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カミさんが観劇して勧めてくれた「帰郷」は、福岡県人の俳優による福岡弁での芝居。入江雅人、池田成志、田口浩正らが福岡県人だということも普段意識してませんでしたが、「帰郷」はこれまで入江雅人が一人芝居でやっていた演目だとか。

どうせ観るなら同郷人と、と思いましたが、なかなか都合が合わず、長崎出身の先輩を誘って本日昼間に六本木の俳優座劇場へ。




内容はネタバレになるので端折りますが、博多時代の思い出がゾンビのように蘇ることが、苦しく感じられるようになった今だからこその感慨がある舞台でした。

福岡県人ならではの福岡弁がグルーヴ感を伴って繰り出されることは、県外においてはありそうで実は極めて稀で、繊細なニュアンスを持つ方言のチカラを感じたのでした。80年前後の音楽も、そのチカラを倍加してましたね。



観終わって外に出ると、冬の西陽が眩しかった。日曜の昼の六本木に何故こんなに人がたくさんいるのかわからず、いま自分がいる土地には思い出というゾンビが居ないことを、良くも悪くも感じざるを得ません。



帰宅して、孫たちとロイホ（福岡発）に出かけ、ついコスモドリアとオニオングラタンスープを頼んでしまう自分は、無意識のうちに思い出というゾンビを呼び込もうとしているのかもしれないなぁ。

あじこぼさんに更新無いけど大丈夫？とご心配いただきましたが、年明けから出張続きで、新幹線の中でもブログ書く余裕が無くなっております。

自転車に乗る機会がないからブログのネタ切れでもありますが、ならば出張先と東京を行ったり来たりする中で気になった食べ物の備忘録をば。


浜松の鰻は、以前から気になっていた店にようやく入店叶いました。明治創業のあつみ。



関西風の香ばしさと関東風のふっくらした舌触りを高い次元で両立させると、こんなに美味いのか！と唸りました。




東京のとんかつは、初訪問の高田馬場ひなた。



コロモの軽さと脂身の甘さが絶妙なバランスで、いきなり個人的ベスト3入り。次回は部位別食べ比べコースを試したくなりました。




大阪のロンドン？と思えるのは、オフィシナ・デル・カフェ。



ワークショップの疲れを癒してくれるのは、スコーンと紅茶。最近はウバがお気に入り。




東京の牡蠣フライは、安心のレバンテ。
目当ての的矢湾の牡蠣が翌日からと知ると残念だけど、揚げの技術はさすがであります。




京都のたぬきうどんは、あんかけと生姜で冬の名物。いつもの殿田食堂にて。



帰りの車内弁当は、初めての京漬物の寿司。汁物がないとちょっと物足りないけど、これも冬ならではの爽やかさ。




東京の雲呑麺は、久しぶりの高はし。
並ばず入れたことがないけど、寒風の中、今日は5人並んでました。



今ではあっさり醬油味の亜細亜のワンタン麺の方が好みだけど、鶏ガラスープの高はしも青葱一杯でカラダを温めてくれますね。



毎朝まんぷく見てると、シンプルなラーメンが食べたくなるのは私だけではないはず。(^^)

博多にいた頃は、初詣は三社にお参りするのが当たり前（例えば太宰府天満宮と筥崎宮と住吉大社など）でしたが、それが福岡を中心とした九州や山口、広島などの風習だと知ったのは、結婚した頃でした。

ともあれ、初詣で一社しかお参りしないと、なんとなく落ち着かないので、寝正月でダラけた心身にムチを入れるべく、自転車の初走りを最寄りの三社参りにしました。


まずは最寄りの天祖神社




千駄木の大平イチョウを経由して




年中無休ラジオ体操会場でもある諏方神社




富士山が見えなくなった富士見坂を下って




江戸時代には富士講で賑わった富士神社



はい、スッキリ。
でも10kmに満たないので、大したムチではありませんね。(^^)

年末年始に義母宅で寝泊りしていて、広辞苑を編んだ新村出さんの歌を、亡き義父のメモ帳から見つけました。



「小器われ晩成もせず永らえて凡器を抱き安らかに生く」

義父は母と同世代ながら、家父長的な男性像とは真逆の人で、それがとてもデモクラティックでモダンに感じられる人だったので、この歌に感じ入ってメモ帳に認めたことも想像に難くありません。

教科書で知った、石川啄木の「友が皆われよりえらく見ゆる日よ花を買い来て妻と親しむ」にも似たものを感じますが、還暦を迎える今年は、学生時代とは感じ方が少し違ってくる気もします。

そうして迎える毎年恒例のおせちバイキングには、4世代が集まります。



息子と姪は就職、甥は大学入学、孫は幼稚園入園、そして我が夫婦は還暦を、義母は90歳を迎える年ということもあり、この歌を新たなスタートを切る皆に紹介するとともに、驕らず卑下せず凡器を信じてたしかに生きる幸せを大切にしようね、と挨拶しました。



自分はと言えば、還暦を機に「学んだことを捨てる」勇気を持って、無垢な気持ちで一日一日を愉しんでみたい、というのが抱負です。できるかなぁ？(^^)