カローラ48万円、フェアレディ79万円、大学卒の初任給3万円・・・
そんな時代に車両価格「238万円」というプライスが、いかに桁外れだったか。。。
そのクルマの名前は「トヨタ2000GT」
僕は、このクルマは「ヤマハ2000GT」といっても差し支えないクルマだと思っている。
ヤマハは、トヨタと手を組むまで実は日産と本格的なスポーツカーの開発を進めていた。
復活!ブルーバード「日産とプリンスの光と影(日産の幻影フェアレディS)」
そのヤマハが、トヨタと手を組んで生まれたスポーツカが「トヨタ2000GT」だ。
正直に言って、当時のトヨタには「本物の
木ののインパネ」を作る技術など微塵も無かったし、ましてや「ツゥインキャム」など夢のまた夢の技術であった。
トヨタ2000GTのデザインは、まったくもってトヨタの内製で、デザイン力という点では、大いに評価してよいが、その他の部分ついては、
ヤマハ無くして2000GTは無し と言えるだろう。
トヨタ2000GTにはコーションプレートが二枚付けられている事はツトに有名なハナシだ。
一枚は「トヨタ自動車工業株式会社」のモノであり、もう一枚は「ヤマハ発動機株式会社」のモノである。
生産は静岡県の磐田市にあるヤマハの工場で、一台一台職人が手作りで作り、ピアノなどの楽器の技術を駆使してローズウッド製のインパネとスティアリングホイールを作り上げた。
エンジンは、ヤマハモータサイクルのツィンキャム・エンジンのノウハウを駆使し、最短で開発を終えるために、クラウンのエンジンをベースにヘッドをツィンキャム化して、これもヤマハが製造した。
ヤマハは、トヨタ2000GTのことを「技術供与」という形で、社歴などで紹介しているが、こういった前記の事からも、ヤマハは声を大にして、「自社開発」と言っても良いと思っているのだが。。。
さてさて話題変わって、このトヨタ2000GTは、一度大きなマイナーチェンジがされており、エクステリアなどが大きく変わった。
その中で、実はマイナー前のオーナー(羨ましい・・)にとって、もっとも変わったと言わしめた部分がある・・・それはインパネだ。
もちろん意匠も変わっているが、何よりも「木」の内容が変わっているのだ。
実は初期型は、今では考えられない
「ウォールナット一枚板」 で造られており、その美しさ、精度の高さは、後に世界を席巻する「三音叉」のマークが燦然と輝くピアノの木工技術が生かされている他にならない・・・
栄光のヤマハ「三音叉」マーク。ツウな君は「ヤマハ」と「ヤマハ発動機」の「三音叉」の違いが分かるかな!?・・・・閑話休題
しかし高温多湿の日本の風土で、しかもクルマという特殊な環境化では、その「ウォールナット一枚板」の収縮で「ひび割れ」が発生してしまうという、まさに前期型2000GTならではの問題があったのだ。。。
後期からは、「ローズウッド合板」が用いられる様になって「ひび割れ」の問題が無くなった・・という訳だ。
ボディサイドの「切り欠き」といい、
切欠 トヨタ2000GTのフェンダーの切欠きってなんだ!?
http://carlife.carview.co.jp/User.asp?UserDiaryID=285773&Year=2005&Month=6
その神戸製鋼と共同で開発した「マグネシュウムホイール」を復刻版でトヨタが見積もりを取ったら現代の価格で、一台分¥1,200,000 も原価が掛かる事が判明して断念しただの・・・
約40年前に造られたクルマとはいえ、まだまだ僕達に話題を提供してくれそうである。。。
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Posted at
2006/06/04 21:59:55