
週末の買い物の帰り道、いつも珍しいというか、変わったクルマが置かれているヤードでまたまたレアなクルマが置かれていた。
T170
コロナ・スーパー・ルーミー だ。
1990年に、トヨペットだか、トヨタの販売店の累計販売1000万台達成記念車として、なぜか コロナ を 210mm ストレッチしてリムジンを作って 500台 限定で売り出してしまった。
正直、なんでリムジンなのかは未だにもって分からないが、バブル華やかなりし頃、他所より違うぞっていうステイタスなんだろうか、まだまだミニヴァンが受け入れられていない時代、より広いクルマを求めていた結果なのか、コロナ以外にもいくつかのストレッチリムジンが続々と売り出されていた。
ストレッチリムジンの日産代表は「セドリック・ロイヤル・リムジン」を選んでみた。
僕的に印象的だったのが、セドリック・ロイヤル・リムジン だ。なんたって 600mm も延長された姿は外観も堂々としたものだったが、中に入ってみると、
セドリック・ロイヤル・リムジン には、この仕切りがあるタイプと無いタイプが用意されていた。とにかく中が広い!!
とにかく広くて、貧乏性の僕は、足をどうしていいか逆に分からなくなって、落ち着けなくなってしまった。(笑)
さてさて、コロナ・スーパー・ルーミー にハナシを戻すが、その存在意義について、未だに疑問と言ったが、もしかしたらカタログに、その答えがあるかもしれないと思うのだ。
「お隣のコロナより、うちのは、大きい」このキャッチが、このコロナのすべてを語っているかもしれない。
「お隣のコロナより、うちのは、大きい」
このキャッチを見て、思い出したのが、
初代が +100cc の余裕にコテンパンにやられて、じゃあという事でダイレクトに応戦したのがコレ。所得の差はあるが44万円でクルマが買えたのだ。
B110サニーの広告だ。
この広告を見ると、44万円でクルマが買えたのだが、B110が登場した 1970年の平均年収は 94万円だった。大卒の初任給は 37,000円。2019年の平均年収は 440万円なので、伸びは 4.7倍。
という事は当時の 44万円は、現代では 44x4.7≒207万円か・・(閑話休題)
もちろん、先代のサニーが、後発のカローラに 「+100CC の余裕」 でコテンパンにやられた応酬でもあるが、クルマが単純な移動手段から、ある意味快適性、広さも訴求して周りのクルマとは違うという特別感を表している。
コロナ・スーパー・ルーミー も、バブルで所得が向上して、同じクルマでもちょっと他所とは違うという特別感・・・それが、特別仕様であり、さらに今までの装備だけで区分けしていた特別仕様を、本当に「特別」である事を考えての「コロナ・スーパー・ルーミー」になったのかもしれない。
コロナ・スーパー・ルーミーの室内。たった210mmと言う事なかれ。座布団を敷けばあぐらが掛けるかも
現代には、なんだか、コロナ・スーパー・ルーミー をリスペクトしてかしてないか分からないが、とにかく広々感を強調した「ルーミー」なるクルマがあるが、ある意味で コロナ・スーパー・ルーミー の方が、バブルに踊らされた感はあるが、今のルーミーが、周りが作っているからという単細胞的な市場調査の産物に対して、こちらもある意味単純だが、こうしたクルマを作りたい、他所とは違ったクルマを作りたいという、独自の意思を持ったクルマだったのかもしれないと僕は思うのだ。
しかし、こうして朽ちてゆく姿を見ると、なんだか日本のクルマ社会の栄枯盛衰を見るような気がするのだが如何だろうか。
コロナ CORONA スーパー・ルーミー リムジン ストレッチ
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Posted at
2020/04/16 00:32:49