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2015年09月23日

ランチア・リブラ ステーションワゴンを見かけて思ったこと

ランチア・リブラ ステーションワゴンを見かけて思ったこと 先日高速道路を走っていたら、珍しいランチア・リブラ ステーションワゴンを見かけました。私にとって実車を見たのは、これが初めてのことかもしれません。

ということで、今回はこのランチア・リブラについてスポットを当ててみたいと思います。リブラは、デドラの後継モデルとして1999年にドイツ・フランクフルトモーターショウで発表されました。

先代のデドラと同じく、セダン&ステーションワゴンというラインナップ。この手のモデルとしては極々普通のラインナップですね。

日本ではランチアの正規輸入販売元と言えば長らくガレージ伊太利屋が知られていますが、残念ながら1990年代半ばにはランチアの販売から撤退しました。

前述のデドラ始め、テーマやデルタなどはガレージ伊太利屋が正規で販売していましたが、リブラの販売時期は1999年以降のこと。

リブラなどそれ以降のランチアのモデルは、複雑ながら並行輸入扱いでガレージ伊太利屋が取扱っていました。

(ここからはウィキペディアより)
基本的なデザインは初代イプシロンも手掛けたエンリコ・フミア氏。

しかし、デザインに関して首脳陣と意見が対立したため、ランチアを去りました。その後、リブラはコンセプトカーである「ディアロゴス」に則ってフロントマスクを中心に手直しを加えられたそうです。
(以上)

  ≪ディアロゴス≫

エンリコ・フミア氏にとっては手掛けたモデルを市販化まで見届けることなく、志半ばでランチアを去ったのは不本意だったでしょうね。

(もう一つウィキペディアより)
ステーションワゴンでは、フロントウィンドウ両端からルーフを通ってテールレンズまでシルバーのラインがあるのは、ピニンファリーナに在籍していたエンリコ・フミア氏のデザインをそのまま踏襲。
(以上)


デザインを退屈させることなく、個性を持たせたのはリブラ・ステーションワゴンの特長ですね。

さて、ここに取り上げるのは、リブラのリーフレット。

見開き2ページの簡素なつくり。

実はこれはガレージ伊太利屋発行のリーフレットではなく、当時並行輸入販売で名を馳せた「オートトレーディングルフトジャパン」という会社がつくったモノ。余談ですが、この会社は吸収や合併で今は存在しませんが、「マネーの虎」の南原社長と言えば察しがつくでしょうか。

どういう経緯でこのカタログを入手したのか今となっては覚えていませんが、リブラを販売するために簡素ながらもちゃんとつくられたのは立派と言えるでしょうか。

見開きページ。

『新しいコンフォートミドルクラス「リブラ」。ランチアの伝統とともに』

丸目4灯のフロントマスクはリブラのアイデンティティともなっていますね。ちょっと愛嬌のあるフロントマスクでもあります。

こちらは左上の内装の拡大。

『「あなただけのリビングルームのように』と謳われる仕上げの美しいインテリアはランチアだけの世界。』

中級グレードはアルカンターラが標準での装備となるようですね。

ちなみにレザーは全グレードでオプションとなります。


オートトレーディングルフトジャパンが日本へ導入した仕様は、直4 1.8L&直5 2.0Lの2つのガソリンエンジンタイプ。MTが選べるのはイタリア車の特長と言えるでしょうね。

こちらはボディカラーのラインナップ。

ソリッドやメタリックなど全部で11もの色から選べるのですね。

リブラはプリズマからデドラへと流れを汲むランチアのミドルクラスセダン。

  ≪プリズム≫

  ≪デドラ≫
それまでのスクエアなデザインから代替わりするにあたって丸みを帯びたデザインとなり、新しいランチアのデザインへと変貌を遂げました。

しかし、リブラは商業的な成功は得られませんでした。原因は複合的に重なり合って販売不振に至ったのでしょう。

もし仮にデザインに原因があるとすれば、リブラに「ディアロゴス」のテイストは合わなかったのか。そうだとすれば、エンリコ・フミア氏がつくりあげたフロントマスクのデザインとはいったいどのようなものだったのか。残念ながら、今となっては調べる術はありません。

ところで、その後のランチアのラインナップを見ていると、テージスなどのラージクラスも決して商業的に成功しているとは思えませんし、WRCで席巻したデルタも代替わりしてからは同じように成功しているとは思えません。

  ≪テージス≫

  ≪デルタ≫

そんなときに、クライスラー・フィアットオートモビルズグループCEOであるセルジオ・マルキオーネ氏の「ランチアブランドに対する野心はなくなった。」という発言はランチアの終焉を意味しています。
(参照: クライスラー・イプシロン日本新車販売終了が意味するもの

