つい先日、サーブ900(クラシック)についてブログで取り上げたばかりです。
改めてサーブというブランドの歴史を確認することができ、また、900(クラシック)の良さを再認識することができ、とてもよいきっかけをつくることができました。
(参照:
サーブ900というクルマ )
ブログに記してから10日余りのうちにサーブブランドが消滅するというショッキングなニュースが世界中を駆け巡りました。
関連ニュースを抜粋引用します。
「サーブ」ブランド来年消滅 70年の歴史に幕 2016.6.23 05:00
個性的な車体で日本でも根強い人気を誇ったスウェーデンの自動車ブランド「サーブ」(SAAB)が2017年に消滅することになった。経営破綻したサーブ・オートモービルを継承した中国傘下のナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)が21日発表した。
NEVSは、電気自動車(EV)に注力している。「多くの主要市場ではEVにとって転換点が近づいている」として、ブランドも「NEVS」として売り込みを強化する方針だ。
サーブは1947年、航空・軍需品を手掛けるサーブの自動車部門として誕生。1980~90年代には、日本でも高級志向の消費者を中心に個性的なデザインが人気を集めた。その後は米ゼネラル・モーターズ(GM)のグループの傘下に入ったが、販売の低迷が続いた。曲折を経たブランドは70年で歴史に幕を下ろすことになる。(ロンドン 共同) (引用終了)
NEVS社の買収によって復活劇を心から信じていましたが、近頃サーブが鳴りを潜めている感が否めなかったので気に掛けていた矢先の事態です。
これまでの事の経緯を簡単に記しておきます。1990年にはサーブ・スカニア社から自動車部門だけが独立し、2000年にはGM傘下で子会社化。2009年にはGMが経営破綻し、不採算部門のサーブを手放すことに。
2010年にオランダのスパイカーズ資本の下、販売を再開するも業績は上がらず、2011年には経営破綻。引受先を探していたところ、翌2012年にスウェーデンのNEVS社(中国の傘下)が買収。その後はサーブブランド復活に向けて模索検討していたようです。 (ここまでWikipediaの情報。)
NEVS社によれば、2018年までにサーブブランドのEVカーを5モデル発売すると公式にアナウンスがありました。
≪サーブ99≫
そして、2016年6月21日のNEVS社からのオフィシャルなアナウンスが上にある記事のとおり。今後はサーブブランドではなく、NEVSブランドで電気自動車を開発発売していくということのようです。
サーブブランドの使用は今後はなく、つまりそれは事実上サーブの終焉を迎えるというのが事の真相のようです。
振り返ってみると、GMの傘下に入ったことがサーブにとって大きなターニングポイントだったのかもしれません。リーマンショックに端を発する世界不況により、GMの経営が上手くいかなくなったことで、サーブは目指すべき指針を見失ったような印象を受けます。
ところで、私はサーブというブランドが好きです。以前のブログでも記しましたが、フランス車が好きになるずっと以前からスウェーデンのクルマが好きでした。サーブは航空機メーカーから出発したという点で特に惹かれました。
なので、古くからカタログを一所懸命集めてはカッコいいなぁと思いながらよく眺めていました。ほんの一部を並べてみました(^^)v
左上の1983年900カタログから右下2003年9-5カタログまで。販売がヤナセに移ってからは敷居が高く入りづらくなったので残念ながらサーブを見に行くことから遠ざかってしまいました。
私にとって好きなサーブ トップ3です(^^)♪
■9000
9000は1984年デビュー。900の兄貴分としてひと味違ったデザインですね。ティーポ4プロジェクトにより、アルファ164とフィアットクロマ、ランチア・テーマと兄弟の関係にありました。特にCDはセダンらしいデザインが素敵です♪
■9-5(ナインファイブ)
2010年デビューの第二世代9-5。13年ぶりのFMCによってボディサイズが一回りも二回りも大きくなりました。5mを超える全長は存在感あります。何と言ってもデザインが美しい。残念ながら実車を一度も見たことがありません。
■900(クラシック)
やっぱり外せません。サーブと言えば初代900は忘れてはならない名モデル。サーブをメジャーに押し上げるきっかけとなったモデルと言えるでしょう。
さて、NEVS社についてネットで調べていたら気になる記事と画像を見つけました。
なんと、サーブエンブレムのない9-3(ナインスリー)! これはいったい??
記事はことし1月のようです。この時点ですでにサーブエンブレムのない9-3がネットに流れているということは、これをそのまんま中国国内向けに市販するのでしょうか。
NEVS社の社長らしき人物が口づけしているのは何を意味しているのでしょうね。
もう一つ興味深い画像を見つけました。
サーブバッヂがグリルに貼られた9-3。エンジンルーム?にはバッテリーが収まっています。プロトタイプなのでしょうか。本当はコレを2018年までに販売しサーブブランドを継続してほしかったですね。
1947年に創業したサーブは来年2017年をもって70年の歴史に幕を閉じることとなりました。私にとってサーブブランドが消滅するというのはたいへん悲しいことです。
もしあのときGMではなく違う企業の資本の下で再生を果たしていたら…。今となっては理想論でしか語ることはできませんが、もしかしたらサーブはまったく別の道で生き残っていたかもしれませんね。
現在の自動車業界の厳しさを端的に知らしめた今回の一件。今後もブランドが消滅することは十分あり得ることを改めて思い知らされました。今後サーブブランドをまとったモデルが二度と現れないのかと思うと寂しい限りです。
Posted at 2016/06/25 17:30:38 | |
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スウェーデン車 | 日記