
先日、西武百貨店がかつて自動車販売を手掛けていたことをブログに記しました。
そうしたところ、そのあたりの事情にお詳しい、西武+自動車さんから西武自動車販売社に関する成り立ちをコメントに寄せてくださいました。
(参照:
かつて西武百貨店が自動車販売を手掛けていた事実 )
西武+自動車さんから寄せられたコメントは私にとっては知らないことばかりで、西武自動車販売社のことは知っていても背景にあるものがほとんど知らなかったので、勉強させていただきました。
今回は、西武自動車販売が古くから輸入車販売を手掛けてきた事実と歴史を1980年代初頭以降に取扱ってきたクルマのカタログから紐解いてみたいと思います。
西武+自動車さんから寄せられたコメントを一部引用します。
>⑤クライスラージャパンセールス
>1988年に大沢商会とクライスラーの合弁により設立。インペリアルやルバロン、アクレイムなど乗用車系と、チェロキーやラングラーなどのジープを取り扱い。1995年に西武自動車販売を吸収合併する。
私、アメ車の事情はさっぱりわからないのですが、当時のこれらのカタログはなぜか一応集めていました。なので、引っ張り出してみました。

ルバロンの専用カタログは残念ながら持ち合わせがありませんでした。

こちらは、1995年頃のジープ系とクライスラー・ビジョンの西武自動車販売社モノのカタログ。
チェロキーのカタログ最後ページには、

西武自動車販売社の取組みや販売やアフターフォロー、PDIに関する説明書き。
『西武自動車販売は、1963年の創立以来、「一人一人のお客様に、一つ一つの満足をお約束する。」をモットーに、一貫して輸入車を取り扱ってきました。』

ディーラー全景やサービス部門の様子など写真で表現することで信頼を訴えていますね。
1995年当時のカタログと一緒に価格表の添付がありました。

特にチェロキー・スポーツは300万円を切る戦略的な価格設定も手伝って大ヒットしましたね。西武自動車販売社もさぞ忙しかったのでしょうね(^^) 西武+自動車さんのコメントにあるとおり、これは西武自動車販売社に吸収合併後のカタログということになるのですね。
もう一つ、西武+自動車さんから興味深いコメントを寄せてくださいました。以下、引用します。
>①西武自動車販売
>1960年に西武百貨店商事部自動車課から発展した「西武自動車販売」(シボレーやホールデンを販売)と1963年に西武百貨店と西友と三菱商事が合同出資してつくられた「西欧自動車」(初期にはフィアットやフェラーリ、ボルボそして69年よりシトロエンを販売)が71年に合併し「西武自動車販売」となりシトロエンと71年にはサーブ、76年にはプジョーと日本総代理店契約を結び、クライスラージャパンセールス吸収合併される95年まで存在。
私にとって、西武自動車販売社は、古くはサーブ・シトロエン・プジョーしか取扱いがなかったのかと思っていたら、そうではなかったようです。
以前ご紹介したこれら西武自動車販売社総合カタログ。中身の紹介は以前ブログで記したので、今回はスルーします。ご覧なりたい方は
こちら をご覧ください。

おそらく1982年のモノと思われるカタログと1985年のモノ。
1982年モノカタログの裏表紙には、

この頃の取扱い車種には、シトロエン・プジョー・サーブの他に、「シボレー・ビュイック」も取扱っていたのですね。ということは、クライスラーを取扱うずっと以前には、ライバルのGM系を取扱っていたということになります。残念ながら、この総合カタログにはそれらアメ車の写真がありませんでした(*_*)
さて、スウェーデンの名門サーブも取扱っていました。私が保有しているサーブの一番古いカタログは1982年でした。

左が1982年、右が1983年の900シリーズのカタログ。「SEIBU」の文字が誇らしげですね(^^)
この後小変更を繰り返しながら、西武自動車販売社から販売し続けています。
1991年の900・9000シリーズのカタログ。

900シリーズ最後のページには、

西武自動車販売社のサービスについて説明書きです。
『SAABを購入した時点で、オーナーはファースト・クラスの車を手に入れただけでなく、西武自動車販売が誇るサービス・ネットワークを得たことになるのです。西武自動車販売のトータル・サービスは、SAABをご愛用いただくすべての方にご利用いただけます。』
サーブ購入に際して西武自動車販売のサービスが万全であることを協調しています。高温多湿の日本で北欧のクルマを乗ることに不安がつきまといますが、信頼の西武自動車販売ならではのフォローは約束されたも同然なのでしょうね。
こちらは、1992年の900シリーズカタログです。
前年1991年カタログと同様に西武自動車販売社のサービスについて説明書きです。

実は1991年カタログと少々異なった表記が見られます。
それは、
『西武自動車販売のもとにはパーツ部門があり、あらゆるパーツを常にストックしています。たとえば手薄になるパーツが発生しても、それはスウェーデン本国のSAAB社より、迅速に補給されるのです。』
これが意味するところ、おそらくそれは、1992年をもって永年サーブの総輸入販売元を担ってきた西武自動車販売社の取扱いが終了することによるものと推察されます。
西武自動車販売社で買い求めたサーブオーナーにとって、修理やアフターサービス等で不安とならないための配慮なのかもしれません。
1992年カタログの裏表紙です。

西武自動車販売社のカタログであるのは間違いありませんが、何かにお気付きでしょうか。
それは、
「知性あるモーターライフ」のキャッチコピーが一切見当たりません。これまでの通例では必ず
「SEIBU」のロゴとともに記載されているキャッチコピー。それらがないというのは、極めて珍しいカタログなのかもしれません。
1971年からおよそ20年間に亘って取扱い続けてきたサーブ。日本へスウェーデンの名門サーブというブランドを紹介した西武自動車販売社は多大な貢献をしたと言えるでしょう。
今回もう一つ取り上げたクライスラーも同様、西武自動車販売社という絶大な信頼性があったからこそ、直営店や全国津津浦浦に網羅されたディーラー網によって、多くのファンや顧客に販売されたのでしょうね。
つづく
※追記 西武自動車販売社のサーブのCMを見つけたのでどうぞご覧ください。
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Posted at
2015/02/07 22:43:35