれのオーナーさんの方がもちろん詳しいので、詳細について触れることはここでは控えます。ただし、R4もエクスプレスも好きなクルマです(^^)v

ということで、ここではカタログをご紹介したいと思います。まずはR4フルゴネットから。

キャピタル企業社が取扱っていた頃のルノー総合カタログです。表紙から。

R4とR4フルゴネット。

全長3,680mm×全幅1,500mm×全高1,725mm、車両重量670kg。845ccエンジン搭載なのでコンパクトなクルマだったことがわかります(^^)

もう一つキャピタル企業社のルノー総合カタログ。表紙から。

R4の項。

『原宿や六本木や青山や、そんな街にいかにも似合いそうなチャーミングな、フランスを代表するRV。ルノー4の実用性・機能性を、フランスのエスプリで磨くと、こうなるんですね。』

商用車らしさは微塵も感じさせないデザインは、さすがはフランスのエスプリなのでしょうね^^;
さらに、別の項。

『幾多の時代を走り続けてきた″ルノー・カトル″は、「現在」という舞台で、もっとも精彩を放っているようだ。』

この総合カタログは1984年のものなので、R4にとってはすでにモデル末期の頃。30年に亘って永くつくり続けられてきたR4は一つの歴史をつくった偉大なクルマと言えるでしょうね。

ちなみに、カタログによれば、当時の価格は4GTLが256万円、4F4が254万円。当時としてはこのクラスのクルマの中では割と高価なクルマだったようですね。

続いて、エクスプレス。こちらはJAXが取扱っていた総合カタログ。まずは表紙。

中を見てみますが、見開き2ページの簡素なもの。

1.4LガソリンGTLが198万円、1.6LディーゼルGTDが201万円というラインナップだったようですね。

もう一つご紹介します。こちらはエクスプレスのマイナーチェンジ版のPh.2カタログ。表紙から。

実はこのカタログは、当時エクスプレスの並行輸入を手掛けていたル・パルナスが作成したカタログ。

エクスプレスは観音開きしかないのかと思っていましたが、跳ね上げ式リアゲートを選ぶことができたようですね。

TOLEというグレードはラゲッジルームのウィンドウがない2名乗車の仕様。完全商用車でしょうか。その他には、ピックアップというボディ形状まであったことは知りませんでした(*_*;

こちらはR4フルゴネットのNOREVミニカー。

R4フルゴネット　エールフランスバージョン。コマーシャルカーとして名を馳せたモデル。航空機メーカーとのコラボレーションでありフランスらしさに溢れていますよね♪

R4フルゴネットもエクスプレスも一時代を築いたクルマ。その思いはカングーが後を引き継いで、今や日本のルノーの牽引役ともなっています。誤解を恐れずに言えば、R4やエクスプレスが存在しなければ、カングーというクルマはなかったのかもしれませんね^^;

※過去に、上記でご紹介したキャピタル企業社のカタログをフォトギャラリーに収めています。興味のある方はどうぞご覧ください。
　参照： カタログギャラリー　ルノー5編　　　カタログギャラリー　ルノー総合カタログ編