• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2015年02月07日

西武自動車販売社の歴史をカタログから紐解いてみる・・・その1

西武自動車販売社の歴史をカタログから紐解いてみる・・・その1 先日、西武百貨店がかつて自動車販売を手掛けていたことをブログに記しました。

そうしたところ、そのあたりの事情にお詳しい、西武+自動車さんから西武自動車販売社に関する成り立ちをコメントに寄せてくださいました。
(参照: かつて西武百貨店が自動車販売を手掛けていた事実

西武+自動車さんから寄せられたコメントは私にとっては知らないことばかりで、西武自動車販売社のことは知っていても背景にあるものがほとんど知らなかったので、勉強させていただきました。

今回は、西武自動車販売が古くから輸入車販売を手掛けてきた事実と歴史を1980年代初頭以降に取扱ってきたクルマのカタログから紐解いてみたいと思います。

西武+自動車さんから寄せられたコメントを一部引用します。

>⑤クライスラージャパンセールス
>1988年に大沢商会とクライスラーの合弁により設立。インペリアルやルバロン、アクレイムなど乗用車系と、チェロキーやラングラーなどのジープを取り扱い。1995年に西武自動車販売を吸収合併する。


私、アメ車の事情はさっぱりわからないのですが、当時のこれらのカタログはなぜか一応集めていました。なので、引っ張り出してみました。

ルバロンの専用カタログは残念ながら持ち合わせがありませんでした。


こちらは、1995年頃のジープ系とクライスラー・ビジョンの西武自動車販売社モノのカタログ。

チェロキーのカタログ最後ページには、

西武自動車販売社の取組みや販売やアフターフォロー、PDIに関する説明書き。

『西武自動車販売は、1963年の創立以来、「一人一人のお客様に、一つ一つの満足をお約束する。」をモットーに、一貫して輸入車を取り扱ってきました。』

ディーラー全景やサービス部門の様子など写真で表現することで信頼を訴えていますね。

1995年当時のカタログと一緒に価格表の添付がありました。

特にチェロキー・スポーツは300万円を切る戦略的な価格設定も手伝って大ヒットしましたね。西武自動車販売社もさぞ忙しかったのでしょうね(^^) 西武+自動車さんのコメントにあるとおり、これは西武自動車販売社に吸収合併後のカタログということになるのですね。

もう一つ、西武+自動車さんから興味深いコメントを寄せてくださいました。以下、引用します。

>①西武自動車販売
>1960年に西武百貨店商事部自動車課から発展した「西武自動車販売」(シボレーやホールデンを販売)と1963年に西武百貨店と西友と三菱商事が合同出資してつくられた「西欧自動車」(初期にはフィアットやフェラーリ、ボルボそして69年よりシトロエンを販売)が71年に合併し「西武自動車販売」となりシトロエンと71年にはサーブ、76年にはプジョーと日本総代理店契約を結び、クライスラージャパンセールス吸収合併される95年まで存在。


私にとって、西武自動車販売社は、古くはサーブ・シトロエン・プジョーしか取扱いがなかったのかと思っていたら、そうではなかったようです。

以前ご紹介したこれら西武自動車販売社総合カタログ。中身の紹介は以前ブログで記したので、今回はスルーします。ご覧なりたい方は こちら をご覧ください。


おそらく1982年のモノと思われるカタログと1985年のモノ。

1982年モノカタログの裏表紙には、

この頃の取扱い車種には、シトロエン・プジョー・サーブの他に、「シボレー・ビュイック」も取扱っていたのですね。ということは、クライスラーを取扱うずっと以前には、ライバルのGM系を取扱っていたということになります。残念ながら、この総合カタログにはそれらアメ車の写真がありませんでした(*_*)

さて、スウェーデンの名門サーブも取扱っていました。私が保有しているサーブの一番古いカタログは1982年でした。

左が1982年、右が1983年の900シリーズのカタログ。「SEIBU」の文字が誇らしげですね(^^) 

この後小変更を繰り返しながら、西武自動車販売社から販売し続けています。
1991年の900・9000シリーズのカタログ。

900シリーズ最後のページには、

西武自動車販売社のサービスについて説明書きです。


『SAABを購入した時点で、オーナーはファースト・クラスの車を手に入れただけでなく、西武自動車販売が誇るサービス・ネットワークを得たことになるのです。西武自動車販売のトータル・サービスは、SAABをご愛用いただくすべての方にご利用いただけます。』

