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2021年11月30日

《》パトリック・ル・ケモン氏の偉大な功績

《》パトリック・ル・ケモン氏の偉大な功績
デザイナー、パトリック・ル・ケモン。(冒頭画像)

ご存じの方もきっと多いでしょう。

かつてルノーの数多くのモデルを手掛けたことで知られる名デザイナー。副社長の要職も担いました。

ル・ケモン氏はシムカ・フォード・VW&アウディグループを経て、1987年にルノーへ移籍。

ル・ケモン氏はルノーでどのようにして、どのような経緯でデザインに関わっていたのか。興味深い記事を見つけたので、取り上げてみることにしましょう。

記事の引用は、2005年7月発行モーターマガジン社のインポートブランドシリーズ02「ルノー」から。インタビュー形式です。長文なので要約しています。

(引用開始)
Q.デザインに対する考え方やどういうことを伝えたくてデザインをしているのか。

Patrick le Quement(以下「PQ」)
コンセプトは強い個性を持つこと。それをベースにスタイルも個性を持つようにデザインしている。それは事情が許す限りである。昔、「なぜクルマは全部似ているのか」という質問が多かったが、私が入社してからはその質問はまったくなくなった。その点では役割を果たせたと思う。

(引用終了)

彼のデザインの特徴でもあるのが「個性」。テーマとしていたのですね。
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  ≪画像は拝借しました。(アヴァンタイム)≫
代表例を挙げればアヴァンタイム。コンセプトが他には類を見ないクーペであり、そのデザインはまさに「個性」の塊。

続けてインタビュー記事です。

(引用開始)
Q.アヴァンタイムやメガーヌのリアの形が個性的で特徴的だが、あのようなデザインを創造するきっかけは?

PQ-1988年から現在(2005年)まで、ルノーのデザインは3つの段階を経ている。最初は1988年から7年間。個性のコンセプトを重視した。当時、発表した戦略的なデザインがトゥインゴで、その後さまざまなモノスペースをデザインし、最終的にセニックができたんだ。
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  ≪画像は拝借しました。(メガーヌ・セニック)≫
PQ-次が1995年から7年間。ここでは個性的なアイデンティティを訴えた。30m離れたところから見ても、「これがルノーなんだ」と言わせたかったんだ。そして現在(2005年)は、2002年から始まった第3段階で、魅力を増すことに傾注している。これからどんどん魅力的なクルマが出てくるよ。
(引用終了)

1987年に移籍して当時の会長からデザインを任されたそうですが、彼の思い描いていたことを巧く実際にデザインに反映させることができたのでしょうね。

入社しておよそ7年のスパンで、手腕は存分に発揮されたことでしょう。そのどれもが個性あるルノーの名モデルですね。

続けてインタビュー記事です。

(引用開始)
Q.第3段階の魅力が最初に出るのは何か。

PQ-2004年のパリオートサロンに展示したフリューエンスがこれからのルノー車のデザインの方向になる。第1段階の「強い個性」、第2段階の「強いアイデンティティ」、第3段階の「魅力」に繋げていく。つまり、強い個性、強いアイデンティティに加えて、今度はより魅力的なものにしていくということだ。
(引用終了)
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  ≪画像は拝借しました。(フリューエンス)≫
ル・ケモン氏が関わったデザインの変遷をたどっていくと、わかりやすいものであることに気付きます。そもそものテーマとしているのが「個性」だからなのでしょうね。

それにしてもフリューエンスが元となっているモデルとは何かと考えると、時期的に符合するのは、2007年デビューのラグナ3や2008年デビューのメガーヌ3あたりはどこか似ていますね。

そんなル・ケモン氏。インタビュー記事でスポーツカー好きの一面も覗かせ、所有しているのはフェラーリ328GTBとのこと。
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  ≪画像は拝借しました。(フェラーリ328GTB)≫
個人的に328は好きなフェラーリのトップです! ル・ケモン氏は1960年代から1980年代までのピニンファリーナデザインが好きとのこと。

ル・ケモン氏が手掛けたデザインはもしかしたら少なからずピニンファリーナに影響を受けているのかもしれませんね。

このインタビュー記事はかなりボリュームがあって、読み応えがあって全部を取り上げると長文となってしまいます(^_^;)

