先日のアド街は博多で、新天町を取り上げていた。シブいなぁ。
今どきの若者やインバウンドは見向きもしない、天神町の最初の商店街だ。1946年創業だから、岩田屋より3年早い。
出張の合間におふくろを見舞いに帰省したので、ン十年ぶりに新天町も見てみるか。
かつてはこの新天町にロイホの親元となる洋食レストランロイヤルの1号店(1959年創業)があり、小学生の頃のハレの日は決まってここだった。今もあるオニオングラタンスープやコスモドリアもその一つ。
本屋はこの積文館と金文堂が当時一番の品揃えで、参考書や問題集はたしかこの階段を登ったところにあったような。
積文館と背中合わせのスポーツ用品店は無くなったが、金文堂の隣の木村カバン店は健在。ランドセルも修学旅行用のバッグもここで買ったはず。
おふくろの買い物は輸入服店レイメイで、毎回「どっちがよかろうか?」と尋ねられ判断を下す係をさせられていたから、店の人が呼びに来るまで積文館で待機していた。(^^)
…と歩いていたら、おふくろに連れられてよく食べに行っていた、あま太郎のちんめんを食べたくなった。
こちらは西鉄バスセンター地下の「味のタウン」にあったが、今でも周りがソラリアになっただけで同じメニューでやっている。元は甘味屋だからあま太郎で、今でもぜんざいがメニューにある。
ちんめんは、韓国冷麺にインスパイアされて作られた創作冷麺が起源らしく、鶏ガラ出汁に醤油を加えたスープに細麺。珍しい麺だからちんめんらしいが、今となっては極めてオーソドックスで素朴なもの。インバウンドが知らない博多のソウルフード。今日はホットもやしちんめん。
博多のソウルフードと言えば、ラーメンよりもうどん。私のイチオシは相変わらず、呉服町のみやけ。今回は博多駅から直行。(^^)
麺自体は製麺所に特注しているだけで自家製ではないが、麺は太めで表面がぶよぶよしかかる直前の茹で加減という点と、店で作るスープといなり寿司のアゲの味がなんとも控えめな点、そしてこの店内の佇まいが、唯一無二。ごぼう天うどんといなり2個で500円。博多文化遺産に登録した方がいい。(^^)
駅から直行と言えば、中洲ロシータのタコスも個人的ソウルフード。
今回はテイクアウトして弟の家で食べたが、考えてみればソウルフードは粉物ばかり。(^^)
ならばと、甥っ子が鯛を持って来ていたので、刺身で食べた後はゴマ醤油で鯛茶漬けに。胡麻鯖もいいが、鯛の甘みと弾力がたまらない。
おふくろを見舞いに行く時は、私のお気に入りのババノーが買えるコイデに立ち寄った。
先代が作ったババノーよりも小ぶりになって洗練された印象だが、バターがしっかり使ってあるビスケットは贅沢な気分になる。
取り上げた新天町もソウルフードも、60年代、70年代に人々が追い求めた豊かさの一端を感じさせてくれるが、西鉄が建てた福岡ビルも建て直しカウントダウンらしく、天神の歴史をポスター展示していた。
福岡ビルの二階には、高級文具店のとうじ、インテリアショップのNIC(西鉄と岩田屋の合弁事業)があり、福岡に居ながら時代の最先端を知ることができる場所だった気がする。
テレビドラマ寺内貫太郎一家(1974年)で知った横尾忠則の講演会がNIC主催で行われ、父を無くしたばかりの中学生の私には、「デザインで世の中を変える」仕事に興味を持つには十分な刺激だったなぁ、と。
あれ? ソウルフードの話から脱線しちゃった。(^^)
今回もう一つ思い出したソウルフードは、グルメ風月のビーフバター焼き。移転しながらもメニューは健在らしいので、次回はきっと。
Posted at 2019/03/10 16:21:51 | |
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博多 | 日記