サーブ購入に際して西武自動車販売のサービスが万全であることを協調しています。高温多湿の日本で北欧のクルマを乗ることに不安がつきまといますが、信頼の西武自動車販売ならではのフォローは約束されたも同然なのでしょうね。

こちらは、1992年の900シリーズカタログです。


前年1991年カタログと同様に西武自動車販売社のサービスについて説明書きです。

実は1991年カタログと少々異なった表記が見られます。
それは、

『西武自動車販売のもとにはパーツ部門があり、あらゆるパーツを常にストックしています。たとえば手薄になるパーツが発生しても、それはスウェーデン本国のSAAB社より、迅速に補給されるのです。』

これが意味するところ、おそらくそれは、1992年をもって永年サーブの総輸入販売元を担ってきた西武自動車販売社の取扱いが終了することによるものと推察されます。

西武自動車販売社で買い求めたサーブオーナーにとって、修理やアフターサービス等で不安とならないための配慮なのかもしれません。

1992年カタログの裏表紙です。

西武自動車販売社のカタログであるのは間違いありませんが、何かにお気付きでしょうか。

それは、「知性あるモーターライフ」のキャッチコピーが一切見当たりません。これまでの通例では必ず「SEIBU」のロゴとともに記載されているキャッチコピー。それらがないというのは、極めて珍しいカタログなのかもしれません。

1971年からおよそ20年間に亘って取扱い続けてきたサーブ。日本へスウェーデンの名門サーブというブランドを紹介した西武自動車販売社は多大な貢献をしたと言えるでしょう。

今回もう一つ取り上げたクライスラーも同様、西武自動車販売社という絶大な信頼性があったからこそ、直営店や全国津津浦浦に網羅されたディーラー網によって、多くのファンや顧客に販売されたのでしょうね。

  つづく

※追記  西武自動車販売社のサーブのCMを見つけたのでどうぞご覧ください。
ブログ一覧 | 西武自動車販売社関連 | 日記
Posted at 2015/02/07 22:43:35

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

宮城旅行 ① 🚙💨💨💨 松島
SUN SUNさん

ポルシェがバスに…その表現はどうよ?
THE TALLさん

165万円 レジェンド ハイブリッ ...
ひで777 B5さん

祝・みんカラ歴8年!
T19さん

1年ぶりにお酒を飲むと
アーモンドカステラさん

筑波山ツーリングオフ会(2025. ...
インギー♪さん

この記事へのコメント

2015年2月7日 23:49
 こんにちは。

 前回のブログ(&西武+自動車さんのコメント)を拝見していて、伊勢丹も含め、百貨店がいろんなクルマを取り扱っていたんだな~。と思いました。

 で、ふと思ったのですが、(私の家庭環境では全く無縁ですが)当時は、百貨店に”外商部門”というのがあって、服から家具から食品まで、どんなものでもデパートで買うという層がいたのではないでしょうか?
 で、そのような顧客からの要望もあってクルマも扱っていたんじゃないかな~と思った次第です。正しいかどうかは分かりませんが。
コメントへの返答
2015年2月8日 10:45
コメントありがとうございます。

百貨店のサイドビジネスとして乗り出していたのでしょうね。顧客にモノを売るのは同じことなので、そのノウハウが自動車販売にも活かされていたのでしょうね(^^)

先のブログで取り上げた西武百貨店のオートライフ課はまさにその外商部門の上得意を対象としたセクションとのコメントが寄せられています。

輸入車を選ばれる方ですから、ショウルームまで出向かなくても外商担当者を通じてオートライフ課から購入した上得意客も多かったことでしょうね(^_^;)
2015年2月8日 0:39
こんばんは。

Genta様の知識の深さとそれを裏づけする豊富な資料に、ただただ驚くばかりです!
そして、私の大好きな西武自動車販売について、ここまで深く掘り下げていただくのは
本当に嬉しいことです。

私も「西武自動車販売」と聞くと、1にシトロエン、2にサーブ、3にプジョーの大型車というイメージがあり、シボレーやビュイックと聞くとヤナセのイメージしかありませんでした。

今や西武自動車販売も無くなり(その他の民族系インポーターも無くなりヤナセもいちディーラーネットワークのようになりましたが)、輸入車を日本に根付かせた功績はヤナセと同じくらい大きなものではないかと思います。

私がここ近年、欲しい車のペアが「シトロエンC5ツアラー」と「クライスラーイプシロン」(残念ながら販売が終了してしまいましたが・・・。)でした。
時代が時代ならば、この組み合わせが同一ショールームで買える事が出来たかもしれないと思うと面白いですね!

