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2021年08月13日

麻薬 二硫化モリブデン添加は クセ になる。

麻薬 二硫化モリブデン添加は クセ になる。  「シロウトが何故、二硫化モリブデンを勝手にオイルに突っ込んだらダメか」という命題の答えを捜す旅も、よいよ大詰めになってきた。

 とうとう、オイルの実験まで試験機や、試験用にどっかからやって来きたに違いない東洋工業の TC型 エンヂン を使って自由に試験をやらせてもらった。

 特にエンヂンを直接分解したり、組み立てたりできたのは貴重な体験だった。

 そんな中、「モリブデンみそぎ」メンバーの誰という事も無く、

「「二硫化モリブデン」って個体じゃん。オイルの中で溶けないのにエンヂンの中ではどうなってんだろう」

その言葉にメンバー全員がハッとした。

 投入した「二硫化モリブデン」は、呼びで「0.5」、つまり 0.5μ のパウダーらしい。


僕の直接のエンヂンとの関りは、この東洋工業の TC型 だった。とにかくシンプルで分解しやすかった。(笑)

 単純に混ぜ混ぜしただけでは、オイル中に分散しないんじゃないかという事で、これでもか!というくらい自動拡散機にかけてオイルと「二硫化モリブデン」を混ぜてビーカーを置くと、程なく底に「二硫化モリブデン」が沈殿した。

 そこで考察したのが、

・固形なのでオイルフィルターが詰まるのでは。
・エンヂンが停止するとオイルパンに溜まるのでは

早速、オイルフィルターをエンヂンから取り外して流動抵抗を測定してみると、意外にもオイル単体と変わらない・・それじゃという事で分解してろ紙を顕微鏡などなどで見て見たが、顕著な不純物は見られなかった。

 何故か。フィルターのメーカーなどに問い合わせると、


オイルフィルターの簡単な仕組み。最初はフィルターでオイルを濾すけど、詰まるとリリーフバルブが開いてオイルが直接流動するようになる。

一般的なオイルフィルターの濾過性能は「30μ前後」という事で、僕たちが添加した「二硫化モリブデン」は「0.5μ」なんで ツウツウ に通過する事が分かった。

 ところがだ、劣化試験をやっている連中から、面白いもんがあるというハナシが来て、劣化したオイル中でスラッヂが生成されると、「二硫化モリブデン」が添加されたオイルは、通常よりスラッヂの生成が早くなる、そうなると、フィルターのリリーフバルブが早く開いて、スラッヂがエンヂンに回り、さらにそのスラッヂに「二硫化モリブデン」が引っ付くという悪循環を生むらしいことが分かった。

 まぁ実験なんで、フツウの状態であればスグには影響は出ないだろうけど、長く「二硫化モリブデン」を添加し続ければ、オイルのラインで動脈硬化が起きて潤滑不良もという事が想定された。

 さらに、新油に交換しても、新油の洗浄性で、オイル通路やエンヂン内にへばりついたスラッヂも、ある程度は新油内に拡散されるが、それが仇になって潤滑油の寿命が短くなるという事も分かった。

 オイルの劣化試験をやっている連中は、エンヂン内に残った、スラッヂなどが新油内に拡散して、オイルの寿命を短くして、どんどんスラッヂがさらに生成される状態を「油が腐る」と言っていたのが印象的だった。

 試験用のエンヂンのオイルパンを剥がしてみると、やっぱり、添加した「二硫化モリブデン」がオイルパン底に沈殿して、オイルパン内に溜まっていた。

 悪い事に、その沈殿した「二硫化モリブデン」にスラッヂがまとわりついて、ドロッとした液体とも何とも言えないモノに 一部 なっていた。

 この沈殿した、「二硫化モリブデン」と「スラッヂ」が、また、せっかく入れた新油の洗浄性によって、新油中に拡散され、新油の寿命を短く・・・と踏んだり蹴ったりの状況に。

 まさに、ゾンビでは無いが、腐ったミカンの様に、一部オイルとしての機能不純なモノが存在すると、「オイルも腐るんだ」と、それを言い出したメンバーの感性に関心しきりだった。

 「二硫化モリブデン」の単純な添加によって、当初は、摩擦低減の効果を実感できるが、それがオイルのスラッヂなどと結合して、それそのものも悪さをするが、加えてオイルの寿命を短くしてしまい、オイルの劣化が加速度的に進んでしまうのだ。

 そうなると「二硫化モリブデン」の 摩擦低減代 より オイル劣化 の影響で、ある時点から「二硫化モリブデン」の効果より、オイルの劣化によるフィーリングの悪化、つまり摩擦の増加が見られるようになって、それを補うためにさらに「二硫化モリブデン」を添加、さらに「増量」とまるで覚せい剤か麻薬の様な状況になる・・・のではないかと。

 

 そこまでの結果を、デスラー教授に報告すると、

「そこまでは君たち機械屋の観点でしかない、科学の目で見るとどうなんだ」

と言われてしまった。


 さて、どうしたモンか。。



君たちは、まだまだ機械屋の観点でしか見ていないな。科学的な観点では・・・



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Posted at 2021/08/13 14:51:21

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この記事へのコメント

2021年8月13日 21:31
こんばんは。
TCエンジンは、私の家で乗っていたグランドファミリアにも搭載されていたようです。エンジンの記憶は全くありませんが、当時の本によるとパワフルな部類にあったようですね。ブログ内の写真でも、OHCクロスフロー式で、トヨタT型や日産L型と比較しても、お金がかかっているエンジンのように感じます。
後継のUCエンジンが、1998年以前のボンゴ/バネットに搭載されており、2000年代になっても「昔のエンジンらしい、「ドゥルルル」」という獰猛な機関音が、今でも記憶に残っています。
コメントへの返答
2021年8月14日 3:27
実はマツダ、東洋工業時代からエンヂンについては革新的なモノを脈々と作り続けていました。
ウチも二代目ファミリアのヴァンを仕事クルマとして乗り継いでいました(会社から支給されていた)のでTCエンヂンは実に思い出深いエンヂンです。
それ以前のマツダと言えば、オールアルミの「白いエンヂン」があったり、R360クウペに至っては、アルミ合金にマグネシウムまで使っていましたから、まったくエンヂンに拘りを持ったメーカーだと思います。
UCエンヂンに代表される60年代後半くらいからのマツダエンヂンは、燃焼音が良く聞こえるんですね。
室内がそうでしたから、車外はもっとにぎやかだったに違いありませんよね。

プロフィール

「後視 いやぁこんなに簡単なバックカメラがあったなんて!! http://cvw.jp/b/124785/23876370/
何シテル?   01/04 14:54
無類のクルマ好きで、日産車を愛してやみません。 徳小寺 無恒のHNを引っさげ、かつての愛車、ワインレッド・パール・ツゥートンのU14ブルーバードの話題を軸...

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