推測に過ぎませんが、リブラの開発当時からすでにランチア内部では不協和音が生じていて、組織自体もあまりよい雰囲気ではなかったのかもしれません。そのことがクルマづくりにも大きく影響を及ぼしていたのかもしれませんね。

リブラは結局日本へ正規導入は果たさなかったことで、輸入台数も極々わずか。なので、街中で見かけることも本当に稀です。イタリアン名門ブランドでありながら、日本で知られることがあまりないランチア。今回遭遇したことで改めて再認識した次第です。

※イメージキャラクターにハリソン・フォード氏を起用しているTVCMを見つけたのでどうぞご覧ください。
ブログ一覧 | イタリア車 | 日記
Posted at 2015/09/23 20:45:59

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この記事へのコメント

2015年9月23日 22:51
ランチアの謎は、ラリーデルタの成功によるイメージをなぜ崩したのか、ですが、

フィアット全体の思惑なのか、もともと伝統的にはラグジュアリーなメーカーだったところへの回帰を狙ったのか。
ある意味ストラトス、ラリー、デルタの流れが異端だったのでしょうかね。
コメントへの返答
2015年9月24日 19:00
コメントありがとうございます。

デルタは長らく生産が続けられ、基本設計が古いためモデルチェンジが急務でした。

モデルチェンジに際してはキープコンセプトとはならず、大胆なイメージチェンジを図りラグジュアリーなものとなりましたね。

ランチアはもともとイタリア車でも高級なメーカーなので、ストラトスや先代デルタなどは異端だったのかもしれません。

市場のニーズがうまくマッチしなかったのか、近年はどのモデルも商業的に成功はしませんでした。かつての名門ブランドも惨めなものです。
2015年9月23日 23:37
こんばんは。
車のCMというより映画のダイジェストの様な作りですね、
これがランチアでなかったら車の印象が薄くなってCMとしては駄目かも。
コメントへの返答
2015年9月25日 7:43
コメントありがとうございます。

ストーリー性があって魅せるつくりのTVCMですよね。

観ていて気付いたのですが、ハリソン・フォード氏運転のリブラ(美女が同乗)を追いかける悪役のクルマ。エンブレムは伏せてあるものの405セダンですね!
2015年9月24日 20:53
こんばんは、Gentaさん。
少し前にテージスが普通の中古車販売店に置いてあって、誰が購入するんだろう? と不思議に思ったことを思い出しました。

ハリソン・フォードといえば、ジャック・ライアンを思い浮かべる私です(笑)。
コメントへの返答
2015年9月25日 7:52
コメントありがとうございます。

テージスを見かけたことがありますが、大きさにビックリしました! さすがフラッグシップですね。

おそらく中古車市場に流通しても、捌くのに苦労しそうです。

ちなみに私にとってハリソン・フォードと言えば、インディ・ジョーンズシリーズですね(*^_^*)
2015年10月28日 8:15
初めてまして、
なかなかフミアを語る人は少ないですね〜
ランチアはイタリアの宝石と言われ古くから貴族に愛用されてます。
革新的なメカニズムの割には、古典的なオーナーの為にブティックを持ったり、内装に落ち着いた雰囲気持った車が多いですね。
古くは上質で粋な車でしたがフィアット傘下に成ってからは、輝きがなくなりました。
その中でもフミアデザインは一筋の光が見え始めた所なんですが
古い西武のカタログシリーズ楽しく読ませて頂いてます。
コメントへの返答
2015年10月28日 20:27
ようこそお越しくださいました。コメントありがとうございます。

私はイタリア車は好きですが、実はあまり詳しくはないのでカタログや雑誌等で知識を得ています。

ランチアはイタリアの名門ブランドとして古くから名を馳せていますが、おっしゃるとおり昨今はかつてのような輝きは感じられませんよね。

自動車業界は生き残りを掛けて再編が進んでいますが、それによってランチアブランドがなくなるかもしれないとなればとても残念なことです。

>古い西武のカタログシリーズ楽しく読ませて頂いてます。
お褒めいただきありがとうございます(^_^;) 大した知識も持ち合わせていないのですが、自分も勉強のつもりで飽きもせず記しています。ご期待いただければと思います。

以上、長文失礼しました。

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「@こまじろう さん、つまるところ、OEMによるモデルなんですよね^^」
何シテル?   03/09 10:57
クルマ大好きです。日本車、ドイツ車、イギリス車、イタリア車、フランス車、スウェーデン車などなど。ブログではいろいろなことを記していて、時には違った切り口で記して...
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