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2005年06月19日

逆襲 GT-R富士フルコースでロータリーに逆襲する。。

逆襲 GT-R富士フルコースでロータリーに逆襲する。。 世代交代を思わせる5月に日本GPの敗退で、マスコミや多くのレースファンの中からも「GT-Rの時代は終わった・・」との声が盛んに聞かれるようになった。。。

事実、この年の9月には、新しいスカイラン「ケンメリ」の登場がハッキリと分かっていたので、無理からぬことではあったが。。。

GT-Rにとって悪夢の5月からひと月後の6月。

そんな雑音を掻き消すかのごとく、GT-Rは富士グランドチャンピオン戦第二戦に出場した。

このレースはGT-Rのホームグランドである、富士の6kmフルコースで行われる。
6Kmフルコースに合わせてGT-Rは完璧なまでにセッティングがされていたのである。

このフルコースのテクニカルなコーナーを、日産パイロットたちの「秘儀」と「神業」を駆使すれば生き返るに違いない・・・そう思ったファンも少なからずいた事も事実である。。


    「かつては、フロントローが当たり前のGT-Rだったのに・・・」

レースの予選が終わった・・・

GT-R勢のはかない望みも「サヴァンナ」が打ち砕いてしまったのだ。。

GT-R乗りの「北野」、「都平」のテクニックを持ってしても、GT-R勢はセカンドポジションを取るのがやっとであった。

決勝の幕が切っておとされた!

重量が軽く、ローギアな真っ赤な「サヴァンナ」が、甲高いロータリーサウンドを響かせながら先頭でバンクへ突入する!
もはやGT-Rは、この「サヴァンナ」の後塵を拝するしかないのか。。。
誰もがそう思ったに違いない。

スタンドとピットの目が、次のコーナーの出口に注がれた瞬間、誰もが目を疑ったのだ!そこで聞えたのは、乾いたエキゾーストを響かせた懐かしいS20のサウンドと共に北野のGT-Rが先頭でマシンを真横になびかせ飛び出てきたのだ!

スタンドは一瞬の沈黙の後、大歓声へと変わった。

不屈の王者GT-Rが、その持てる全ての力と、北野の「秘儀」によって、「サヴァンナ」をコーナーで抜き去っていたのだ!

しかし、「サヴァンナ」はその軽量さを生かして、コーナーの出口ではGT-Rにぴったりと背後に付いている。
最終コーナーを立ち上がって、富士の長いストレートに入るや否や、「サヴァンナ」はGT-Rを事も無げに抜きさっていった。。

富士のストレートが、これほど「長い」とはGT-Rにとって「無常」というしかなかった。。

最大限のスリップを使って、それでも北野は「サヴァンナ」の追撃の手を緩めなかった。

6月というのに真夏を思わせる、鋭い日差しがマシン達を焼き付けているというのに、北野は空気抵抗の増大を嫌って 「コンマ一秒」 でも早く走る為に窓を閉め切っていた。

マシンから発する熱と、太陽の熱によってGT-Rの室内は「灼熱地獄」になっていたが、その熱地獄の中から北野の目は「サヴァンナ」しか見つめていなかった。。

再びコーナーが迫る、するとGT-Rがすかさず「サヴァンナ」に襲い掛かる、GT-Rが「サヴァンナ」を抜いた!
最終コーナーを抜けストレート・・「サヴァンナ」が抜き返す・・

レースの死闘は延々と続いた・・・

「サヴァンナ」が先行し北野が抜く、再び「サヴァンナ」が・・・

富士のコースは、まるでこの二車だけでレースが行われている様であった。。。

激しいぶつかり合い、二台の距離は皆無に等しかった・・・

そして、北野GT-Rはこのレースに勝利した。

表彰台に立つ北野は、灼熱のGT-Rの室内で戦い続けた為に脱水症状を起こしていた。。
本来なら勝利に喜び満面の笑みを浮かべる場面でありながら、北野の顔は青白く、コーラを持つ手は小刻みに震えていた。。。

GT-Rは勝った。

しかし、その勝利は北野の「神業」と、「執念」によって得られたモノの何者ではなかった。。。

GT-R終焉の時計は、無常にも刻一刻と時を刻んでいたのだ。。。

10月10日・・・

その日に向かって時間は過ぎていった。。
ブログ一覧 | ロータリー VS GT-R | クルマ
Posted at 2005/06/19 14:34:46

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この記事へのコメント

2005年6月19日 20:18
だんだん泣けてきました・・・(T_T)

ものすごい執念です!かっこいい!!男たるもの,そうありたいものです!
コメントへの返答
2005年6月19日 22:02
ハコスカのGT-Rが、ここまで後世まで語り継がれるのは、何も50勝という実績や、当時としては珍しいハイメカニズムだけでは無かったんですね。
それを、手足のように操るパイロット達と、最後まで執念にも似た気迫でGT-Rを勝利へと導いたひた向きな姿に人々が感動したからだと思うのです。
それには、良きライヴァルが必要で・・・僕は、正直学生の頃は単純「ロータリー」、「サヴァンナ」憎し・・・と思っていたのですが、今は、ある意味で「ロータリー」を「サヴァンナ」を尊敬にも似た眼差しで見ています。。。
レシプロの「雄」として、最後まで戦い続けたGT-Rの潔さと、まったく新しい技術をモノにして、多くの弊害を克服して行った「ロータリー」。
まさに、どちらも男の中の「男」ですよね!!
2005年6月20日 9:31
徳小寺さんのコメントに共感します!
「GT-R」にしろ「ロータリー」にしろ 携わる方々の志しが高かったが故に、どちらも90年代初頭に良い形で実を結ぶ事が出来たのだと思います。
この様な人間ドラマは、時代がいくら変わろうとも 若い世代に伝わって行くものだと信じています。
志しを持った若い世代の方々の創る「GT-R」や「ロータリー・スポーツ」にも期待したいですね♪
それにしても徳小寺さんの いつも惹きつけられてしまう文章には感服しています!
いつか、徳小寺さんの文章で 91年ルマン24Hでの奇跡と そこに至るまでの長い道程 についても読んでみたいです^^
コメントへの返答
2005年6月20日 11:08
当時の技術者とドライヴァー達の「熱意」には、本当に感慨深いモノがありますよね。

僕はモータースポーツって、もちろんクルマのポテンシャルや安全性の向上・・・と言った観点からも盛んになって欲しいと願っているのですが、一番は見る人たちに「感動」や「夢」を与えてくれるモノであり続けてくれたらなぁ。。とも思っています。

ルマンの奇跡は・・・これはもっともっと人間関係や、技術的な資料が膨大で、とても私だけの力では如何ともしがたいですねぇ。。

でも、また何かテーマを決めて、ブログができれば・・とも思っています。

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「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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