その中から最後にインタビュー記事中で興味を惹いたのがこちらです。

(引用開始)
Q.好きなデザインのトップが何か。

PQ-それはトゥインゴだ。ルノーに入って、初めて100%担当したクルマだし、本当にこのクルマを出すために闘ったから。
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  ≪画像は拝借しました。(トゥインゴ)≫
PQ-例えばデザインクリニックをやったとき、25%は非常に好き、25%はまあまあ、50%はまったくダメという評価だった。このクリニックの後、デザインを変えるために大変なプレッシャーに負けて3日間有給休暇をとった。戻ってきて、当時のレヴォ会長に手紙を書き、「会社としてはリスクをとらないことが一番リスキーだ」と直訴した。それでレヴォ会長がOKを出したんだ。その結果、トゥインゴは大成功を収めたよ。

数多くのルノーモデルを手掛けたル・ケモン氏にとって、初代トゥインゴは特に思い入れの強いモデルだったのですね。トゥインゴ開発に力を注ぎ、ブレずに自分自身の思いを貫いた姿勢は凄いと思いました。

ところで、ル・ケモン氏は2009年10月末をもってルノー社を退社しています。

1988年から1995年までの7年間は第1段階。1995年から2002年までの7年間は第2段階。そして2002年からの第3段階は2009年の退社までの7年間。

偶然の一致なのか7年間のスパンにわけて携わっているのですね。区切りをつけながら職務に携わっていたのかもしれませんね。

2009年9月からはマツダから移籍したローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏。それまでのル・ケモン氏とは一線を画すデザインは興味を惹きますね。
(参照: ルノーの新しいコンセプトに基づくモデルたち
ブログ一覧 | ルノー | 日記
Posted at 2021/11/30 22:37:09

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この記事へのコメント

2021年11月30日 23:11
アバンギャルドなイメージのル•ケモン氏が、ド・フィオラヴァンティ氏の(なのかな?)328が好きってのは意外でしたが、私もどっちも好きなんですよね〜(笑) 全く違う様で何か共有するところがあるのかな?
コメントへの返答
2021年12月1日 21:00
こんにちは。
328のデザイナーのことは知り得ておりませんでした、、、  調べてみたら、ピニンファリーナに在籍していたレオナルド・フィオラヴァンティ氏が手掛けたのですね。328は不朽の名作ですよね。288GTO
やテスタロッサ、F40など名だたる名モデルは彼の作だったのですね。デザインが美しいですよね。

ル・ケモン氏は328を所有なさるほどですから、フィオラヴァンティ氏のことを尊敬されていたのかもしれませんよね。

おそらくル・ケモン氏自身のデザインにも影響を及ぼしていることは間違いないのではないかと思われます。興味深いですよね。
2021年12月4日 20:48
こんばんは!
かつて特徴的なフロントマスクのラグナⅠに乗っていたた事もあり、デザインに携わったパトリック・ル・ケモン氏に関心があります!
当時のトレンドやルノーが民営化したもあり、がルノー車のデザインが直線基調から曲線を取り入れたモダンなデザインに変化した時期でしたね。

フェラーリやピニンファリーナの影響を受けた可能性があったのは初めて知りました。
アヴァンタイムは特別なモデルであり、デザインも当時としてはぶっ飛んでいましたが、トゥインゴⅠ、メガーヌⅠ等の大衆車を個性的で古さを感じさせない、一目でルノー車とわかるデザインに仕上げた功績は大きいかと思います。
コメントへの返答
2021年12月4日 22:01
こんにちは。
ラグナ1はル・ケモン氏が関わった名モデルですね! 先代モデルとなる21は直線基調でしたので、デザインの方向性は大きく変貌しましたね。民営化という時代背景があり、ルノー社としてもル・ケモン氏を招へいしデザインに変化を持たせたかったのでしょうね。

インタビュー当時の所有車が意外にも328ですが、単なるスポーツカー好きというよりはピニンファリーナデザインをリスペクトし、また惹かれて所有されていたのかもしれませんね。間違いなく彼の仕事にも少なからず影響は及ぼしているのだと思います。

彼が在籍した約20年間でデザインに3つの変遷があったことは興味深いことです。彼のテーマである「個性」がそのどのモデルにも存分に反映されていて、形として残したことは、ルノーにとって大きな財産となることでしょうね。それを考えると、功績はやはり偉大ですね。

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