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2015年12月06日

マツダの多チャネル化によって誕生したオートザムのクルマたち

マツダの多チャネル化によって誕生したオートザムのクルマたち 今から25年ほど前のこと。当時、世はバブル景気の絶頂期で沸いていました。

日本ではセルシオやスカイラインGT-R、NSXなどの最高級セダンや高額なスポーツカーが飛ぶように売れ、どれもバックオーダーを抱えるほどの大盛況でした。

ちょうどその頃、マツダはトヨタや日産に負けじと、多チャネル化による事業展開とチャネル数に合わせたモデルを次から次へと多数投入していました。

当時あったチャネルとは、マツダ・アンフィニ・ユーノス・オートザム・オートラマ 以上5つのチャネル。どれもコンセプトに基づいたチャネルのようでした。今回取り上げるのは、その中の「オートザム」。

「あなたの街のカーショップ」のキャッチフレーズからわかるとおり、地域に根ざしたチャネルだったようですね。オートザム店は、マツダブランドの中ではKカーやコンパクトカーなど、比較的低価格帯モデルのラインナップを充実させていました。

その反面、イタリアのアウトビアンキやランチアといった名門ブランドを取扱っていました。つまり、マツダの低価格帯モデルとイタリアの名門ブランドという対極にあるモデルを取扱っていたので、オートザムチャネルのコンセプトがよく理解できない面もありましたが。

オートザムの設立は1989年。私が保有していたオートザム取扱いモデルのカタログ(の一部)をご紹介します。

キャロル・レビュー・AZ-3・クレフ。今でも車名が残っているのは、アルトのOEMを受けているキャロルだけ。何とも寂しい状況。

それぞれのカタログを簡単にご紹介。まずはキャロル。

1991年6月発行。Kカーとしては珍しい30ページにも及ぶ割とぶ厚いつくりで大きなサイズのカタログ。これは規格変更後の660ccになった後のモノ。


インパネ周りも室内もシンプルそのもの。

続いてレビュー。

1990年10月発行。実はこれ簡易カタログ。キョンキョンがイメージキャラクターでしたね(^^)♪

続いてAZ-3。

1991年6月発行。ユーノス・プレッソの兄弟車でした。

さて、今回一番ご紹介したいモデル。それは、クレフ。オートザムチャネルの純国産モデルとしてはフラッグシップモデル。

1992年5月発行。クレフがデビューした当時のカタログ。表紙はシックでありながらシンプルな仕上げ。総ページ数38ページにも及ぶつくり。

『新世代スポーツサルーン、クレフ誕生。』
オートザムチャネル誕生から3年の時を経て、満を持してようやくアッパークラスのセダン登場。「お楽しみはこれからだ。」のキャッチフレーズが期待の表れといえるでしょう。

マツダは各チャネルに兄弟車を設けました。マツダはクロノス、ユーノスが500、アンフィニがMS6、オートラマはテルスター、そしてオートザムがクレフでした。つまり、クレフの兄弟は5つあったわけです。



プロジェクターフォグランプを内側に配し、またグリルレスのフロントマスクは当時話題になりました。今こうしてみると、どこか愛嬌があって憎めない顔かもしれません。

このフロントマスクは上にも取り上げたキャロルを意識したものかもしれませんね。セダンとしては個性的なモノです。



インパネ周りも室内も特にこれといった特徴もなく、至って普通な感じ。


エンジンは基本的にV6搭載。2.5Lと2Lの二つ。


説明によると、フロントマスクやワイド&ローボディ、カーブを描くルーフラインはサイドシルエットの造形美などなど、デザインは凝ったものとしたとのこと。

ラインナップ紹介ページ。



エンジンと駆動形式によりますが、基本的にモノグレード。あとはパッケージOP.で装備が変わるシステム。

当時マツダはクロノスファミリーを5つのチャネルで取扱っていたこともあり、顧客にとって混乱を来たしたようでした。その中でクレフは好き嫌いわかれる個性的なデザインが災いして、残念ながら販売増には繋がりませんでした。1994年3月には生産終了。たった2年足らずでその幕は終了しました。

また、マツダは企業の規模に見合わない事業拡大によって、バブル期に多チャネル化を推し進め、シトロエンやアウトビアンキ、ランチアといったヨーロッパのブランドの輸入販売権を得ました。

バブルの崩壊とともにその煽りを受けたことで、チャネルの縮小・統廃合やモデルの統廃合など、ようやく身の丈に合った経営を強いられました。当時のマツダは、得るものよりも失うものの方が多かったことでしょう。

昨今では力強いデザインやディーゼルで再び息を吹き返したように感じられますが、それもこれも過去の失敗から学んだのかもしれません。

こうして振り返ると、クレフはとても不運なクルマでした。ただ言えることは、デザインの良し悪しは別としても、デザインに力を入れたクルマであることがカタログを通してわかります。最終モデルからすでに21年経ているので、今でも現存する個体がいるのかとても気になりますね(^_^;)

オートザム各モデルのCMを見つけたのでどうぞご覧ください。


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Posted at 2015/12/06 16:47:20

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この記事へのコメント

2015年12月6日 18:31
キャンバストップの設定がマツダは多かったですね。
DYデミオが最後のキャンバストップだったでしょうか、できればまた復活してほしいです。
コメントへの返答
2015年12月6日 20:33
コメントありがとうございます。

