
優雅なロングノーズで時代を切り裂いたS30フェアレディZ。
サファリの砂塵や、モンテの氷雪などは似合わない・・と考えられているが、日産は240Zをレースだけでなく、ラリーのフィールドでも活躍の場を求めた・・
サファリで’70年にブルーバード510が「メイクス」「クラス」「総合」の完全三冠を達成した翌年、サファリに不似合いな美しいロングノーズのスポーツカーがスタートラインに並んだ。
そのクルマの名前は「フェアレディ240Z」。
現地のマスコミだけでなく、他のライヴァルメーカーも240Zの登場に度肝を抜かれた!!
「DATSUNは気が触れた!?」
前年の活躍を考えれば、さらにパフォーマンスを上げて510が出てくると思っていたのに、それまで実績も無く、サファリのフィールドにはどう見ても不似合いな240Zが出てきたのだ、そんな日産にライヴァル達は驚きが隠せなかった。
しかし、日産の読みはしたたかであった。
510では高速化したラリーには勝てない・・・
果たせるかな240Zは初出場にも拘らず前年の510に続き、完全三冠をもぎ取ったのだ・・・
そんな240Zの高速運動性能をサファリだけに日産は留める事は無かった・・・
なんと、絶対にFRは不利といわれた「モンテカルロ」にも240Zを出場させたのだ!!
雪と氷に閉ざされたモンテ・・・
それまでFFやRR車しか優勝はおろか完走もままなら無いラリーであったが、日産は410ブルーバード、フェアレディーSR311とFR車で果敢にもモンテに挑み続けていた。。
その総決算として、さらに高性能な240Zでモンテに挑戦したのだ。
しかし、優雅で美しい240Zは性能的には何の問題は無かったが、逆にエクステリアはモンテでは不利以外の何物でも無かった・・・
狭い山岳ルートでは全長が長すぎたのだ・・・
ところがいざ、ラリーが始まると観客は240Zの豪快な走りに釘付けとなった!!
240Zの全長と変わらない狭い道幅の山岳路を、240Zは優雅なノーズの先で雪や氷の壁を削りながら、ほぼ全区間を真横にカウンターを当てながらクリアーしたのだ!!!
240Zは闘った・・・
’72年、出場台数264台中完走車両34台という例年まれに見る厳しい気候と条件の中240Zは総合3位、クラス2位という成績でモンテを終えた・・・
総合3位という成績は91年にセリカが総合優勝するまでの、モンテにおける最上位だったのだ・・・
240Zと言えばレースばかりの活躍が語られるが、実はラリーフィールドでも活躍した事を覚えていて欲しい・・・
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フェアレディ | クルマ
Posted at
2005/04/30 22:52:18