ちなみに、全国のプジョー、シトロエンディーラーには、まだ数社ほど西武自動車販売地区代理店の頃から運営している店もありますし、クライスラーの板橋、城東、横浜の営業所は元々は西武自動車販売の直営営業所の場所です。
金沢のディーラー様がシトロエンとクライスラーのディーラーを運営されているのも、西武自動車地区代理店時代からの由縁があるのかもしれませんね。

車そのものや運転も好きですが、こういった事を調べたり考えたりするのも大好きです。

いつも楽しませていただけるブログに感謝致します。
次回も楽しみにしております!


コメントへの返答
2015年2月8日 11:16
コメントありがとうございます。

>Genta様の知識の深さとそれを裏づけする豊富な資料に、ただただ驚くばかりです!
幼少の頃から国内外の自動車が大好きでした。ディーラーを訪れた際にもらったカタログ集めがそのうちに好きになりました。知識はそれほど詰まってはいませんが、カタログコレクションは膨大です(^_^;)

>そして、私の大好きな西武自動車販売について、ここまで深く掘り下げていただくのは本当に嬉しいことです。
直接そうした声を聴かせていただき感謝申し上げます(^^)
今現在所有しているシトロエンやプジョーをかつて取扱っていた西武自動車販売社とはいったいどんな会社だったのだろうかと興味を持ち始めたのは実はみんカラを始めてからです。自分なりに追求して考察してブログに上げています(^^)v

>輸入車を日本に根付かせた功績はヤナセと同じくらい大きなものではないかと思います。
「西武自動車販売社」の晩年は吸収合併などの繰り返しにより、今では会社そのものは存在しませんね。しかし、老舗インポーターとして日本に多くの海外ブランドを紹介した功績は大きいですよね(^^)

シトロエンC5もイプシロンもかつては西武自動車販売社取扱いブランドですね。事情が許されるならば、同じショウルームで並んでいる姿は観てみたいですね。

>全国のプジョー、シトロエンディーラーには、まだ数社ほど西武自動車販売地区代理店の頃から運営している店もありますし、クライスラーの板橋、城東、横浜の営業所は元々は西武自動車販売の直営営業所の場所です。
たしかに、かつての代理店時代からの取扱い車種を引き継いで販売し続けているディーラーもありますね。旧くから同じブランドに乗り続けている顧客にとってはアフターサービスやメンテナンスの面では大きなメリットでしょうね(^^)

>車そのものや運転も好きですが、こういった事を調べたり考えたりするのも大好きです。
私は技術的な知識はあまりありませんが、フランス車を中心に興味ある一台のクルマやインポーターについて追求してみたくなることがあります。ヒマに任せて調べていますが、フランス車好きが一人でも増えればとの思いでブログに取り上げてご紹介しています(^^)v
2015年2月8日 10:38
そういえば、流通系というか電鉄系では、近鉄も扱ってましたね。
JR東日本もか…。
コメントへの返答
2015年2月8日 11:21
コメントありがとうございます。

鉄道会社が百貨店の経営に乗り出す例はたくさんありますね。百貨店経営から自動車販売の例もまた多いですね(^^)

今回の西武ももちろんそうです。おっしゃるように近鉄もそうですね。近鉄はたしかフォードを取り扱っていたと記憶しています。

プロフィール

「@こまじろう さん、つまるところ、OEMによるモデルなんですよね^^」
何シテル?   03/09 10:57
クルマ大好きです。日本車、ドイツ車、イギリス車、イタリア車、フランス車、スウェーデン車などなど。ブログではいろいろなことを記していて、時には違った切り口で記して...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

リンク・クリップ

[スバル レガシィ アウトバック]スバル(純正) ウィンドウガラス 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/04/14 20:27:36
車両企画(原価企画)の崩壊?。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/04/06 21:50:40
シトロエンC3のスマートカープラットフォーム(SCP)考、PF1は死なず。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/06/19 12:46:29

愛車一覧

スバル レガシィ アウトバック スバル レガシィ アウトバック
積雪地在住につき、冬期の降雪時の移動は常に懸念材料です。今シーズンの冬は数年ぶりの大雪に ...
プジョー その他 プジョチャリ (プジョー その他)
2001年秋頃に307がデビューした際に、モニターキャンペーンを実施していて、プジョーの ...
マツダ ロードスター マツダ ロードスター
NDが発売開始されたのが2015年5月のこと。それ以来、ずっと気になる存在でした。 途中 ...
プジョー 406 セダン プジョー 406 セダン
左ハンドルかつMTという稀有な存在。日本仕様は「Sport」とネーミングされたグレード名 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation