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2017年05月23日

幻に終わったフォード・マスタングの右ハンドルモデル

幻に終わったフォード・マスタングの右ハンドルモデル フォード車の輸入販売を日本から撤退すると発表があったのは2016年の年が明けて間もない1月のこと。

撤退の決断を下したのは日本の輸入販売を請け負っていた当時のインポーター「フォード・ジャパン・リミテッド」(以下、FJL)ではなく、親会社の本部。

その発表によると、「日本は世界のなかで最も閉ざされた自動車先進市場」を理由にして、あくまでも親会社側には何の非もないことを強調。

販売戦略だとか販売網、装備を含めた仕様などすべてが日本市場にマッチしていたのかどうかは不明ですが、少なくともかつて300を有していた販売網は晩年には60足らずだったのは事実。

いずれにしても、特殊性が強い日本の輸入車事情にいかにして立ち向かうかというしっかりとした戦略を立てられなかったことが要因の一つと考えます。
(参照: フォード日本撤退が「閉ざされた市場」という理由は本当か

そんなこんなでフォードが2016年末に日本市場から撤退してすでに半年近くが経とうとするこのタイミングで、フォード社CEOのマーク・フィールズ氏が退任するというニュースが駆け巡りました。

産経ニュースから以下一部引用します。

フォードのマーク・フィールズCEOが退任へ 業績不振、元マツダ社長
2017.5.22 16:43

米主要メディアは22日までに、米自動車大手フォード・モーターのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)が退任すると相次いで報じた。2016年10~12月期決算の純損益が赤字に転落するなど業績が低迷、CEO就任後に株価が大きく下落したことを株主から批判されており、事実上の引責辞任とみられる。

フィールズ氏は14年7月にCEOとなり、販売不振が続いていた日本から昨年で撤退するなどの合理化を推進。また、人件費が安いメキシコでの新工場建設を計画したが、雇用流出につながるとしてトランプ米大統領が就任前に批判。フォードは撤回に追い込まれた。

(引用終了)

マーク・フィールズCEOと言えば、マツダがフォードグループ下にあった1999年から2002年まで社長を務めた人物。

調べてみたら、現在でも使われている“Zoom- Zoom”というキャッチフレーズは彼の肝いりによるものだとか。

2014年よりフォード社CEOにマーク・フィールズ氏が就任。大規模リストラなど実績を上げた彼を持ってしても、近年では株価低迷が原因による引責辞任をしたのが真相のよう。

当初は大英断と思われた合理化も、販売戦略や時代などの判断を見誤ると経営責任を問われることに繋がる。最高経営責任者とはそんなものですね。こうした判断はドライです。

ようやく本題です。

さて、FJLの当時のCEO森田俊生氏が2015年6月のJAIA(日本輸入自動車組合)の特集記事で組まれたトップインタビューを読んでみると興味深いことがわかりました。以下一部引用します。

>この限定車(マスタング50YEARS EDITION)は左ハンドルのみですが、今年の後半には右ハンドルモデルや5.0リッターV8エンジン搭載モデルも導入を予定しています。
(引用終了)

これまでマスタングは左ハンドルのみのラインナップでした。純アメリカンなモデルなだけに当然と言えば当然のこと。それが、右ハンドルを導入する計画があったんですね。

2015年11月に名古屋モーターショーを訪れました。そのときにフォードブースで配布していたチラシをもらったんですが、それがコチラ↓

『2016年導入予定  右ハンドルモデル  日本初上陸!!』

その後年明けの2016年1月にはフォード社から日本市場撤退発表があったわけです。時系列で追っていくと、日本市場撤退はタイトなスケジュールの中での突然の発表だったことがわかります。

ところで、「ワン・フォード」という世界規模の販売戦略の中、実現した右ハンドル仕様のフォード・マスタング。日本の道を走ることの叶わなかった右ハンドル仕様のマスタングに出逢ってみたい!

  ≪画像は拝借しました。≫
左ハンドルが当たり前だと思っていたマスタング。日本の道路事情を考えれば、断然右ハンドルの方が合っています! もはや「マスタング=左ハンドル」で選ぶ時代ではないですね。

右ハンドル仕様のマスタングについては こちら に詳しいですが、興味深いことが書かれてありました。一部引用します。

>生産は左ハンドル同様、ミシガン州フラットロックで行われる。かつては「マツダ・アテンザ」(マツダ6)が生産されていた工場である。
(引用終了)

フォードは世界中に生産工場を持っていますが、マスタングはハンドル位置に関係なくアメリカなんですね。

もう一つ興味深いことが書かれてありました。引用します。

>フォードは右ハンドルのマスタングについて、イギリスとオーストラリアにそれぞれ4000台を割り振っており、そしてプレオーダーの段階でその数を完売している。これに対し、日本向けはわずかに500台と、ニュージーランド向けの600台より少ない数字だったという。
(引用終了)

世界的に見ても右ハンドルの国はせいぜい2割程度のはずですが、その中にあって日本向けが500台。この数字が多いと見るのか少ないと見るのか。日本のフォード車の事情から考えて結構多いような気がします。

さて、調べていて見つけたこの写真は船で陸揚げされたばかりの右ハンドルのマスタング↓

  ≪画像は拝借しました。≫
オーストラリアの港に到着したばかりの右ハンドル仕様のマスタングらしいのですが、この仕様が日本の道を走る姿をぜひ見てみたかったですね!

マーク・フィールズ氏の合理化策による日本市場からの撤退がなかったとしたら、右ハンドル仕様のマスタングが間違いなく日本の道を走っていたでしょう。

フォード車の日本再上陸は期待したいところですが、マーク・フィールズ氏の退任によって事態は変わるとはなかなか考えにくいでしょうね。もし、仮に再上陸が叶うならば、右ハンドル仕様のマスタングはぜひ導入してほしいですね。

※生産工場で右ハンドル仕様のマスタングの生産する動画を見つけたのでどうぞご覧ください。
ブログ一覧 | フォード車 | 日記
Posted at 2017/05/23 22:04:48

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この記事へのコメント

2017年5月25日 7:59
おはようございます。連日のコメントにて失礼いたしますm(__)m

右ハンドルのマスタングは名古屋をはじめ、国内数ヶ所での輸入車ショーに先行出展されたようで、実車をご覧になった方も多いと思います。私は一度も見る機会がなかったため、いまだに心残りになっています(涙

日本撤退決定後にFJLの事情通に聞いたところでは、それら右ハンドルのデモカーはすべてオーストラリアへ移され、国内には残存していないとのことでした。
本来であれば、撤退発表のわずか数ヶ月後には正式に右ハンドル車やV8・コンバーチブルを発表予定で、いわばFJLはスタンバイ状態だったわけで、関係者および右ハンモデルを心待ちにしていた方の無念さたるや。。私もぜひ、日本で右ハンドルのマスタングを走らせてみたかったです。
コメントへの返答
2017年5月25日 20:56
こんにちは。コメントありがとうございます^^;

名古屋モーターショーを訪れていたのに、実はマスタングのRHD仕様を間近でしっかりと見た記憶がないのです、、、 なので、私も心残りです(涙

日本への割り当て分500台は結局のところ右ハンドル圏へ出荷するしかなかったでしょうね。

オーストラリアは4,000台が割り当てられるくらいなので、需要があったのでしょうね。きっとオーストラリアにとってプレオーダーで完売したということなので、急きょ割り当て分が増えたことはラッキーだったことでしょう。

以前、DS3Racingにも似たようなことがあって、第三国の割当分が急きょ日本向けに割り当てられたということがありました。事情があまりにも似ていますね。

おっしゃるとおり、撤退がなければ数ヶ月後には発売するはずです。なので、自動車マスコミ向けの試乗会や発表展示会、カタログ印刷などすべてが準備されていたはずでしょう。FJLにとって無念だったでしょうし、何よりもフォードファン・オーナーにとって残念極まりなかったことでしょう。

RHDマスタングが日本の道を颯爽と走る姿をぜひとも見てみたかったですね。

毎度ながら、フォードに関する情報提供誠にありがとうございます。

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