他メーカーと差別化を図るためかキャンバストップの設定モデルはたしかに多かったですね。

一時期流行りだったようですが、現在ではほとんど皆無かもしれません。復活望みたいですね!
2015年12月6日 20:11
こんばんは~。

オートザム店懐かしい響きです。(笑)

当時、近所のガソリンスタンドの一角にオートザム店が出来ました。
ガソリンスタンドの一角であったのでお店もそれほど大きい建物ではなく当初はレヴューが建物の中に展示されていたりもあったもののその後クルマが展示されることはなかったような…

結構、オートザム店はガソリンスタンドや整備工場にお店を設けるところが多かったですね。

クレフ自体も当時は見た記憶がないかも…
現在、残っていると貴重な存在ですね。
コメントへの返答
2015年12月6日 20:43
コメントありがとうございます。

現在でも「マツダオートザム」というディーラーは残っていますが、純粋な「オートザム」とはまた違いますね。

ガソリンスタンドの一角に小さなショールームを設けたオートザム店は私も見たことがあります。

オートザムの取扱い車種が低価格帯モデルなので、そもそもの成り立ちからして、ガソリンスタンドや整備工場が名乗りを上げる店があったようですね。

ラインナップからすれば、キャロルの横にランチアが並ぶということは十分あり得たはずですよね(^_^;)

クレフは3年ほど前に偶然見たことがあるのですが、その後どうなったか今でも気になっています。
2015年12月6日 21:42
当時のマツダは5チャンネル体制で一気に取り扱い車種を増やそうとして自社ブランドの兄弟車に加えて輸入車でラインナップを補おうとしていましたが、ユーノス店ではロードスターとハイドロのシトロエンBX、オートザム店では軽トラやキャロルと一緒にフェラーリエンジンのテーマ8.23を並べて販売するというすごい状態になってましたね。

いきなり90年代の電子制御&イタリア品質のテーマやハイドロシトロエンを持ち込まれたサービス現場はさぞ苦労したんでしょうね^^;
コメントへの返答
2015年12月7日 18:59
コメントありがとうございます。

当時のマツダはある意味勢いがありました。マツダくらいの規模の会社が果たして大丈夫かと気を揉んでおりましたが、案の定、ツケが回ったみたいですね。

実際にディーラーで見た記憶がないのですが、スクラムやキャロルの隣にランチアが並んでいたということですよね。

ユーノスもオートザムもヨーロッパ車の販売を始めたことで、アフターケアなどの面でディーラーサイドの苦労は相当なものだったのでしょうね(^_^;)
2015年12月6日 21:43
おばんです。

クレフ、懐かしいですねー。就職した頃に職場の先輩が乗っていて、「なんだこの車は!」と慌てて調べたことを思い出しました。その先輩は「カタチはスポーティーなんだけど、室内高があっていいんだよね」って言ってましたね。

カタログのリアビューを見ると、なんとなくアメ車な雰囲気もなきにしもあらずですね。
コメントへの返答
2015年12月7日 19:05
コメントありがとうございます。

クレフのデザインについては良し悪しはありますが、かなり個性的でしたね。

上述していますが、カタログによると、デザイン・造形はかなり凝ったものとなったようです。

それが仇となったか、評価は散々だったようですね。特にフロント周りはキャロルと酷似してしまって、評価されなかったのかもしれませんね。

リアビューはたしかにアメ車風かもしれませんね(^^)
2015年12月6日 22:54
多分 家の何処かにレビューのコマーシャルビデオが。でもカビてるだろうなぁ(つД`)ノ
しかし、もしマツダがアマティを展開していたらどうなっていた事やら
コメントへの返答
2015年12月7日 19:15
コメントありがとうございます。

当時コマーシャルビデオはクルマがデビューするとよく配布していましたね。私もレビューはもっていませんが、マツダではNAロードスターを持っています♪

>もしマツダがアマティを展開していたらどうなっていた事やら
バブル崩壊などさまざまな要因が絡み合って、開発中止になった幻のモデル。当時アマティ1000?のスクープ写真を見た記憶があります。当時のマツダはどこを目指していたのか、今でも不思議に思います(^_^;)
2015年12月6日 23:16
こんばんはです。

オートザム、懐かしいですね。
当時はマツダの宣伝の仕事をしていて
オーザムの販促を担当しておりましたよ。

担当エリア(関東甲信信越)のショップ担当しておりましたので
毎月2回はチラシを作っては折込をしておりました。
(1回の印刷が数千万になっておりましたよ)

ランチャを売るために都内のショップを束ねて
試乗会をするなどバブルの時代が懐かしいです(^_^;)
コメントへの返答
2015年12月7日 19:20
コメントありがとうございます。

kiyoC4Picassoさんはオートザムの販促に携わっていらっしゃったんですね!

裏方から見られたオートザムってどんなものだったのか、とても興味を覚えます^^;

>(1回の印刷が数千万になっておりましたよ)
やっぱりバブルの華やかな頃だったんですね(*_*)

プロフィール

「@こまじろう さん、つまるところ、OEMによるモデルなんですよね^^」
何シテル?   03/09 10:57
クルマ大好きです。日本車、ドイツ車、イギリス車、イタリア車、フランス車、スウェーデン車などなど。ブログではいろいろなことを記していて、時には違った切り口で記して...
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